インタビュー
[インタビュー]Nianticの新作「NBA All-World」の開発キーパーソンにインタビュー。本日リリースを迎えた新作バスケの気になる点を聞いてみた
「NBA All-World」ダウンロードページ
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本題に入る前に,NBA All-Worldについて簡単に説明すると,「ポケモンGO」(正式名称はPokémon GO,iOS / Android)や「Pikmin Bloom」(iOS / Android)など,多数の位置情報ゲームを手がけたことで知られるNianticと,NBA(全米バスケットボール協会)ならびにNBPA(全米バスケットボールプレイヤー協会)の提携で開発された,基本プレイ無料(アイテム課金あり)のバスケットボールゲームだ。
プレイヤーは,スマホを片手に屋外を歩き回り,街角に出現するNBAのスター選手と1対1のバトルを繰り広げ,それに勝利すると自身のチームにリクルートしたり,「スポット」で選手をブーストさせるエナジードリンクやゲーム内通貨,アディダスやプーマなど,本作と提携するブランドのファッションアイテムを獲得できたりする。
Niantic×NBAの位置情報ゲーム「NBA All-World」,サービス開始。現実世界を探検してNBAの選手に出会い,挑戦できるバスケットボールゲーム
Nianticならびに,NBAとNBPAは本日(2023年1月24日),スマートフォン向け新作アプリ「NBA All-World」の正式サービス開始を発表した。本作は,位置情報を活用したバスケットボールゲームで,NBAの公式ライセンスを取得したタイトルになる。プレイヤーは近隣のエリアを探検してNBA選手と出会い,彼らと対戦したりチームに加えたりできるという。
また,チン氏は今回ゲーム化したNBAについても意見を述べた。同氏によるとNBA登録選手の450人のうち,120人は外国生まれもしくは外国籍の選手であり,欧州出身の選手がMVPに選ばれることが増えているそうだ。最近では,3ポイントシュートの高い成功率を誇る渡邊雄太選手や,名門ロサンゼルス・レイカーズへの移籍が報じられた(NBA公式サイトに掲載されたニュース。※外部リンク)ばかりの八村 塁選手ら,日本人選手の活躍をニュースなどで目にする機会も増えている。
そうした,日本をはじめとするアジア圏でのバスケットボール人気の高まりを感じ取るかのように,NBA All-Worldでは日系人俳優のテイラー・タカハシ(Taylor Takahashi)さんをプロモーション映像に起用したほか,本作のアンバサダー契約を受けた4選手のうち,ヒューストン・ロケッツに所属するジェイレン・グリーン選手の母親がフィリピン人であると,チン氏は語った。
なお,タカハシさんについて補足すると,高校時代には名の知れたバスケットボール選手であり,2021年公開のスポーツ映画「Boogie」で主演を務めている。
スマホ向けARバスケゲーム「NBA All-World」,2023年1月24日リリース。テイラー・タカハシさんが出演するゲーム紹介動画が公開に
Nianticは本日,スマートフォン向けARバスケットボールゲーム「NBA All-World」を2023年1月24日にリリースすると発表した。発表に合わせて,アメリカの俳優で元バスケットボール選手であるテイラー・タカハシさんが出演するゲーム紹介動画が公開されている。Android版の事前登録も引き続き実施中だ。
前置きが長くなったが,ここからインタビューの模様をお届けしよう。チン氏に気になる部分をいろいろと尋ねてきたので,本作を楽しみにしている人はぜひチェックしてほしい。
ローンチ時点で八村選手が登場。NBAトーナメントに合わせたコンテンツリリースにも期待
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。さっそくゲーム内容について聞かせてください。NBA All-Worldでは,実際のバスケットボールコート付近に足を運んで1対1なりのゲームを楽しむことになるのでしょうか。
グレン・チン氏(以下,チン氏):
はい。本作には地理データからグローバルで10万か所以上のバスケットコート情報を把握して,ゲームにも生かしてあります。ただ,地方やアメリカ以外の地域にはそうした施設があまりないことはよく理解していますので,たとえば公園など,人がいるような場所をバスケットコートに見立てて,より多くの人が楽しめるようにしてあります。
4Gamer:
バスケットコートは,ちょっと路地裏の陰気な場所だったり,日本では高架下のような場所にあったりします。安全性が気になるところですが,どうお考えでしょうか。
チン氏:
そのとおりですが,過去にNianticがリリースしてきたゲームアプリで集積したデータをもとに,我々のゲームを愛してくれている皆さんが安全にプレイできるよう調整しています。
4Gamer:
10万か所以上というバスケットコート以外に,どのようなPoI(Point of Interest)が用意されているのでしょうか。
ポケモンGOやIngressなどのデータを活用しているPoI地点もありますが,それ以外にも,バスケットシューズを売っているシューズショップや,ジャージーを販売するスポーツ店などのリテールショップがありますし,キャラクターにブースト効果を与えるエナジードリングをゲットするのに,レストランや商店を使うというような,NBA All-Worldらしいスポットも用意しています。
現在公表できる協賛スポンサーは,アディダスとプーマ,さらにアパレルやアクセサリー系のファッションブランドとしてSLAM,Todd Snyder,Stanceなどがあります。
4Gamer:
ゲームの遊び方についても聞かせてください。ボールやキャラクターを操作するには,画面のスワイプやタップを利用するようですが,こうしたスキルセットやアニメーションは,経験値のようなものを積んでいくにつれて獲得するのでしょうか,それとも最初からどんな動きでもできるのでしょうか。
チン氏:
冒頭のチュートリアルで学んだことはいつでもできるようになっています。しかし,実際のバスケットボールをプレイするのと同じく,プレイヤーの皆さんにはそれぞれプレイスタイルに差があるでしょうし,どんなムーブを仕掛けるかといったプレイヤーの判断に合わせたプレイを楽しめるようシミュレートしています。
ですから,自分の操作で何かできるのかというだけでなく,異なる相手の動きにも対応しながらプレイするという戦略性があるわけです。ゲームを続けていくうちに,過去には常勝だったムーブが攻略されてしまったりして,そのために違ったスタイルでプレイしてみるといったことも行わなければならないでしょう。
4Gamer:
先ほど,NBAの登録選手は450人いると仰っていましたが,彼らはどのようにリクルートするのでしょうか。
コートに出現する選手たちとシュートドリルの対戦を行い,先に5得点を獲得すればリクルートするチャンスが訪れます。すでにリクルート済みの選手については,再びエンカウントも可能です。その場合は彼らと一緒にシュートを練習でき,報酬も得られます。
また,アプリのローンチ時点でエンカウントする選手は75人おり,数か月ごとに徐々に選手を増やしていく予定です。ここでお話しできることは,八村選手はローンチの75人のうちの1人であることと,渡邊選手についても早い段階でリリースできるだろうということです。
4Gamer:
ところで,このインタビューが行われる数時間前に,八村選手のレイカーズへの移籍が報じられたばかりですね。
チン氏:
本当に活躍が楽しみですね! 我々としては,急いでユニフォームなどのアートを交換しなければならないのですけれど(笑)。
4Gamer:
それぞれのNBA選手にはスタッツ(※チームや個人のプレイ成績をまとめたもの)は用意されているのでしょうか。
チン氏:
ええ。オフェンス,ディフェンス,フィットネスなど,彼らのスキルや身体能力に合わせた独自のレーティングを用意しています。実際の選手の皆さんは満足しない人がいるかもしれませんが,彼らの統計や試合内容を細かくチェックして,公平にレーティングするよう努力しています。
スポーツゲームにおいては,それぞれのゲーマーが個々の選手に対する思い入れのようなものがあって,それがゲームを楽しくするものだと思いますし,そうしたお気に入りの選手を使って対戦できるというのも位置情報型モバイルARゲームの特徴と言えるでしょう。
4Gamer:
プレイヤー人口という側面からして,たとえばWNBA(Women National Basketball Association)との提携で女性アスリートをゲームに登場させるような計画はありますか。
チン氏:
75人のローンチプレイヤーから,NBA登録選手については徐々に追加していくということは先ほどお話ししたとおりです。そして,NBA以外の各地域の団体と契約し,女子選手を含めた多くのプロバスケ選手たちをカバーしていきたいというのは,我々の1つの目標でもあります。
4Gamer:
“バスケットボールゲーム”という括りでは長い経歴を持たれていますが,これは初めてのモバイルゲームになるのでしょうか。開発で苦労されたことがあれば教えてください。
はい。これが私にとっての初めてのモバイルゲーム開発でしたから,いろいろとチャレンジングなこともありましたが,それ以上にエキサイティングに感じることができました。位置情報を元にしたARゲームで,どのようにゲーマーの皆さんが屋外でスポーツを楽しめるようになるのかといったことは,スポーツゲームのジャンルだけでなくNianticにとっても新しいことです。もちろん,私自身もそうしたARでスポーツゲームを表現するうえで多くの学びがありましたが,やり甲斐のある楽しいプロジェクトになりました。
4Gamer:
リリース後のアップデートについては,これまでのNianticのゲームアプリとは異なったりしますか。
チン氏:
ええ,これまでのようにアップデートやコンテンツドロップは行っていきますが,季節という意味での“シーズン”ではなく,NBAのトーナメント開催に連動する形で,オールスターゲームやファイナル,ドラフトなど,さまざまな年次イベントを行えるのが本作のもっともエキサイティングな点であると思います。
たとえば,ロサンゼルス・レイカーズのレブロン・ジェームズ選手は,あと数週間もすればカリーム・アブドゥル・ジャバーさんが30年以上前に打ち立てていた,通算得点の大記録を抜き去ることになるかも知れません。その時に,ゲーム内でどんなお祝い事をグローバルに楽しめるのかと考えているところなんです。このほかにも,今年の第2四半期(4〜6月)中には,レアなシューズなどを獲得できる「AR Drop Zone」という新しいメカニックを投入する予定でもいますのでお楽しみにしておいてください。
4Gamer:
本日はありがとうございました。
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