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USBの次世代仕様「USB4」が発表。Thunderbolt 3ベースで最大転送速度は40Gbpsに
USB4の仕様に関する詳細は2019年半ばに公開される予定なので,現時点では明らかになっていない要素も多いのだが,発表の概要を簡単に紹介しよう。
Thunderbolt 3から生まれたUSB4
さらに2017年には,USB Type-Cコネクタを利用して2レーンでデータを転送することで最大データ転送速度20Gbpsを実現する「USB 3.2 Gen 2x2」も策定済みだ。といっても,USB 3.2 Gen 2x2対応製品は2019年中の登場予定となっており,対応製品はまだ市販されていない。
それではUSB4とは何かだが,冒頭でも触れたとおり,USB Promoter Groupに対してIntelがThunderboltのプロトコル仕様を提供することにより策定となった規格だ。そのためUSB4は,USB 3.2シリーズ以前との後方互換性を維持すると同時に,Thuderbolt規格の現行版である「Thuderbolt 3」との後方互換性も有するという。
USB規格の名称やブランド名,データ転送速度の違いを表にまとめておこう。
Thunderbolt 3はIntelが開発した技術であるため,これまで対応するコントローラはIntel製しかなかった。しかしIntelは,2018年にThunderbolt 3の仕様を無料で公開することを発表。その仕様をIntelがUSB Promoter Groupに提供することで,USB4という形でIntel以外の企業も利用できるようになったわけだ。
つまり,今後はIntel以外のメーカーからもThunderbolt 3と互換性を持つUSB4対応製品が登場する可能性が出てきたと言える。たとえばAMDプラットフォームのPCや,PC以外のデバイス――たとえば据え置き型ゲーム機――でもUSB4対応が可能になるわけで,これは大きな変化と言っていい。
Thunderbolt 3とUSBの関係はやや分かりにくいかもしれないので,簡単に説明しておくと,Thunderbolt 3は,USB Type-C互換の物理インタフェースを使用する技術であり,USB以外の信号をUSB Type-Cケーブルで送受信する「Alternate Mode」という機能を使ってUSBとの共存を実現してきた。USBから見ると,Thunderbolt 3はUSB Type-Cケーブルを利用する別の仕様という格好だったが,それがUSB4として正式に取り込まれると理解しておけばいいだろう。
さて,当然のことだが,USB Type-Cケーブルであれば何でもUSB4で使えるというわけではない。USB4で最大40Gbpsのデータ転送を行うには,認証済みのケーブルが必要だ。認証済みケーブルを用いてUSB4対応機器同士を接続すれば,たとえばPCとディスプレイの間で映像信号だけでなくデータの送受信も同時に行うといった具合に,複数のデータを同時に送ることが可能になるという。
USB4の仕様が発表されたとはいえ,すぐに機器が市場に出回るわけではない。完成した仕様が公開となるのは2019年中頃の予定であり,これまでの例からすると仕様の決定から対応製品の登場までに数年はかかるのが常なので,USB4正式対応を謳うPCやデバイスが2019年中に登場することはないと思われる。
ただ,遠くない将来,40Gbps対応のUSB4対応機器や対応ケーブルが登場するということは,覚えておく価値があるのではないだろうか。
USB公式Webサイトにおける当該プレスリリース(英語)
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