2022年6月28日に発売されたCygamesの新作タイトル
「リトル ノア 楽園の後継者」(
PC /
Switch /
PS4)は,2019年1月にサービスが終了した「リトル ノア」を原作とするローグライトアクションゲーム。発売日に配信されたNintendo Direct miniで電撃発表,その直後にリリースとなるスピード感に,うれしい悲鳴をあげた原作ファンも少なくないだろう。
原作のリトル ノアはスマホ向けのリアルタイムストラテジーだったが,本作では入るたびに構造が変化するダンジョンを攻略していく
ローグライトアクションになっている。ハードもジャンルも一新された令和のリトル ノアが,どんなゲームに生まれ変わったのか。本稿では,
その魅力やプレイフィールをお届けしていく。
天才錬精術師ノアがローグライトの世界で大暴れ!
本作の主人公は原作と同じく,
自称・天才錬精術師のノア。巨大な方舟に乗り,行方不明となった父親を探す旅を続けていたが,ある日ひょんなことからトラブルに巻き込まれ,方舟が半壊。謎の古代遺跡に墜落してしまう。
その古代遺跡を探索しつつ,方舟の修理を進めていく,というのが本作の簡単な流れとなる。ノアの方舟に突如乗り込んできた不思議な猫・
ジッパーや,ノアの父親を知る謎の錬金術師・
グレイとの出会い,そこから展開されていくストーリーも用意されているが,メインのお話に関してはネタバレになるので割愛させていただきたい。
ストーリーラインも用意されており,遺跡の探索が進むにつれて,物語の謎が解けていく
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本作のローグライト要素はいくつもあるが,代表的なものを挙げると
「アストラル(攻撃アクション)」「ランダムダンジョン生成」「パーマネントデス(やられたら1からやり直し)」あたり。簡単に1つずつ紹介していこう。
「アストラル」はノアが使役するキャラクターで,攻撃アクションは基本的に彼らが担当する。ノアが命令し,アストラルが攻撃を繰り出すといった表現がピッタリだろう。ダンジョン内ではアストラルを宝箱から入手したり,錬金できたりするが,どのアストラルが選択されるかはランダムとなっている。
スタート時には3体のアストラルを固定で獲得できる。以降,獲得できるアストラルはランダムに選択されていく
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セットできるアストラルはアタックに5体,スキルに2体(※1体は追加でアンロック)。アタックが通常攻撃で,スキルが必殺技のポジションだ
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このランダムで獲得できるアストラルを組み合わせて,自分好みの編成を作り出せるのが本作の面白いポイントの1つ。アストラルには属性や得意とする攻撃レンジがあり,属性特化を目指すのも良し,オールレンジで戦える構成を目指すのも良し。最初はなんとなくで組んでいくことになると思うが,システムを理解していくにつれて目指したい編成が見えてくるのは,ローグライトならではの楽しさだ。
アストラルのアタックは早くて軽い攻撃から,遅くて重い攻撃までさまざま。敵を気絶させたり,状態異常にしたりする攻撃もあるので,いろいろ試してみよう
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ノアが自動装備するアクセサリには属性ごとのアストラルを強化するものも。アクセサリの偏りに合わせて,同属性のアストラルで固めるのも面白い
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本作のダンジョンは入るたびに構造が変わる
「ランダムダンジョン生成」。当然獲得できるアストラルやアクセサリも変化するため,攻略には運の要素が占める割合は多い。しかしこの運要素がローグライトの妙味であり,やられてしまっても「次はもっとやれそう」という謎の自信が湧いてくるのが面白いところだ。
最初にもらえるアストラル以外はすべてがランダム生成。手探りで少しずつ攻略していこう
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プレイに慣れていくにつれ,だんだんと生存時間も伸びていく。休憩したいときは途中セーブもあるので活用しよう
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そして,ノアがやられてしまうと,ダンジョン内で獲得したアストラル,アクセサリをすべて失ってしまう
(パーマネントデス)。ただし,獲得したアストラルとアクセサリは,探索終了時にマナに変換され,それを使うことで方舟の修復――ノアの強化を行える。
やられてしまうと,リザルト画面でアストラルとアクセサリがマナに変換される
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拠点で方舟を修復することでノアが強化されていく
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方舟の修復で得られる強化効果はさまざま。ポーションやエーテルスラスト(突進攻撃)の追加といったシステムの拡張から,最大HPや攻撃力の上昇,新規アクセサリのアンロックなど役立つものばかり。
本作は難度がイージーやノーマルであればそこまで難しくないが,最大難度のハードを選ぶとなかなかに敵も手ごわくなる。「稼ぎ」をして,方舟の修復を進めつつダンジョン攻略をしていく必要性も出てくるだろう。
アクションが苦手という人も方舟を修復していけば,かなり有利に戦闘を進められる。詰まってしまった場合は,繰り返しプレイしマナを貯めよう
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逆に縛りプレイが好きな人は一切の強化をせずにクリアを目指しても面白いかも?
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シンプルかつレスポンスのいい操作感。ド派手な超必殺技による爽快感も
7体のアストラルを選んで攻撃アクションをしていく……こう聞くと複雑に感じるかもしれないが,実際に遊んでみるとそこまで難しくはない。アタックボタンを連打するだけで連続攻撃を仕掛けてくれるし,移動アクションもジャンプ(2段ジャンプ)とダッシュ(空中ダッシュ)だけなのでシンプル。直観的にすぐに遊べるうえに,コマンド入力に対するレスポンスも小気味よく,気持ちよくノアを動かせるだろう。
システムに防御がないため,基本的には移動とジャンプ,ダッシュを駆使して相手の攻撃を避けていく
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ただし,ボス戦や後半ステージに差し掛かると,敵の攻撃も苛烈になり,ある程度,敵の攻撃アクションを把握して立ち回る必要が出てくる。ゴリ押し一辺倒では通用しなくなるので,敵の攻撃を回避し,隙を見計らって攻撃を加えるヒット&アウェイの動きが重要となる。
物語が後半に進むにつれて,難度も上がっていく。冷静に相手の攻撃を見極めるのが重要だ
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方舟の修復が進まないとゴリ押しで攻略するのは難しくなる。負けが込む場合は敵のアクションを覚えていこう
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いわゆる超必殺技ポジションの
「アニマバースト」は,ノアが巨大化し,強力な連続攻撃を広範囲に叩き込む。使用するには,攻撃することで溜まっていくバーストゲージが必要なので,ボス戦や大量の雑魚敵相手に使っていきたいところ。
アニマバースト中は完全無敵状態。厄介な攻撃を回避する手段にも使える
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このアニマバーストだが,攻撃アクションや性能が拠点で選べるアニマ(精霊に力を借りた姿)によって変化する。初期状態で選べるのは「錬精術師ノア」だけだが,ゲームを進めていくことで「火斧戦士ノア」「氷双剣士ノア」といった具合にアンロックされていく。見た目もかわいらしく変化するのでいろいろ試してみよう。
アニマは全部で10種類。バラエティ豊かな衣装がかわいらしい
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初心者でも間違いなく楽しめる安心安全のコスパ。DLCや続編にも期待!
ついつい何度でも遊びたくなるローグライト要素が詰め込まれた本作だが,驚くべきは
1500円(税込)というお得すぎる価格設定だ。アクションが得意な人であれば10時間もかからずにストーリーをクリアできるため,ややボリューム不足にも感じられるが,クリア後もやりこみ要素は残されているし,難度を上げて腕試しをしてみるのも悪くない。
筆者は6時間程度でノーマルをクリア。方舟の修復は終わっていないし,ハード難度も残されているのでまだまだ遊べそう
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なお,本作はリトル ノアの前日譚にあたるタイトルであり,ストーリーをクリアすると
「Continue to “LITTLE NOAH”!(リトルノアに続く!)」と表示される。ストーリー的にはとくに深い意味はないだろうが,ファン目線ではうれしい運営からのメッセージと受け止めることもできる。
ファンなら思わず深読みしてしまう画面がこちら。ひょっとしたらIP復活のきっかけとなる作品になるのかも?
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そもそも実に3年ぶりに買い切りタイトルとして復活したことがファンにとってはうれしい出来事であり,それ以上を望むのは欲張りすぎかもしれないが,個人的にももっと遊びたいのでDLCや続編などにも期待したいところ。
ローグライトを遊んだことがない原作ファンが,お試しで入門してみるのにまさにもってこいのタイトルなので,本記事を読んで興味が湧いた人はぜひ遊んでみてほしい。