プレイレポート
1年目の「遊戯王 マスターデュエル」は,ジャンド→電脳→純LL→トリスタ→マリンセスからのマンジュシカでターンエンド
ターン2:ジャンク×ドッペル=シンクロニティ
遊戯王とはだいぶ縁遠い人生であったが,漫画に登場したカードや一部のアニメ作品,OCG最初期の動向のほかに「ダーク・ダイブ・ボンバー」や「征竜」といった単語だけは不思議と記憶していた。
思えば,触れていなくても接点自体はけっこうあったのか。
その日,興味本位だけのなにもかも分からない状態でマスターデュエルを開始して,チュートリアルを進めた。今でもよく覚えているのは「突進(速攻魔法)これ最強だろ……」という第一印象だ。
あのころはまだ,モンスターの攻撃力を700アップすれば無敵であり,どんな強敵相手でも世界を変えられると思っていた。
最初に提示された三つの初期デッキのうち,選んだのはシンクロ召喚をテーマとする「シンクロ・オブ・ユニティ」だった。選択の理由は,アニメ「遊☆戯☆王 5D's」だけはそこそこ観ていて,いつの日か「スターダスト・ドラゴン」を使いたいと思っていたから。そしてさっそくランクマッチ……なんてことはせずにネットで使い方を調べると。
そこには知らないカードと,意味不明な手順が羅列されていた。
遊戯王については出して攻撃して魔法されて攻撃されてまた出してと,双方が1アクションずつ応酬するものだと思っていた。
しかし現代遊戯王の流れはそうではなく,1ターンにできることを最大限費やし,万全の布陣で相手を迎え撃つものだった。
当初は麻雀のように配られた配牌でどうにかするゲームだと思ったし,そのうち将棋のように手順でどうにかするゲームだと思ったし,最終的にはどちらでもあるといった所感を受けたしと。
これらの概念にはすぐに「おもしれェ……」とハマっていった。
初期の思索の過程はあまり覚えていないが,シンクロデッキの方向性はすぐさま決まった。ジャンドこと【ジャンクドッペル】だ。同デッキを選んだ人の多くが検討したはずの,ひときわ光指す道である。
ジャンドの起点は,墓地のモンスターを蘇生する「ジャンク・シンクロン」と,シンクロ召喚の素材にするとトークンを生み出す「ドッペル・ウォリアー」が担う。「遊☆戯☆王 5D's」の主人公・不動遊星もやっていた,いややってなかった気もするが,とにかく王道シンクロ軸だ。
なお,あらかじめ注釈を。本稿ではこの先,めっちゃくちゃっ! いろんなカードの名称が出てくるため,カード説明は最小限としている。興味を持ったカードについては実際にゲーム内で確認してほしい。
デッキを改良し,よく分からないのでソロで実験し,また改良。
それを何度も繰り返して,対戦向けに調整していると気付く。
「スターダスト・ドラゴン使わねえじゃん」というジレンマ。
使いたいカードの理想と,実際に使うカードの実態。
これらがかけ離れる苛みは,遊戯王の誕生当時からありそうだ。
自前で引いたスターダスト・ドラゴンは,運よくシャイン加工カード。キラキラしていてカッコよかったのでどうにかして使いたかったが,実際に対戦に乗り出してから見切った。これだけじゃムリだ。
デッキコンセプトにせよ,しばらくすると強そうな高レベルのシンクロモンスターを「とりあえず単体でドンッ!」の方針に変わった。
いろいろな大型モンスターを状況に応じて臨機応変で出せば,柔軟で最強だと思ったのだ。当時ははじめたてホヤホヤだった。
それでも「調律のモンスタードローが最強すぎる」と遊戯王における手札アドバンテージの概念を覚えつつ,「灰流うららと増殖するGが最凶すぎる」(※)と妨害の強さも学びつつ,構築を高めていった。
※上記2カードは超頻出のため,以降「うらら」「G」と表記
盤面の主軸は,明らかにコイツ強いと思った仲間呼びの天才「ジャンク・スピーダー」をドンッと出し,そこから「氷結界の龍 トリシューラ」の3枚除外につなげること。これが必殺の一撃と化した。
このころはまだ複雑怪奇なシンクロルートの概念などかけらも知らなかったものの,数日ほどして「天輪の双星道士」と「武力の軍奏」に頼る,基本的なシンクロ召喚の展開手順を対戦相手から学んだ。
なお「混沌魔龍 カオス・ルーラー」を使う軸は,デッキ構築がジャンドっぽくないからヤーなの! といった心理でやめた。
手順を学んで以降,目標とする最終盤面に採用した大型モンスターは,万能妨害役「コズミック・ブレイザー・ドラゴン」と,フィールドのお掃除屋「スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン」の2枚だ。
ただ,デッキ精度の低さがたたり,展開は次第に「ジャンク・スピーダーからスカーレッド・ノヴァ・ドラゴンを出すだけ」になる。
ランクマッチは当初,ブロンズ,シルバー,ゴールドまではジャンドでウキウキで勝ち負けし,プラチナに入ると【LL鉄獣】【エルドリッチ】【電脳堺】【宣告者ドライトロン】との出会いが多くなり,攻撃力5300こと「アクセスコード・トーカー」を毎秒見たし,効果発動を無効にしてくる「召命の神弓−アポロウーサ」も毎分見たしで切磋琢磨した。
また,当時はジャンク・シンクロン周りの展開を妨害されるとそれだけでターンエンド級。ついでに「原始生命態ニビル」(以下,ニビル)を出されて,よく絶望顔になった。こっちも対抗して入れた。
的確な妨害で展開を封殺されることが増えた結果,私の思考は最終盤面ではなく「いかに初動でシンクロ召喚にいけるか」に向いた。
ゲーム内でひらすらカードを検索し,トークン1体を特殊召喚する魔法「ワンタイム・パスコード」など,ネット上のレシピではあまりお目にかけないカードも自分オリジナルとして採用していった。
プラチナ以降の追求の成果で,EXデッキからはいつしかぜい肉がそぎ落とされ,最終盤面も上振れなら「コズミック・ブレイザー・ドラゴン&クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン」。下振れなら「スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン」の男立ちだけに最適化。
さらに柔軟な間接役としてハリセレーネアクセス(※)も採用した。ジャンク・スピーダー軸では召喚制限で用途が限られすぎるが,みんなが使っていたから羨ましかったのだ。まあ,このデッキで彼らを召喚できる機会はだいたい,フィニッシュできないときであったが。
※リンクモンスター「水晶機巧−ハリファイバー」から「神聖魔皇后セレーネ」から「アクセスコード・トーカー」へ,モンスター効果を最大限生かしてリンク4召喚につなぐ,当時の人気戦術
当然,私のジャンドは弱かった。柔軟性はあったが再現性は低く,自分ならではのオリジナルシンクロデッキに落ち着いた。
理想の上振れ展開ができる確率にせよ「初期手札がうらら,G,ニビルだけだったとき」くらいに等しかった。
プレイングも考えなしで,考えたところで慈悲なき妨害を食らうため,ときにはシンクロ手順を忘れるほど勝てない日もあった。
「使神官−アスカトル」で1発レベル8シンクロに賭けたこともあった。「サイバース・ガジェット」や「ゴブリンドバーグ」など頼れる仲間を増やしたこともあった。「マスティマティシャン」に願いを込めて通常召喚を使うこともあった。「ジャンク・ウォリアー」一点強化に祈ったこともあったし,いろいろやったし,ものすごく時間を費やした。
構築を考え,カードを調べ,デッキに反映し,入れたあとも煩悶する。プレイをはじめてから2週間はベッドで寝る前に,頭のなかで「3・2で5,5・3・2・1・2で5と5,5・5・2・1で……」と脳内シンクロ算を数時間やるのが日課となり,毎日寝るのも起きるのもツラかった。
それが本当に,実に大変で,やけに楽しかった。
私のジャンドは凝り固まった迷走と錯綜によって,完成度は高くなかった。それは今でもで,使わないくせにときどき構築を弄ったりもするが,機能の弱さは相変わらず。シンクロ フェスティバルですら使おうとは思わない代物のため,この先は一生,使うことはない。
ただ,寝ても覚めてもデッキとカードとシンクロとジャンドのことだけを考えた。それはとても稚拙な努力であったが,「カード1枚入れるか抜くかを考えて眠れない」という,あれってマジだったのかと教えてくれたジャンドのことは,この先も一生,忘れることはない。
■デュエルスタンバイ
ターン1:スタンバイ・自語り・フェイズ
ターン2:ジャンク×ドッペル=シンクロニティ
★次 → ターン3:ルゥルゥがヂィヂィでニャンニャン
ターン4:純構築は意固地な思春期の純結晶
ターン5:面白いと思った,お遊びの代償
ターン6:乙女の バ ト ル オ ー シ ャ ン
ターンEnd:お願いキャンディナマンジュシカ!!!
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