プレイレポート
「星のカービィ ディスカバリー」プレイレポート。シリーズ最新作は遊びやすさとかわいさ,“探索と発見”の楽しさが魅力の3Dアクション
シリーズ初の3Dアクションとして,発表時から大きな話題となっていた本作(関連記事)。“すって,はいて,飛んで,コピーして”というおなじみのアクションはそのままに,新しいカービィの能力や,奥行きのあるステージならではの探索要素とギミック,これまでの作品にはなかった雰囲気の世界観,謎の多い物語,町づくり,そして“発見(ディスカバリー)”といった楽しさにあふれた作品となっている。そんなシリーズ最新作のプレイレポートをお届けしよう。
「星のカービィ ディスカバリー」公式サイト
緑に包まれた街並みやショッピングモール……
冒険の舞台は,今までと違った雰囲気の「新世界」
物語の舞台となるのは,現代的な文明と自然が融合した「新世界」だ。ある日,突如として空に現れた謎のうずに吸い込まれ,未知なる世界に迷いこんでしまったカービィ。同じように多くのワドルディたちもこの世界に迷い込んでいたようで,カービィは,そんな彼らが謎の軍団に囚われていく姿を目にする。
その軍団の名は「ビースト軍団」。なぜワドルディたちを捕まえているのか分からないが,助けないわけにはいかない! こうして彼らを救出しているさなか,同じようにビースト軍団に捕まっていた不思議な子・エフィリンを助け出したことをきっかけに,カービィは謎多き新世界を冒険することになる。
カービィがたどり着いた海辺から,うっそうとしたジャングルへ。そこを抜けると一気に視界が開けて,かつては都会だったであろう,緑に包まれた近代的な街並みの風景が眼前に広がる。我々の世界に近いその風景は,これまでのプププランドのようなメルヘンな雰囲気と大きく異なっており,かなり驚かされることになるだろう。
緑に飲み込まれた都市や,その地を野生の生き物のような印象のあるビースト軍団が自由に歩き回っている様子は“ポストアポカリプスもの”の雰囲気もあり,「この地はかつてどんな文明が栄えていて,なぜ今はこのような世界になっているのか」といった興味がわいてくる。この謎多き世界で,カービィがどんな冒険をするのか。冒頭からワクワクさせてくれる展開だ。
“発見”がたくさんあるステージを探索!
新たな能力を使ってワドルディたちを助け出そう
本作はワールドマップを移動してステージを選択し,それをクリアすると新しいステージが出現するというステージクリア型の進行となっている。
探索型の3Dアクションとなっている各ステージでは,ゴールを目指して進みながら,「ワドルディの救出」「特定のアクションを行う」「指定されたオブジェクトを壊す」といった,ステージによって異なるミッションをこなしていく。
ステージにはさまざまな敵が存在し,ビースト軍団のほかにも見覚えのある敵が待ち構えている。おなじみ「コピー能力」はもちろん健在。一部の敵は吸い込むことでその能力をコピーできるので,これを活用して敵を退けよう。
ファイアでランタンに火をともしたり,カッターでオブジェを壊したりと,コピー能力はステージのギミックを解くうえでも重要となる。ギミックの解除はミッション達成に欠かせないものなので,コピー能力を手に入れたら,周囲だけでなく,その先にある怪しい場所やモノを見逃さないようにしよう。
ステージ上には,いかにも怪しそうだが,コピー能力では何もできないものがある。そこで活躍するのが,新要素の「ほおばりヘンケイ」。その名のとおり,カービィが自分の身体より大きなものを“ほおばって”それを自分の力にするという能力だ。
自動車をほおばり,クルマになって移動する。自動販売機をほおばり,缶を発射して攻撃する。三角コーンをほおばって,とんがった部分でひび割れた地面や水道管を壊す。我々になじみ深いそれらのものを,大きさなど関係なくほおばって活用するカービィはさすがだし,ちょっと変(?)だけどかわいい姿も魅力的だ。
ほおばった物によって異なるアクションができるところも楽しいので,ほおばれるものがあれば逃さずパクっとしてみよう。
ミッションを達成するため,さまざまな能力を使ってあちこちを探しまわると,いろいろな場所で捕まっているワドルディが見つかったり,隠された道や場所があったり,アイテムが手に入ったりする。
また,それだけではなく,信号機や空き缶といった細かい部分の表現からもこだわりを感じられるステージは,ただ歩きまわっているだけでも面白い。タイトル名にあるとおり,さまざまな発見(ディスカバリー)があるところが,本作の何よりの魅力だろう。
ステージを複数クリアし,一定の数のワドルディを救出するとエリアボスに挑戦できる。ボスだけあってどれも強敵揃い。どのコピー能力で戦うか,攻撃を仕掛けるタイミングはいつがいいのか。敵の動きを観察し,試行錯誤しながら戦えるところが楽しく,勝利したときの達成感もなかなかのものだ。
ボスに勝利すると次のワールドが開放される。ワールドによって雰囲気が異なり,世界の全体像が少しずつ見えてくるところも,謎を解きながら物語を進めている感覚があり,これも本作の大きな魅力となっている。
「さすがカービィ!」な遊びやすさと“かわいさ”も魅力
町を発展させて新たな世界での冒険を楽しもう
新世界での冒険の拠点となるのは,「ワドルディの町」だ。ステージをクリアしてワドルディたちをたくさん助けると,その数によって施設が増えていき,町が発展していく。
見知らぬ世界に迷い込み,さらにさらわれるといったひどい目にあっていながらも,仲間が集まったらその土地に自分たちの街を作るというワドルディたち。そんなたくましさのあるワドルディたちを助けるごとに街がにぎやかになっていくのが嬉しくて,「もっと冒険して,みんなを助けだそう!」というモチベーションにもなった。
イベントシーンやムービーが見られる映画館や,ミニゲームが楽しめるカフェなど,さまざまな施設がある中で,とくにお世話になるはずのお店がワドルディの武器屋だ。
ここではなんと,コピー能力を進化させるという,カービィシリーズの新要素が行える。苦戦した敵や場所,解けなかったギミックがあれば,ここで強化したコピー能力を手に入れて再度挑んでみよう。能力が強化されるだけでなく,その見た目も変化する点に注目だ。
気になる難度だが,3Dアクションになってもカービィならではの遊びやすさは変わっていなかった。カメラアングルは地形に合わせて自動で調整されるため,移動とともに複雑なカメラ操作を求められることはほとんどなく,ちょっと微調整するくらいでゲームを進められる。カメラの移動スピードも絶妙で,こういったアクションで画面酔いしやすい筆者でも長時間快適にプレイすることができた。
冒頭のジャングルを抜けるところが,移動や「すいこみ」「はきだす」といった基本的な操作方法のチュートリアルのようになっており,新要素の「ほおばりヘンケイ」も,初めて“ほおばれる”モノが出たときに説明が入り,使い方を学ぶことができる。カービィの体力が多い「はるかぜモード」に設定すれば,敵が多い場所やボス相手でも安心だ。
このように,各種アクションはゲームの流れで自然に覚えられ,遊びやすいモードも用意されている。アクションが苦手な人や小さな子どもでも安心して楽しめるはずだ。
カービィシリーズ初の3D探索アクションである本作は,新しいアクションが増えても,基本操作はシンプルで遊びやすく,絶妙なゲームバランスに仕上がっている。「これぞカービィシリーズ!」といったところだ。
Joy-Conのおすそわけで,2人プレイができるところも嬉しい要素だ。アクションに不慣れな人や小さい子どもも,アクションが得意な友人や仲間,保護者と一緒にプレイすることで,一人では解けなかったギミックや勝てなかった強敵といった難関を突破することができるはずだ。
3Dアクションという部分はもちろん,まるでカービィが我々の世界にやってきたかのような不思議な感覚がある世界観も魅力的だ。探索を進めながらさまざまなものを発見し,考察をしながら物語を追っていくと,よりゲームの世界に没入できるだろう。おなじみメタナイトやデデデ大王も新世界にいるようだが……どのような形で登場するか,ぜひプレイして確認してほしい。
そして最後に,「とにかくカービィがかわいい!」ということを伝えておきたい。3Dでさまざまな角度から眺められるその動きはどれもキュートで,場面によってはカメラ目線で手を振ってくれるといった“サービス”もあってたまらない。そんなカービィのかわいさをたっぷり堪能しながら,謎多き世界を冒険しよう。
「星のカービィ ディスカバリー」公式サイト
- 関連タイトル:
星のカービィ ディスカバリー
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