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「アストロシティミニV」インプレッション。これは縦型シューティングの名作が集結した“尖ったアイテム”だ
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印刷2022/07/30 11:30

プレイレポート

「アストロシティミニV」インプレッション。これは縦型シューティングの名作が集結した“尖ったアイテム”だ

 セガトイズから2022年7月28日に発売となった「アストロシティミニV」は,アストロシティを1/6サイズで再現したもので,縦画面のアーケードゲーム22作品を収録する。サイズは130mm×170mm×170mmで,4.6インチのディスプレイを備え,もちろん,ジョイスティックとボタンもしっかり再現されている。この点は「アストロシティミニ」と変わりなく,ほどよいジョイスティックのままだ。一見すると,このサイズでシューティングは厳しかろう……と思いがちだが,ちゃんと弾も見えるし,操作性もGood,画面サイズも問題なかった。

本体。ディスプレイは縦位置で4.6インチにある
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側面
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背面。下部にスイッチや端子があり,左から電源スイッチ,HDMI出力,USBポート×2,ヘッドフォン端子,電源用のmicroUSBポートになる
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電源を入れると上部のイルミネーションが点灯する。またスピーカーもあり,ステレオ仕様だ
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イルミネーションは淡く光るくらいで,部屋を暗くしてもあまり気にならない
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ジョイスティックとボタンは,アストロシティミニから特に変更ナシ。リサイズされていながらも,操作感はアーケードのそれと変わらない
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付属品はUSBケーブルとHDMIケーブル
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パッケージ
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 収録タイトルは次の通りで,22タイトルになる

ムーンクレスタ(1980)
ZAXXON(1982)
テラクレスタ(1985)
コスモポリス ギャリバン(1985)
アクションファイター(1986)
TATSUJIN(1988)
レッスルウォー(1989)
鮫!鮫!鮫!(1989)
雷電(1990)
アウトゾーン(1990,アーケード版初忠実移植)
ソニックウイングス(1992)
達人王(1992,アーケード版初忠実移植)
ドギューン!!(1992,アーケード版初忠実移植)
デザートブレイカー(1992,アーケード版初忠実移植)
BATSUGUN(1993)
V・V(ヴイ・ファイヴ,1993)
戦国エース(1993)
疾風魔法大作戦(1994)
ガンバード(1994)
ストライカーズ1945(1995)
アームドポリス バトライダー(1998,アーケード版初移植)
バトルバクレイド アンリミテッドバージョン(1999,アーケード版初忠実移植)

 原典的な「ムーンクレスタ」に始まり,縦シューが多く登場した1990年代をしっかりと押さえたラインナップだ。おっさん世代においては,記憶しているタイトルがちらほらあるだろうし,最近シューティングを遊び始めた人も,目にしたタイトルがあるといった具合だろう。

メイン画面。タイトルは時系列順で並んでいる
画像集#009のサムネイル/「アストロシティミニV」インプレッション。これは縦型シューティングの名作が集結した“尖ったアイテム”だ

異色タイトルは「レッスルウォー」。スクリーンショットの通り,縦画面のプロレスゲームになる。視線や表情がうまくて楽しい。気分転換用に収録されたのだろうか。
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 システム面を見ると,「かんたんセーブ」が今風だ。Fボタンを押下で,そのときの状況のセーブを複数でき,またFボタン長押しでロードできるというもの。苦手なシーンの前にセーブして,事故ったらロードしてリトライといった遊び方ができる。当時,フツーにクリアしていた人もいるはずだが,いまやってみると「当時の俺,どうやってクリアしてたの」となりがちなので,加齢によるさまざまな性能低下を素直に受け入れて,適宜「かんたんセーブ」を活用するといいだろう。なお「アームドポリス バトライダー」は非対応だ。

本体の設定。設定項目名そのままの機能が多い
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画面フィルターは3つある。いずれも「アストロシティミニV」単体で遊ぶ用途向けで「アーケード1」「アーケード2」はブラウン管めいた画面になる。シャープは好み次第といったところ
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画面フィルター:なし
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画面フィルター:アーケード1
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画面フィルター:アーケード2
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画面フィルター:シャープ
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外部ディスプレイに出力用の機能。フレームは2種類
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DIPスイッチ設定もある。タイトル詳細画面でCボタンを押下すると,DIPスイッチ設定の画面になり,項目はタイトルで異なる
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 また「デモループ機能」もうれしい。本稿作成中にも活用しているが,選んだタイトルから一定法則で収録タイトルのアドバタイズデモをループできる機能だ。環境BGM的に最高である。22台用意してアドバタイズデモを流すとゲームセンターそのままになるが,さすがにハイコストの極みなので,お気に入りタイトルのアドバタイズデモを流しつつ,他のゲームを遊ぶ使い方もアリだろう。

 HDMI出力は720pで,フレームレートは録画してみたところ60fps。また,本体の設定から画面を90度/270度回転させた状態にできるため,ピボット対応ディスプレイがあれば,画面いっぱいで縦シューが楽しめるというわけだ。
 昨今,ピボット対応のディスプレイは低価格傾向にあるし,モニターアーム環境であれば,それほど手間なくご満悦環境で遊べる。また「アストロシティミニ アーケードスティック」「アストロシティミニ コントロールパッド」が対応している。ちなみにメガドライブミニ付属のコントローラーでも操作できたが,クレジットボタンが足りないなど不便が多く,素直に「アストロシティミニ コントロールパッド」を購入したほうがいい。

HDMI出力時の画面回転に関する設定
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 筆者と縦シューを振り返ってみると,「バーチャファイター2」であまり連勝できないときの気分転換にプレイしたことがきっかけと記憶している。そのときのタイトルは「戦国エース」。サクッとゲームオーバーになってしまい,難しいなぁとリトライして以降,「疾風魔法大作戦」「GUNBIRD」「ストライカーズ1945」「首領蜂」「蒼穹紅蓮隊」などをプレイをしていた(雷電もプレイしていたが,旅行先だったかもしれない)。
 その後,「怒首領蜂」ショックがあった。弾幕系シューティングの同タイトルだが,どうもお肌に合わず,隣にあった「レイストーム」にのめり込んだ。そういえば,弾幕系シューティングの先駆けは「バトルガレッガ」だが,よく足を運んでいたゲームセンターにはなぜかなかった(ハズ)。
 アーケードで最後にやりこんでいたのは「ゼロガンナー2」だ。縦シューというよりは,360度シューティングになるが「ゼロガンナー2-」になってマルチプラットフォーム展開をしている。なお,「レイストーム」「蒼穹紅蓮隊」は縦シューに属するが,横画面。

 そんなわけで,ひと通り遊んでみたのだが,やっぱり思い入れのある「戦国エース」「疾風魔法大作戦」「GUNBIRD」「ストライカーズ1945」が楽しい。1コインクリアはすっかりできなくなってしまっていたが,なんだかんだでパターンは覚えていた(ただ,体が追いついてこない)。とりわけ,「疾風魔法大作戦」はレース要素もあって,ライバルの邪魔も大事と,若いゲーマーにも楽しめるのではないだろうか。

「疾風魔法大作戦」
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STAGE1の開始前,パイロットの性格やノリが分かりやすい
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左にライバルの位置が分かり,またちょうどライバルが画面上にいるところだが,だいたい弾かと思って避けてしまう問題
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タイトルによっては自機を選べるため,遊びやすい機体を探す楽しみもある
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「バトルバクレイド アンリミテッドバージョン」。ゲームセンターで遊んだことはなかったのだが,シューティングが苦手な人でも楽しめるノリがいい。ボムも頻繁に使える
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もりもりと弾が飛んでくるが,つぶしにくる構成ではないため,気合でなんとかなりやすい。あまり縦シューを遊んだことがなければ,本作からスタートして「かんたんセーブ」を駆使するのがいいだろうか
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Boot画面も再現されていてGood
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「達人王」は高難度で,1ステージあたりがとても長いため,元気のあるときにトイレなどを済ませてから挑むと良いだろう。「アストロシティミニ アーケードスティック」がやたら欲しくなってしまった。セーブ機能って偉大だ……
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「雷電」は本稿を編集部に送ってからゆっくりやろうと思う
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「アクションファイター」も本稿を編集部に送ってからゆっくりやりたいタイトル
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「GUNBIRD」のマリオンは,やはりかわいいな!!
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「アストロシティミニVゲームセンタースタイルキット」があれば,あの頃のゲーセンに浸れる


 インテリア用として,「アストロシティミニVゲームセンタースタイルキット」も登場する。
 「アストロシティミニVゲームセンタースタイルキット」は,ゲームセンターの筐体を再現できるもので,ベースと椅子,インストラクションパネル,インストラクションシールがまとまったものだ。ざっくりいうと「アストロシティミニゲームセンタースタイルキット」とインストラクションシールとパッケージが変更されたものになるが,存在感が急激に増すほか,ベースは貯金箱機能もあるので,思い入れが強いのならば購入するといいだろう。なお,「アストロシティミニVゲームセンタースタイルキット」単品はAmazonのみでの取り扱いになる。

「アストロシティミニV」とベースを合体させて,椅子を置いたところ。ベースの右側にあるのがコインスロット。クレジットを追加するごとにコインを入れていくと,貯金ができてしまう
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椅子をコンパネの上に置くと,ゲームセンターでバイトしていた頃を思い出す。あと「蛍の光」
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ベースの底面。左がコイン取り出し口を閉じた状態,右がフタを外した状態
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インストラクションパネルをセットしたところ
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インストラクションシールは,「達人王」「TATSUJIN」「ドギューン!!」「アウトゾーン」「V.V(ヴイ・ファイヴ)」「鮫!鮫!鮫!」「BATSUGUN」「ZAXXON」「アクションファイター」「レッスルウォー」
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どれにしようかかなり迷ったが,最終的に「達人王」に着地した
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インストラクションシールと画面を「達人王」にしたところ。謎の一体感が強まった
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背面の存在感もよい塩梅
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「アストロシティミニ」「アストロシティミニV」にゲームセンタースタイルキットを取り付けて並べてみた。どこか違うのかと思ったが,目に分かる違いはあまり発見できなかった。何かあるんですか,セガさん(※編注:こちらは付属のシールがV仕様になっています)

パッケージはデザインや色,大きく描かれたVの字など違いが分かりやすい
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ディスプレイ以外に違いは見当たらない
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側面も同様。そういえば,昔って灰皿がよく飛んできたなぁ…
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背面も違いはないようだ
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底面も同様
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椅子を載せてみた
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温故知新的な収録タイトルだが,気にせず遊んでいい


 「アストロシティミニV」は縦シュー満載の尖ったアイテムになるが,当時のファンとしては納得のいく作りといえる。最近,シューティング沼に入りつつあるのであれば,ムーンクレスタやZAXXONで原典的な作りを楽しんだあと,高度化していく縦シュー群を楽しみ,タイトルごとの特徴を体感するといいだろう。そうすると「バトルバクレイド アンリミテッドバージョン」が,1周回って難しいけどすごい楽しいなあとなるのではないだろうか。
 もちろん,徐々に1980年代に向かっていく遊び方もアリだ。「アストロシティミニ」に続いて,「アストロシティミニV」は,ただのファンアイテムに終わってない。ゲーマーならばこそ,体感しておくべきゲームハードだ。買おう。

「アストロシティミニ V」公式サイト

  • 関連タイトル:

    アストロシティミニ V

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