ニュース
AMD,組み込み市場向けSoC「G-Series SOC」を発表。PS4でも採用されるJaguarコアを統合
G-Series SOCは,TSMCの28nmプロセス技術を用いて製造されるSoCで,PlayStation 4のAPUに採用されて話題を集めた低消費電力版CPUコア「Jaguar」を2〜4基,またRadeon HD 8000世代のDirectX 11.1対応GPUコア,メモリコントローラといったAPU的な機能を備えるのに加えて,Serial ATA 6Gbps対応のストレージコントローラ,1000BASE-T LANコントローラ,USB 3.0&2.0コントローラなどの,各種I/Oコントローラを統合しているのが特徴となっている。
従来,AMDが組み込み向けとして提供していた「G-Series APU」だと,I/Oコントローラが別チップになっていたので,G-Series SOCでは,より組み込み用途に適したSoCになったと言えるだろう。
G-Series SOCのブロック図。オレンジ色の部分が1つのダイに集積されている |
なお,発表時点におけるG-Series SOCの製品ラインナップは下記のとおり。GPUコアを統合する製品とは別に,統合しない「GX-416RA」も用意されるのがポイントだろうか。最も高スペックな「GA-420CA」の場合,最大2GHzで動作するJaguarコアを4基と,容量2MBの共有L2キャッシュ,600MHzで動作するGPUコア「Radeon HD 8400E」が統合される。
何個ロット時の単価なのかは不明だが,価格は49〜72ドル(約4900〜7200円)。2013年第2四半期中に,機器メーカーへ向けて出荷が始まる予定とのことだ。
G-Series SOCのラインナップ |
AMDのリリースによると,G-Series SOCでは,Jaguarコアの採用により,従来製品であるG-Series APUと比べてCPU性能が13%向上。業界標準のベンチマークで比較すると,Intelの「Atom N270/1.6GHz」より25%高速になると謳われている。
なお,家電用途にはほとんど無関係だが,AMDはG-Series SoCで,メモリコントーラがError Check and Correct(ECC)メモリに対応する点を大きく打ち出していたりする。
AMDはG-Series SOCが適する分野として,ゲーム機やセットトップボックス,ネットワーク機器,デジタルサイネージのほかに,医療,産業用機械への応用などの用途も挙げている。高い信頼性が求められる分野だからこそ,ECCに対応してきたということでもあるのだろう。
AMD Embedded G-Series SOCに関するニュースリリース(英語)
AMD Embedded G-Series SOC 製品情報
- この記事のURL: