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生態系シミュレータ「ライフゲーム」を開発したジョン・ホートン・コンウェイ氏が82歳で死去
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印刷2020/04/16 15:01

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生態系シミュレータ「ライフゲーム」を開発したジョン・ホートン・コンウェイ氏が82歳で死去

ジョン・ホートン・コンウェイ氏(プリンストン大学提供。Photo by Denise Applewhite, Office of Communications)
画像集#001のサムネイル/生態系シミュレータ「ライフゲーム」を開発したジョン・ホートン・コンウェイ氏が82歳で死去
 1970年に生態系シミュレーションプログラム「ライフゲーム」(Conway’s Game of Life)を生み出したことで知られる著名な数学者,ジョン・ホートン・コンウェイ(John Horton Conway)氏が新型コロナウイルスの感染により,ニュージャージー州の病院内で2020年4月11日に死去していたことが,プリンストン大学のアナウンスによって明らかになった。82歳だった。

 イギリス・リヴァプール出身のコンウェイ氏は,離散的計算モデルである「セル・オートマトン」を実証するためのコンピュータを使った実験プログラムとして,生態系をシミュレートした「ライフゲーム」を1970年に開発。「近辺が4つ以上のセルで埋まると,混みすぎて死亡」「近辺のセルが1つ以下になっても孤独で死亡」といった,簡易的なモデルで生命現象や結晶の成長などの過程を再現した研究が高い評価を得た。

 プログラムを起動させたあとは何もしない,いわゆる「ゼロ・プレイヤーゲーム」であったが,初期のAIシミュレーションなどへの影響は大きく,「シムシティ」という金字塔を打ち立てたウィル・ライト(Will Wright)氏は,「ライフゲームを1年間,見続けてすごした」と,GDC 2011の基調講演で語っていたこともある。


 プリンストン大学の教授として,1987年から教壇に立っていたコンウェイ氏だが,その前後もさまざまな数学理論の構築で活躍しており,その業績は同大学が開設した特設ページに詳しい。
 また,同大学のブログページでは,コンウェイ氏の死を惜しむ同僚や部下からの思い出が寄せられているので,気になる人は読んでおくのもいいだろう。

 世界的に猛威を振るうCOVID-19は,アメリカでは60万人もの感染者を出している。その半数近くがニューヨーク州であると言われるが,労働者の供給源として隣接するニュージャージー州でも感染拡大は続いているという。初期のゲーム業界に大きな影響を与えたコンウェイ氏に,追悼の念を捧げたい。
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