プレイレポート
「ストリートファイター6」CBTレポート。キャラクタークリエイトやロビーの仕様,前作から変化した対戦セオリーを紹介
「ストリートファイター6」公式サイト
キャラクタークリエイトでは個性的すぎるアバターを作成可能
バトルハブモードでは,自分の分身となるアバターを操作することになる。ゲーム起動時にアバターを作成するのだが,このアバター作成の自由度が高すぎるのが面白いところ。顔の大きさ,目や口の位置,髪色の変更はもちろんのこと,身体にいたっては部位ごとの筋力と脂肪量,体毛の量や皮膚の質感までもが変更可能となっている。そこまで調整する必要ある? と言いたくなるほどパーツごとに細かい設定ができ,凝り性な人はここからなかなか進めないかも。
キャラクリが終わると,バトルハブに入るのだが,まず目に飛び込んでくるのがフロア一面に並んでいるアーケード筐体とそれに群がるアバターたち。新作をゲームセンターで遊んでいたかつての光景そのままで,アーケード世代としてはこれだけでも感涙モノである。
筐体に座ると「対戦待ち受け」「観戦」を選択でき,トレーニングモードをしながら対戦相手を待ち受けることができる。対戦相手が同じ筐体の逆側に座って対戦を希望すると,乱入状態となり試合が始まる。
対戦が終わった後は相手のアバターが去っていく姿も見られるため,オンライン対戦ではあるもののあたかもオフラインで遊んでいるような感覚がある。また,再戦時のスピードも驚くほどに早く,ゲームセンターの連コインのよう。さらに開幕の演出などもスキップされているので,ストレスを一切感じることなく連戦を楽しめた。
バトルハブのゲームセンターコーナーでは,レトロゲーム筐体が並んでおり,実際にそれらのゲームを楽しめる。なお,稼働するゲームは時間帯により変わるとのこと。今回のβテストで確認できたタイトルは,「ファイナルファイト」「マジックソード」「スーパーストリートファイターIIX」の3つ。
驚くことにレトロゲームにはランキング機能が実装されており,全世界のプレイヤー同士でスコアを競い合える。かつてこれらのタイトルをやり込んだプレイヤーたちは,スト6そっちのけでのめり込んでしまうかも。
バトルハブの奥まった場所にあるコーナーでは,スト6を一風変わった対戦形式にした「パネル・トライ」と「シーソー・ファイト」を楽しめる。
パネル・トライは,体力バーの代わりに画面上部のパネルに記載された4つのミッションを先にクリアしたプレイヤーの勝利となるルールだ。ミッションには「相手ダウン 2回」「ドライブパリィ 3回」「通常投げ 3ヒット」などがある。相手のミッションも表示されているため,相手のやりたいことを妨害しつつ,こちらのミッションをクリアしていくので戦略性が求められる。
シーソー・ファイトは,一本の体力バーを奪い合う変則的なデスマッチルール。ただ体力を奪い合うのではなく,時間経過とともに闘牛が画面内を突進してくるため,プレイヤーには闘牛を避けつつダメージを奪う意識が必要だ。
闘牛はランダムで左右どちらかの画面端から突進してくるうえに,ガードしてしまうとガードクラッシュを誘発する。ジャンプで避けるのがセオリーだが,相手の近くでジャンプすると対空されてしまうので,状況ごとにどのように回避するか,一瞬の判断が求められる。
ハブグッズショップでは,キャラクターの見た目を変化できるアイテムが販売されている。βテスト版で購入できるアイテムは,メインの装備アイテムとアクセサリー,靴下だったが,ショップにはさまざまなアイテムが追加されていくとのこと。期間限定商品もあるようなので見逃さないようにしよう。
バトルハブではメニューから呼び出せるデバイスでファストトラベルでの移動や,マスターアクションと呼ばれる必殺技の設定,スタンプやアクションをつけて編集できるカメラ機能など,お遊び要素もたくさん用意されている。対戦の息抜きやプレイヤー同士のコミュニケーション時にさまざまな楽しみ方ができそうだ。
もちろん,バトルハブでは探索をしながら,ランクマッチやカジュアルマッチの対戦待ち受けもできる。バトルハブで遊べるものをまとめると以下の通り。βテスト期間だけでは遊びきれなかったプレイヤーも多いだろう。
・ランクマッチ
・カジュアルマッチ
・対面による対戦モード
・トレーニングモード
・パネル・トライ
・シーソー・ファイト
・ゲームセンター(レトロゲーム)
・イベントカウンター(βでは未実装)
・ハブグッズショップ
・DJブース(演奏可能)
・大型プロジェクターによる試合観戦
バトルハブにいたプレイヤーたちはトレーニングモードや対戦をしているほか,ゲームセンターコーナーでレトロゲームを遊んでいたり,チャットやエモートで会話していたりと,さまざまな楽しみ方を満喫していた。とりあえずログインして,バトルハブを散策しているだけでも,ゲームセンターに通っているような感覚を楽しめそうだ。
瞬時の判断が勝敗を分ける! 新バトルシステムを紹介
続いて,スト6ならではのバトルシステムと新しい読み合いについて,細かいところまで紹介していきたい。格闘ゲームの上達にはシステム理解が不可欠となる。次回のテストや製品版に向けて予習しておこう。
●ドライブインパクト(ドライブゲージ1本消費)
強P+強Kスト6を象徴する新システムのドライブインパクト。相手の攻撃を2発まで耐えながら移動して攻撃する打撃技で,通常ヒットでダウン,カウンターで腹崩れ,ガードされても相手を吹き飛ばし仕切り直しとなる。
画面端付近の相手にガードさせると壁バウンドを誘発し追撃できるようになるが,これが非常に強力。受け手側はドライブインパクトを後出しで返すか,ドライブパリィで捌かなくてはならない。画面端以外でも2発まで耐える移動打撃技は強力なので,相手の攻撃に合わせて狙っていこう。
●キャンセルドライブラッシュ(ドライブゲージ3本消費)
必殺技キャンセル可能な攻撃がヒットorガード中にキャンセルドライブラッシュは,一部通常技の硬直をキャンセルしてダッシュを繰り出すシステム。ドライブインパクトと共に,今作の重要なダメージ源となるアクションで,一部の通常技からキャンセルドライブラッシュにつなげることで,連続技やガード崩しに役立てられる。
注目したいポイントは,キャンセルドライブラッシュ中に出した通常技は通常時よりも有利フレームが増えている点で,立ち回りのけん制通常技に66を仕込んでおけば,ヒット時に連続技につなげられる。これにより中間距離でのけん制から大きなリターンにつながるため,今までにはない距離で緊迫感のある差し合いが生まれている。
●ドライブパリィ(ドライブゲージ0.5本〜消費)
中P+中K(ホールド可)スト3シリーズで守りの要だったブロッキングに近いのが,ドライブパリィだ。相手の攻撃を受け流すという点では同じだが,ドライブパリィには持続成功時とジャスト成功時,2種類の成立条件が存在する。ボタンを先行入力で押した際は持続パリィとなり,硬直の大きい技以外に対して有利な状況にならないが,ジャストフレームで入力した際は画面にスロー演出が入り,中攻撃などが確定するほど有利な状況を生み出せる。ジャストは被起き攻め時など,相手の攻撃がくるタイミングが分かっているときなどが使いやすかった。
●パリィドライブラッシュ(ドライブゲージ0.5本消費)
ドライブパリィ中に前述したキャンセルドライブラッシュは,ドライブパリィ(ホールド)からも繰り出せる。パリィドライブラッシュのメリットは最小1ゲージで繰り出せる部分で,ここからの通常技はキャンセルドライブラッシュと同様に強化されている。中P+中Kホールド→といった最速入力でパリィドライブラッシュを繰り出して,ガード崩しを狙うのが強力だ。
●ドライブゲージ
試合開始時に6本所持しているゲージ。このゲージを消費することでドライブパリィやドライブインパクトを繰り出せる。時間経過および,ドライブパリィに成功すると回復する。
EX必殺技:2本
ドライブインパクト:1本
ドライブリバーサル:2本
ドライブパリィ:0.5本〜(ホールドで持続消費)
パリィドライブラッシュ:0.5本
キャンセルドライブラッシュ:3本
●バーンアウト
ドライブゲージを消費しきった場合はバーンアウトとなり,一定時間ドライブゲージを使ったシステムが使えないほか,削りダメージによるKOを受けてしまう状態になる。ドライブゲージはラウンドごとに回復するので,次ラウンドに持ち越さないように使い切りたいが,ラウンド序盤〜中盤にバーンアウトしないよう注意したい。
●スーパーアーツゲージ
画面下部に表示されているゲージはスーパーアーツ専用ゲージ。相手に攻撃を当てる,または相手の攻撃を受けるとゲージが溜まっていく。本作では必殺技の空振りの場合,ゲージが溜まらないので注意したい。各キャラのスーパーアーツはレベル1〜3の最低3種類を所持しており,それぞれスーパーアーツゲージの消費数も1本,2本,3本と増えていく。
レベル1スーパーアーツ:通常技キャンセルのみ可能
レベル2スーパーアーツ:EX必殺技からキャンセル発動可能
レベル3スーパーアーツ:通常必殺技,EX必殺技からキャンセル発動可能
現時点では,レベル3は必殺技から繰り出せる,レベル2はEX必殺技からのみ繰り出せる,ということを覚えておけば大丈夫だろう。
試合展開も一新! システムで殴り合うスピーディなゲーム性に
本作の試合はドライブゲージ周りのシステムが強力で,6本のドライブゲージをいかに有効活用し,相手の体力を削り切るかの攻略が重要となる。筆者は春麗をメインで使っていたが,βテストで最も多かった勝ちパターンは,「しゃがみ中Kけん制からキャンセルドライブラッシュで端へ追い込み,端付近のドライブインパクトで体力を奪う」という流れ。春麗だけでなく,ほかのキャラでも同じ流れは作り出せるが,そのキャラにあったゲージプランニングを構築していくのが勝利への近道となりそうだ。
防御面ではドライブインパクトによる切り返しが強力だ。相手の連係に対して2発まで耐えられるので,しゃがみ中K→波動拳などに対して合わせれば,カウンターで大ダメージを与えられる。ただし,攻め手側もしゃがみ中Kがドライブインパクトされたことを確認して,後出しドライブインパクトで返せるので油断は禁物。上級者同士の戦いでは,迂闊なドライブインパクトは諸刃の剣になるだろう。
立ち回りの波動拳など,飛び道具への対策も大きな変化が見られる。今までは必殺技をガードしてしまうと体力を削られていたが,本作ではドライブゲージを削られてしまうため,ガードをし続けると気づいたときにはバーンアウト寸前,というケースが出てきてしまう。
これにはドライブパリィを細かく使っていくのが対策となる。パリィ失敗時はドライブゲージを0.5本消費するが,飛び道具にパリィが成功した時は0.5本,打撃にパリィ成功時は1本分程のドライブゲージが回復するため,ひとまず飛び道具をパリィし続ければドライブゲージが減ることはない。今後の研究次第ではドライブインパクトに並ぶ強力な守りのシステムになり得そうだ。
過去作からシステム面の変更点として覚えておきたいのが,小技暴れが強くなっている部分となる。本作では,投げと打撃のフレームが同時に成立した場合,打撃側が勝つ仕様に変更されているため,投げによる暴れつぶしが難しくなっている。投げ抜けは相変わらずリスクの大きい行動となっているので,しゃがみ弱Pなど発生の早い技で守りつつ,ドライブインパクトを構える,といった意識が守りのセオリーになりそうだ。
より便利になったトレーニングモードで状況別の練習も簡単に
前作スト5でもさまざまな練習ができたトレーニングモードだが,本作では新たに「簡単練習設定」が追加されている。こちらは対戦に役立つ練習項目が最初からプリセットされており,状況別のトレーニングを行える。用意されている項目は以下の通り。
そのほかのトレーニング設定も便利になっており,トレーニングで実現できない設定がほぼ見当たらないくらいに完成されている。スト5プレイヤーはUIやメニュー位置が変更されているため,最初は戸惑うかもしれないが,すぐに慣れるはずだ。
利便性が上がったのはトレーニングモードだけでなく,グラフィックス設定の調整や実況機能の追加,観戦機能の拡充なども行われている。また,Capcom Fighters Networkの詳細検索やリプレイ中のフレーム情報表示機能など,スト5で要望の声が多かった機能も実装されている。
丁寧な作りを印象付けられたスト6。期待せざるを得ない新作だ
スト6のクローズドβテストに参加して,とくに印象に残ったのは,キャラクリエイトやゲームセンターのレトロゲーム,カメラ機能といった格闘ゲームには必須ではないと思われる“遊び”が多く散りばめられている部分だ。近年格闘ゲームのeスポーツ化が進み,ゲームバランスやキャラクター調整部分に注目しがちだったが,プレイヤーが楽しめる要素をふんだんに詰め込んだ作りにすっかり感心してしまった。
ここまで褒めちぎっていることに若干の反省はあるが,正直なところ欠点らしい欠点が見つからなかった。むしろ,これでまだテスト段階というのが信じられないほどだ。今後さらなるキャラクターやゲームモードが追加されていくことも楽しみで仕方ない。
今回はクローズドβテストだったため,遊びたくても遊べなかった人も多くいたはず。もし,次回のテスト開催があるならば,オープンβテストに期待したいところだ。
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