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[プレイレポ]サッカー×ローグライク!? 「Footgun: Underground」はボールを武器に地下世界を蹴り進む,ひと味違ったローグヴァニアだ
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印刷2024/05/14 11:56

プレイレポート

[プレイレポ]サッカー×ローグライク!? 「Footgun: Underground」はボールを武器に地下世界を蹴り進む,ひと味違ったローグヴァニアだ

 CobraTekku Gamesは2024年4月30日に,インディースタジオのTurtle Knight Gamesが手掛ける「Footgun: Underground」をSteamでリリースした。

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 本作は,主人公の攻撃手段が「ボールをキックして,それを敵に当てる」というサッカーライクなアクションでありながら,ローグライクの側面も持つタイトルだ。概要を見ただけではイメージが湧かないが,果たしてどのようなゲームに仕上がっているのか。
 本稿ではそのプレイレポートをお送りしよう。なお,ボタン表記はXboxコントローラのものとなる。


ボールは友達! 華麗にシュートを決めて,地下世界を突き進め


 ゲームをスタートすると,操作方法に触れながら画面右へと進行していく。ストーリーなどは一切なく,主人公はなぜボールを蹴りながら謎の地下空間を進むことになるのかといった説明はされない。ここまでバッサリとカットするゲームも珍しいが,ゲームを即始められるので,テンポが良い。

何も説明がないので詳細は分からないが,主人公は地下鉄のホームのような場所でモンスターのような敵に向かってボールを蹴り,倒していく
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 操作方法はシンプルで,[左スティック / 方向キー]で移動,[A]でジャンプ,[LB(LT)]でドリブル,[RB(RT)]でキックを繰り出す。ドリブルは足元にボールをキープした状態で移動でき,キックボタン長押しでチャージになり,チャージ状態でボールを蹴ると威力がハネ上がる。

 また,ドリブル状態でドリブルボタンを1回押すたびに主人公がリフティングし,ボールの横に表示される矢印の角度が変化する。斜め上方向に蹴りたい場合は,このリフティングが重要になってくる。

リフティングを繰り返すと,角度を示す矢印が少しずつ変化する
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 とはいえ,最初の慣れないうちはリフティングを意識せずとも,ただひたすら蹴るだけでなんとかなるだろう。というのも地形が比較的親切に設計されており,普通に蹴っても角度がついて,天井の敵にヒットするようになっていることがあるのだ。

「あれ? なんか当たった……い,いや,計算通りですけど?」みたいなことも
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 敵を倒すと,お金に加えて「チップ」というものをドロップすることがあり,これを装備して主人公の能力とボールの性能を強化できる。装備画面は1ステージをクリアするごとに表示され,インベントリにはいくつかのチップをキープしておけるので,気軽にいろいろ試していける。

チップは主人公自身が装備するものと,ボールに装備するものの2種類がある。ボールの方は複数所持可能で,同種のチップは合成して強化することもできる
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 本作のジャンルを分類するならば,「Dead Cells」のようなローグヴァニアスタイルのゲームなのだが,1画面固定である点が特徴的だ。一定数の敵を倒し終えると,地下鉄のような乗り物に乗って,次のステージへと進んでいく。マップは選択式になっていて,一番右端にあるマスが,エリアボスのステージとなる。

すべての敵を倒し終えると,地下鉄の列車のようなものが出てくるので,これに乗ると次のステージへ移動する。ステージ間では,マップ画面による次のステージ選択と,装備変更画面が挟まる
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カートのマスでは,自販機で買い物が可能。欲しい物がない場合はラインナップをリセットすることも可能(少しのお金が必要)で,あえて所持済みのチップを購入して合成していくのもいい
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ボス戦も1画面固定。制限時間はなく,看板のようなオブジェクトにはジャンプで乗れたりするので,まずはダメージを受けない立ち回りをしながらボスの動きを観察して覚えたいところだ
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 ボスを撃破すると,次のエリアが始まる。総エリア数は不明だが,1エリアあたりのステージ数が結構多いため,慣れないうちからサクサクと何エリアも制覇できるようにはなっていない。ローグヴァニアスタイルらしく,何度も周回し,経験によってプレイヤー自身のスキルを高めていくタイプのゲームだ。

 また,ボス撃破などの区切りでは,新たなプレイヤーキャラが開放されることがある。キャラごとにキック力やライフ値,インベントリ容量といったステータスにかなり変化があり,たとえば最初のプレイヤーキャラである「STRIKER STEVE」は二段ジャンプが可能なのだが,3人目の「KICKBACK KYLE」は二段ジャンプができない。

 チップの「追加ジャンプ」を装備すれば可能だが,最初から二段ジャンプができるかどうかは結構重要なところ。プレイフィールはかなり変わるので,新たなキャラが開放されたら,一度は使ってみるべきだろう。

2人目の「CURVEBALL CARLOS」はライフ値が2。初期主人公の「STRIKER STEVE」は4だったので,一見,上級者向けのキャラに見える。しかし,最初から「シールド(1回だけダメージ無効)」というチップを所持しており,これがかなり強力。クールタイム中をなんとかしのげばシールドはまた復活するので,うまく立ち回れば安定して進められる
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スタート地点にある巨大なガシャマシンは,エリアボスを撃破すると得られるコインを使って回せる。カプセルから出てきた新スキルが以後のエリアで出現するようになる
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 最初のエリアは空中や天井にも敵が出現するが,地形の補助もあり,とりあえず思いっきりボールを蹴っているだけでなんとかなったりもする。だが,エリアが進むにつれ,リフティングによるボールの角度変化を使わないと,敵にボールをなかなか当てられないといった状況も珍しくない。

 周回してガシャマシンを回し,新スキルをどんどん開放していくことに加え,先へ進むとどんなエリアでどんな敵が出てくるのかという知識,ボールを思い通りの方向に撃てるようになる習熟度が重要になってくる。

序盤は地面が少し坂になっていたりして,真横に蹴るだけでも,敵にボールが当たりやすい工夫がされている。ステージが進むと「もう補助輪は必要ないかな?」と言わんばかりの地形になってくる
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敵が出現してから長時間が経過すると,敵に青スジのような怒りマークが出て,凶暴化する。動きが速くなったり,主人公に攻撃してくる頻度が上がったりする
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ローグヴァニアスタイルの変化球。難度は少し高めか


 「戦って,敵を倒す」という,ほかのゲームではまず気にすることのない基本的なことが難しいゲームということもあり,それなりに人を選ぶゲームだ。ただ,チャージで溜めに溜めてからボールを蹴り,画面上を跳ね回るボールが敵にバシバシと当たっていく様には独特の気持ち良さがある。

 サッカーの好き嫌いは関係なく,ゲーム性としてはブロックくずしやピンボールに近いため,それらが好きな人・得意な人であれば,このゲームの適性があるかもしれない。

マップの「?」のマスはお金やスキルが稼げる特殊なボーナスステージだが,なかには本当に「ブロックくずし」的なステージも
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 ただ,跳ね返りを計算してボールを蹴るだけでなく,「敵を避ける」「敵の攻撃を避ける」ことも同時に考慮しなくてはいけないので,序盤はさほど難しくはないが,エリアが進むと,「ど,どうすれば……!?」と頭を悩ませるステージも出てくる。ある種,パズル的な頭の使い方もする不思議なゲームだ。

倒すと,その付近にピンク色の霧のようなものが発生する敵。これに2秒ほど触れるとダメージを受けてしまう。ピンク色の霧はそのステージをクリアするまで消えないので,いかにこれを回避して敵にボールを当てるか,いかにピンク色の霧を広範囲に広げずにステージクリアまでしのぐかが求められる
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画面右に傾斜がついていて,ボールがそこへ落ちると,戻ってこない。トゲトゲは敵なのだが,ボールを取りに行くと,必然的にダメージをくらう。筆者は残りライフが少ない状態でこの状況に陥り,あえなくこのステージでゲームオーバーとなった
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 ローグヴァニア形式のゲーム全般にいえることでもあるが,そこそこ進んだ後でゲームオーバーになると,また最初のステージからになるため,モチベーションの維持はやや難しい。ボス撃破後に何かが開放されたような表示も出るが,現状だとテキスト表示の日本語化がうまくいっていないようで,結構重要な部分が不明だったりもする。

基本的に文章は出てこないゲームだが,新しいスキルが開放されたときなど,現段階ではローカライズがちょっとうまくいっていない模様。う,うーん,分からん……
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 それでも,ローグヴァニアタイプのゲームの中では比較的取っつきやすい部類なのではないかと思う。長いステージを攻略していくのではなく,1画面固定のステージクリア形式であることや,途中でライフを回復できるハートが出現することもあるので,少なくとも序盤は,初めてプレイする人でもスイスイと進めることだろう。

ハートは割とよく出る……のだが,残りライフ1などの「本当に欲しいとき」に限って出なかったりする
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素早い操作を求められるわけではないが,敵の弾を避けつつ,敵に当たらないようにジャンプでかわしつつ,「えーっと,ボールはどこ行った……」と探しつつ,それを蹴りつつ……と,先へ進めばやるべきことは多くなってくる
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4人目のキャラ「BILLY BOXHEAD」は,最初から「バナナボール」というボールを所持しており,普通に蹴るだけで,思いもよらぬ方向へ飛んでいく。扱いづらそうだが,実際に使ってみると,とにかく蹴りまくるだけで意外と敵を倒せる
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 「ボールを蹴って敵に当てる」ということの難しさを考慮したゲームデザインになっているため,敵の移動や攻撃は比較的激しくはなく,そこまで反射神経を問われるような戦闘ではないのもいい。

 とりあえずボールを蹴っておけば,壁の角度によってはうまいこと跳ね返ってのラッキーヒットもあるので,攻撃よりも防御寄りのスタイルで進めたほうが良さそうなゲームだ。ひと味違うローグヴァニアタイプのゲームを遊んでみたい人は,ぜひ触れてみてほしい。


「Footgun: Underground」公式サイト

  • 関連タイトル:

    Footgun: Underground

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