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「ARC Raiders」は機械生命体だけでなく,ほかのプレイヤーとも戦うPvPvEのシューター。開発陣にそのこだわりを聞いた[G-STAR 2024]
「ARC Raiders」公式サイト
本作は,Nexonがサービスするチームシューター,「THE FINALS」(PC / PS5 / Xbox Series X|S)を手がけたEmbark Studiosによる新作サバイバルシューターだ。Nexonとしては珍しく,PCおよびコンシューマ機向けのパッケージタイトルとして開発が進められている。この10月には,テクニカルテストが実施された。
文明が荒廃した未来の世界を舞台に,プレイヤーは空から降ってきた謎の機械生命体「アーク」に立ち向かい,生き残りをかけて戦っていく。人類は,アークの虐殺から地下基地「スペランザ」に避難しており,「レイダー」であるプレイヤーはスペランザから地上に出て,資源を探し求める危険な任務を遂行しなければならない。
ゲームの主な流れは,時間制限付きのマップに出撃し,アークを撃破して戦利品を集め,脱出ポイントから地下に戻るというもの。本作の大きな特徴は,PvPvEのゲームであることだ。ほかのプレイヤーは味方とは限らず,協力するか競争するかを選択できる。ほかのレイダーと力を合わせて強力なアークを倒し,戦利品を分け合ってもいいし,資源を持ち帰ろうとするレイダーを襲って略奪してもいいのだ。
そんな本作の詳しい内容について,Embark Studiosのコミュニケーションディレクターを務めるスヴェン・グルンドベリ氏と,ARC Raidersプロデューサーであるダニ・ヴィテリ氏に説明してもらった。
――本作の魅力は,ミステリアスな機械生命体アークだと思います。アークのデザインについて,こだわっているポイントを教えてください。
ダニ・ヴィテリ氏:
アークのデザインで重要なのは,ミステリアスで惹きつけられるビジュアルであることです。これに機械ならではのメカニカルな動きが組み合わせることで,アークが敵であるからこその面白さを表現したいと考えています。
スヴェン・グルンドベリ氏:
今の時代,マシンやAIの存在感が増しつつあると認識しています。AIを脅威と捉えることもあれば,未来を作るものだとワクワクする部分もある。それらをモチーフとしてデザインを作り込みたいと思っています。全体的な雰囲気としてレトロフューチャーも取り入れていますので,先進的だけどノスタルジックなデザインを目指しています。
――耳を澄まし,音をよく聞いてプレイするゲームだそうですが。
スヴェン・グルンドベリ氏:
はい,音はゲーム全体の要素として関わっています。本作で生き延びるには,周辺環境に神経を研ぎ澄ませる必要があり,音が大きなヒントになります。それに気付けないと,大変なことになるでしょう。
我々のチームには世界トップクラスのオーディオエンジニアがおり,その実力を遺憾なく発揮してもらい,素晴らしい形にまとめました。
ダニ・ヴィテリ氏:
世界の美しさにもこだわっていて,そこには音も含まれています。具体的には,レトロ感を出しつつ,同時に怖くて引き込まれるような,機械生命体だからこそのアークの音です。アークの発する音は,プレイヤーの皆さんに緊張感を与えるとともに,さまざまな判断のヒントにもなるでしょう。
――協力するか競争するかをプレイヤーが選べるのがユニークな点ですが,どういったコンセプトで始まったシステムなのでしょうか。
スヴェン・グルンドベリ氏:
もともとは協力プレイのゲームとして開発していたのですが,PvPもあったほうが面白いと考え,協力と競争のどちらも入れることにしました。ただ,本作はエクストラクションシューターではありますが,戦闘が目的かというと,そうではありません。探索して世界の謎を解き明かすことも,大きな目的の1つです。ですから,戦闘の機会があっても,あえて避けるというオプションは用意しています。
また,ソロでも2〜3人でもプレイできるし,友達と遊ぶことも,知らない人と遊ぶこともできます。こうした複数の要素が重なることで,より面白くなると考えて,今のARC Raidersになっていったという形ですね。
――戦利品を得てから,脱出ポイントを探して離脱しないといけないわけですが,その状態でPvPvEが展開されるとなると,脱出ポイントで待ち構えて略奪してくるようなプレイヤーが出てきますよね。そういった相手に対しては,どういったプレイを想定しているのでしょうか。
ダニ・ヴィテリ氏:
確かにそうしたプレイヤーはいるでしょうし,そうしたプレイヤーと正面から戦闘するのは,リスクの高い行動になるでしょう。もちろん,それを選んでも構いませんが,それ以外の手段が取れるようなオプションをいろいろと用意しています。例えば,アイテムやガジェットを用いて戦闘を回避するとか,自分のプレイスタイルに合わせたやり方で状況を切り抜けられるのです。
場合によってはアークをけしかけて,味方のように使ってしまうといった賢いプレイも可能でしょうね。
――エクストラクションシューターは競技に特化した作品が多いと思いますが,本作はアドベンチャー要素が強いですね。
スヴェン・グルンドベリ氏:
アドベンチャー要素は,Nexonに提案したときから絶対に入れたいと思っていました。エクストラクションジャンルが進化するためには,「ここにいたい」と思える,あるいは,「ここがどんなところなのか知りたい」と好奇心をかきたてられる世界であることが大事だと思っていて,探索している感覚をプレイヤーに与えたかったのです。
ダニ・ヴィテリ氏:
ポストアポカリプスの世界ではあるけど,もっと探りたいとワクワクするような,ARC Raidersだからこその魅力的な場所や雰囲気が表現できていると考えています。
――世界観について,モデルとなった実在の場所や,ベースにしている作品などはあるのでしょうか。
ダニ・ヴィテリ氏:
私はイタリア人なんですけど,実は南イタリアが舞台です。
具体的にここという場所を登場させているわけではありませんが,ナポリやヴェスヴィオ火山など,さまざまな場所からインスピレーションを得ています。
――最後に,日本のゲーマーに向けてメッセージをお願いします。
スヴェン・グルンドベリ氏:
まず,テクニカルテストでプレイしていただいた方々に,心からの感謝を申し上げます。リリースまで,まだたくさんのテストを実施しますし,PC以外のプラットフォームでも行う予定ですので,ぜひ皆さんとARC Raidersを作っていきたいと思っています。忌憚のないフィードバックをいただけると幸いです。(日本語で)アリガトウ。
ダニ・ヴィテリ氏:
イタリアに行きたくても,旅費が高いなと思ったら,ぜひARC Raidersを遊んでください(笑)。
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