プレイレポート
[プレイレポ]「逆転検事1&2 御剣セレクション」では,天才検事の事件簿が新たな形で楽しめる。ギャラリーやストーリーモードなど便利機能も
「逆転検事1&2 御剣セレクション」公式サイト
天才検事の事件簿が新たな形で楽しめる
「逆転検事1&2 御剣セレクション」は,2009年と2011年にニンテンドーDS用として発売された「逆転検事」シリーズ2作品をセットにしたタイトルだ。グラフィックスのフルHD化や,さまざまな機能の追加により,決定版と呼べる立ち位置のゲームとなっている。
そして「逆転検事」は,2001年から展開される「逆転裁判」シリーズのスピンオフ作品だ。「逆転裁判」の主人公である弁護士・成歩堂 龍一のライバルにして幼馴染みである天才検事・御剣怜侍がさまざまな難事件に挑むさまを描く。
「逆転裁判」シリーズでは「法廷バトル」をテーマに,弁護士と検事,犯人の息詰まる心理戦や事件を調べる探偵パートを楽しめたが,「逆転検事」のコンセプトは「NEW逆転 NOT裁判」。ここでの御剣は法廷に立つのではなく,検事としての立場から事件捜査や尋問を行う。
「逆転裁判」シリーズの主人公たちと同様,御剣が遭遇するのも奇怪な事件ばかり。時には御剣自身が犯人と疑われるようなピンチもあってスリリングだ。こうした不利な状況から逆転を決める爽快感は「逆転裁判」のものと変わらない。キャラクターも濃いため,ミステリもののドラマを見るような気分で楽しめるのだ。
これまでにも「逆転裁判」シリーズは「逆転裁判123 成歩堂セレクション」「大逆転裁判1&2 -成歩堂龍ノ介の冒險と覺悟-」「逆転裁判456 王泥喜セレクション」と移植されてきたが,「逆転検事1&2 御剣セレクション」はこの流れを汲むものだ。
収録タイトルの好きな章から遊べる「タイトルランチャー」や,設定資料や楽曲が収録された「ギャラリー」,自分が操作しなくても物語が進む「ストーリーモード」といった便利機能は今回も搭載されている。
ギャラリーにはさまざまな機能があり,ファンならここだけでも楽しめるはず。後述する「捜査パート」に登場するミニキャラクターは,オリジナルのドット絵と今回の新規イラストを切り替えて観賞でき,「対決パート」のスチルはボイス付きでチェックできる。
また,キャラクターの設定画やイラストなど,当時の貴重な資料をじっくり眺められるのもうれしいところだろう。音楽についての取り組みも前作「逆転裁判456 王泥喜セレクション」と同様に充実している。原曲106曲とオーケストラ音源23曲,アレンジ曲5曲と新曲1曲が収録されており,自由に楽しめる。
ストーリーモードは自分が操作しなくても自動で謎解きや対決を行ってくれるもので,いつでもON/OFFの切り替えが可能(捜査パートは最初に戻される)なため,時にはストーリーモードで物語を堪能するのもいいだろう。
「逆転検事」の基本部分は「逆転裁判」と変わらない。相手の証言を聞きつつ「ゆさぶる」で情報を引き出し,ムジュン(矛盾)が見つかったら「つきつける」で真相を暴いていく。ちょっとしたひと言から事件が大きく動き出すカタルシスは,「逆転」シリーズの面白さと言える。
捜査パートではミニキャラクターの御剣を操作し,事件現場を歩き回りつつ証拠を探していく。オリジナル版ではドット絵で表現されていたミニキャラクターだが,今回は新たに描き下ろされたバージョンも用意されている。こちらは切り替え可能なので,時には懐かしいドット絵で遊んで見るのも楽しいだろう。
「逆転検事」シリーズで登場したシステムの見どころは,「ロジック」と「ロジックチェス」の2つ。ロジックは2つの情報を「まとめる」ことで新たな情報を得るというもの。誤った組み合わせでまとめようすると「真相ゲージ」が減少し,ゼロになるとゲームオーバーになってしまう。そのため,プレイヤー自身が考えなければならないのがスリリングだ。
そして「逆転検事2」で新登場したのがロジックチェス。会話での駆け引きをチェスに見立てたシステムで,真相を話したがらない相手に使う。こちらはリアルタイムで制限時間が減っていくなか,様子を見たり,斬り込んだりといった対応を適切に選ばなければならない。
頑なな相手を御剣の一手が崩していくさまがカッコ良く,御剣というキャラクターの魅力を再確認できるシステムと言える。このほか,ゲームが進むと現場の状況をシミュレートできる「情報再現」や「動画指摘」といったシステムも登場するので,楽しみにしていてほしい。
収録タイトルの1話・2話のあらすじと見どころを紹介
●「逆転検事」第1話「逆転の来訪者」
御剣が出張から帰ってくると,執務室が荒らされているばかりか,床には死体が転がっていた。はたして犯人は何を求めて御剣の執務室に忍び込んだのだろうか? 被害者は刑事の仲間戸真治。彼の相棒であったという検事・優木誠人は,その死を深く哀しみ,御剣をサポートする刑事である糸鋸圭介や,警備員の須々木マコを犯人であると告発する。果たして真相やいかに?
銃を突きつけられても物怖じせず,次々と出てくる不利な証拠から逆転の一手を導き出す。御剣のクールな魅力を存分に楽しめる第1話だ。
●「逆転検事」第2話「逆転エアライン」
今回の舞台は旅客機の中。機体が揺れて気を失った御剣だが,意識を取り戻した彼の傍らには死体があった。これを見つけたCAの木之路いちるは,御剣を犯人として拘束して,フライトが終わり次第,警察へ引き渡すという。御剣は逆転して身の証を立てることができるのだろうか?
完璧人間である御剣をピンチに陥らせるには,これくらい絶体絶命のシチュエーションが必要ということか。旅客機は刻々と目的地へ進んでいくため,プレイヤーとしても気が気ではない。旅客機の中という特殊環境の面白さに加え,事態が二転三転する「逆転」らしい物語を味わえる。物語の後半では御剣を犯人と信じる狩魔 冥(逆転裁判2で初登場のライバル検事)も登場。御剣の立場もより危険なものになっていく。
●「逆転検事2」第1話「逆転の標的」
西鳳民国の大統領・王帝君が演説中に狙撃され,御剣が捜査することになった。白昼堂々の事件だけに解決も簡単と思われたが,捜査が進むごとに事態は混迷の度合いを増していく。駆け出しのルポライターである速水ミキコや,アイス屋を名乗るがどう見てもただ者ではなく,シリーズファンなら見覚えのある“田中太郎”など,一癖も二癖もある人物が絡み合うなか,新たな犠牲者が出てしまう……。
演説会場などのフィールドを歩き回る捜査パートに,本心を隠す相手へのロジックチェスなど「逆転検事2」らしい要素が詰まった第1話。今回の事件も真相は思いもよらなかったもので,快刀乱麻を断つ御剣の活躍がカッコイイ。舞台となる「ひょうたん湖」はシリーズのプレイヤーにとって思い出のある場所だ。作中でも少しだけ言及があるが,気になる人は「逆転裁判123 成歩堂セレクション」をプレイしてみよう。
●「逆転検事2」第2話「獄中の逆転」
王帝君暗殺未遂は御剣の手で見事に解決された。しかし,事件に関係するとある人物が,刑務所の中で殺害されてしまった。真相解明に乗り出そうとする御剣だが,捜査権を剥奪されてしまう。検事としての力を失い,手も足も出なくなった御剣が見出した活路とは……。
受刑者にパートナーの動物をあてがってセラピーを行い,人間が檻に入って動物が自由に歩き回る奇妙な刑務所で,複雑に絡み合った謎が蠢く第2話。事件を担当する弁護士の信楽盾之は過去に御剣と因縁があり,彼の問いかけは御剣を深く悩ませることになる。
「逆転検事1&2 御剣セレクション」公式サイト
- 関連タイトル:
逆転検事1&2 御剣セレクション
- 関連タイトル:
逆転検事1&2 御剣セレクション
- 関連タイトル:
逆転検事1&2 御剣セレクション
- 関連タイトル:
逆転検事1&2 御剣セレクション
- この記事のURL: