子羊の教団に山羊が来た。友達と一緒にバトルからウンチ掃除まで楽しめる「Cult of the Lamb」無料大型アプデ「Unholy Alliance」レポート

　京都市勧業館「みやこめっせ」で2024年7月21日まで開催されているインディーゲームイベント「BitSummit Drift」。Devolver Digitalブースでは，アクションRPG「Cult of the Lamb」（PC / PS5 / Xbox Series X|S / Nintendo Switch / PS4 / Xbox One）の無料大型アップデート「Unholy Alliance」のデモ版をプレイできた。ファン待望である協力プレイの内容と，開発を担当するMassive Monsterスタッフへのインタビューをお届けしていこう。

「Cult of the Lamb」の試遊台

試遊台の隅には，雰囲気のあるキャンドルが飾られていた

「Unholy Alliance」のキービジュアルがあしらわれた扉

子羊の教団に山羊が来た。
友達と一緒にバトルからウンチ掃除まで楽しめる
無料大型アップデート「Unholy Alliance」

　「Cult of the Lamb」は，2022年にリリースされたアクションRPGだ。プレイヤーは生贄にされた子羊となり，自分を助けてくれた謎の存在「待ち受けし者」のためにカルト教団を結成し，ほかの動物たちを仲間にして教団の勢力を拡大していく。可愛らしい子羊が激しく戦いつつ，ダークな教団経営を行っていくというギャップが大きな魅力となっている。

　そんな本作では，無料大型アップデート「Unholy Alliance」の実装が予定されており，子羊と同じ能力を持つ山羊（ゴート）を操作してのローカル2人プレイが可能となる。

　子羊と山羊は能力も同じなら，教団内でできることも同じ。信者のウンチやゲロを手分けして掃除することもできれば，ダンジョンで助けた動物の処遇を勝手に決められたりすることもある。ローカル2人プレイなので，気の置けない友達と一緒に笑いながらプレイするというのが望ましいスタンスであるようだ。

　本編ではCPUと遊んでいたミニゲーム「Knucklebones」も，子羊と山羊による対戦が可能となる。運と戦略が程よく混じり合ったゲームだけに，人間同士がプレイすることでより盛り上がることだろう。

これが「Knucklebones」。2人プレイ時は人間同士で対戦できる

　ダンジョンでの戦いは2人で挑むと心強い。とくにありがたいのが，子羊と山羊は独立した体力ゲージを持っていること。戦闘中に片方が倒れても残った者が助け起こせるし，残った者が部屋をクリアすれば倒れた者も蘇る。1人プレイで苦戦しているときに，アクションゲームが得意な友達を助っ人に呼ぶというのもアリだろう。

　道中で出る武器や「呪い」「聖遺物」「タロットカード」は，子羊と山羊のどちらが取るかを選ばなければならない。取り合いになるか，譲り合いになるかは日頃の仲次第というわけだ。基本的に距離感が近い友達と遊ぶことを想定しているという感じで，ゲーム好き同士でプレイするとワイワイと盛り上がれそうだ。


　ここからは，Massive Monsterのヘッド・オブ・プロダクションであるZea氏へのインタビューをお届けしていこう。「Unholy Alliance」について気になるところを聞いてみたので，ファンは必見だ。

Massive Monsterのヘッド・オブ・プロダクションであるZea氏

4Gamer：
　よろしくお願いします。「BitSummit」に参加してみていかがですか。

Zea氏：
　日本に来たのは初めてです。実際にユーザーさんと一緒に協力プレイをしたんですが，京都の皆さんはうまいので驚きました。

4Gamer：
　普段はどのようにしてユーザーの声をチェックしているのでしょうか。

Zea氏：
　ゲームの中にユーザーさんの行動をトラッキングする機能はないので，コミュニティマネージャーのLornaやQAチームのValentinたちがいろいろと調べてくれています。アナログな方法ではありますよね（笑）。

4Gamer：
　発売からしばらく経っての協力プレイの登場ですが，実装に至ったきっかけはどういったものでしたか。

Zea氏：
　発売から1年間はユーザーさんの声を聞きつつ，我々が気付けなかったところを調整して足場を固めていき，その後に大型アップデートを実装したいと思っていました。協力プレイへの要望が来るだろうことは予め分かっていましたし，2人プレイを2年目に実装するのもすごくいいな，と思ったんです（笑）。

　実際に協力プレイを求める声も数多くいただきましたし，ちょうどいいタイミングではあると思います。ユーザーさんが求めるものや我々がやりたいことと，ゲームにとって良いことのバランスは難しく，こうしたところを考えつつアップデートを続けてきました。

4Gamer：
　「Unholy Alliance」の見どころはどういった部分でしょう。

Zea氏：
　新しいタロットや聖遺物など，1人プレイでも楽しめる新要素も用意しています。これらの中には2人プレイでしか取れないものもありますので，ぜひ協力プレイを試してみてください。また，信者の性格に新しいものが登場しますので，教団運営がより楽しくなると思います。

　新ダンジョンやエリア，新シナリオが追加されるわけではないんですが，既存ダンジョンのバラエティが豊かになっていて，いつも同じような景色を見なくてもいいようにしました。そうした意味では新しい要素があると言えるかもしれません。

　個人的に気に入っているのは，「Knucklebones」の対人プレイです。協力プレイがテーマとなった「Unholy Alliance」の中では，唯一友達と戦えるゲームなので，そのギャップも楽しんでください。ダンジョンではラブ，「Knucklebones」ではエネミーになるのが「Unholy Alliance」の2人プレイというわけです（笑）。

4Gamer：
　2人プレイする際は，専用のデータを用意しないといけないのでしょうか。それとも，普段1人プレイしているデータで，必要なときだけ友達を呼べるのでしょうか？

Zea氏：
　呼びたいときにお友達を呼んで，抜けたいときに抜けてもらえるという仕様です。

4Gamer：
　2プレイヤー側の山羊は，子羊と同じ能力を持っているそうですが，説教をしたり，スキルを選んだりといった重要な決定も山羊が行えますか。

Zea氏：
　どちらにも同じ権限が与えられています。やれることはまったく同じです。どちらもゲロやウンチを片付けられますし，信者を教団に入れるかどうかを決められます。子羊ができていたことは，山羊もすべてできるんです。友達に作業を頼んだとしても，その友達には「いやだ」という権利があるわけですね（笑）。

4Gamer：
　オンラインプレイはあるのでしょうか。

Zea氏：
　オンラインプレイはないですね。ローカルのみです。

4Gamer：
　山羊をAIに操作してもらうことは可能なのですか？　できたら戦闘が楽になりそうですが。

Zea氏：
　それはできないです。充分なスキルがある方なら，右手と左手にコントローラを持って，子羊と山羊を操作できるかもしれないですね（笑）。

4Gamer：
　RTA走者でそういうプレイをする人が出てくるかも知れませんね。では最後に，ファンに向けてメッセージをお願いします。

Zea氏：
　日本の皆さんがサポートしてくださっていることに，心から感謝しています。新しい協力プレイモードもぜひ楽しんでください。「子羊を称えよ」！

4Gamer：
　ありがとうございました。

　「Cult of the Lamb」の無料大型アップデート「Unholy Alliance」は，8月12日に実施されることが公式Xにてアナウンスされている。友達と新たな教団を立ち上げるのも面白いのではないだろうか。

「Cult of the Lamb」公式サイト

「BitSummit Drift」公式サイト

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