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特製ボードゲーム「モスクワ攻防戦/バルジの戦い」が雑誌「歴史群像」の付録に
この特製ボードゲームは,「歴史群像」の通巻150号記念「ドイツ陸軍特集号」に合わせて製作されたもので,ドイツ軍が第二次世界大戦で行った「モスクワ攻防戦」と「バルジの戦い」をモチーフにした戦略シミュレーションが楽しめる。ゲームの製作者は,戦史研究家の山崎雅弘氏。
ゲームには,マップ,コマシート,ルールブックといった,ボードゲームに使用する一式がセットで付属し,シートの表面で「モスクワ攻防戦(2人用)」,裏面で「バルジの戦い(1人用)」がプレイできるようになっている。
また,8月号にはとじ込み付録として,ドイツの主要戦車や自走砲などの変遷をチャート化した「ドイツ装甲戦闘車両の変遷」と,ドイツ歩兵が携行した小銃から機関銃までの小火器を写真で一覧できる「ドイツ陸軍主要歩兵携行銃器」も収録。ボードゲームと合わせて,当時のドイツ軍の史実を追体験できるようになっているという。
なお,電子版には付録のボードゲームは付いていないので購入の際は注意してほしい。
「歴史群像」公式サイト
「モスクワ攻防戦/バルジの戦い」がすごすぎる!
あなたが指揮官なら、どう戦う?
株式会社学研ホールディングス(東京・品川/代表取締役社長:宮原博昭)のグループ会社、株式会社学研プラス(東京・品川/代表取締役社長:碇秀行)は、2018年7月6日に雑誌「歴史群像」を発売しました。
◆玄人も唸るクオリティーのボードゲームが付録に!
学研プラスが発行する歴史雑誌「歴史群像」は、7月6日(金)に8月号(通巻150号記念「ドイツ陸軍特集号」)を刊行したが、その付録がスゴい。ゲームマップ、コマシート、ルールブックから成る本格的ボードゲームが一式ついているのだ。ゲームの内容は、表面が「モスクワ攻防戦(2人用)」、裏面が「バルジの戦い(1人用)」。ともにドイツ軍が第二次世界大戦で行った大攻勢で第二次世界大戦を代表する作戦である。
▲「歴史群像」8月号付録・特製ボードゲーム一式。左上より時計回りでルールブック、表紙(自分で切って組み立てるサイコロ付)、コマシート、ゲームマップ。 |
▲ゲームマップの表面「モスクワ攻防戦」を開いた状態。マップのマス目は「ヘックス」という六角形をしたもの。鉄道線や川や森林などの地形がゲームの進行に影響を与える。 |
ボードゲームとは、ボード(盤)上でコマやカード、サイコロ、チップなどを動かして勝敗を競うゲームのこと。「歴史群像」の付録は、戦争や軍事作戦を盤上に再現して戦う「ボード・ウォーゲーム」あるいは「シミュレーション・ゲーム」と呼ばれるカテゴリーのものだ。大人の知的なゲームとして世界中にファンがいる。
このゲームの作者で戦史研究家の山崎雅弘氏は語る。「歴史上の戦いを俯瞰的に、多面的に見られるという魅力があります。戦史書を読んで感じる疑問がゲームのプレイによってある程度解消されたり、当時の指揮官が直面したジレンマ(葛藤などの心の揺らぎ)を感覚的に理解できたりします。また、あるゲームで両方の立場をプレイすれば、特定の戦いにおける両者の抱える事情、強みと弱み、目指す目標の違いなどについて、有益なヒントを得られることもあります」。
また「米国では、戦術・作戦のルール化へのアドバイスなどで、歴史家や戦史研究家、軍の関係者がゲーム制作に関与することも珍しくありません。最近では、米国CIA(中央情報局)でテロ対策の部署にいた人が、米国とイスラム過激派との地球規模での闘争を題材としたボードゲームをデザインしたりもしています」という。
では、「歴史群像」の付録ボードゲームのテーマのひとつ、モスクワ攻防戦とはどんな戦いなのか。
◆ソ連の首都モスクワを巡る独ソの死闘
1941年6月22日、ドイツ軍は数百万の将兵と数千両の戦車をもって突如ソ連に侵攻した。以後4年間続く独ソ戦が始まった。ドイツ軍は想像以上の快進撃を続け、モスクワ、レニングラード、キエフという3つの作戦目標のひとつ、キエフをまず占領する。いっぽうで北方の大都市・レニングラードは、占領はできなかったが完全な包囲下に置いた。残るは首都モスクワである。しかし、作戦目標を分散させたことなどもあって、予定は大幅に遅延していた。ドイツ軍が陣容を立て直し、モスクワ攻略を目指す「タイフーン」作戦が発動されたとき、すでに9月末になっていた。このドイツ軍の「タイフーン」作戦によって生起した、モスクワを巡る独ソ両軍の戦いが「モスクワ攻防戦」である。
▲独ソの戦いは史上最大の地上戦となった。 |
「タイフーン」作戦でもドイツ軍は当初は快進撃を続けた。しかし10月に入ると雪が降り始め、舗装されていないロシアの道路は泥濘と化し、スピードが武器のドイツ装甲部隊、自動車化部隊の前進は遅れた。さらに同じ時期、モスクワで戦争指導にあたっていたスターリンは名将ジューコフを召喚する。
こうしたこともあってドイツ軍の進撃は停滞していった。先鋒はそれでも前進を続け、12月初旬には、モスクワ外郭まであと20キロのところにまで近づいた。しかし、ここまでであった。モスクワの南北で、この瞬間まで温存されていたソ連軍の強力な部隊による大反攻が開始されたのだ。側面から攻撃されることを防ぐため、ドイツ軍は必死に防戦するも、部隊を大きく後退させ、後方で戦線を再構築することになった。こうしてソ連打倒というドイツ軍の「夢」は永遠に失われたのである。
◆もうひとつの可能性を知りうるツールとしてのゲーム
「歴史にifは禁物だ」と言われる。しかし、ドイツ軍がモスクワを落とせた可能性は本当にゼロだったのだろうか? もし、史実よりももっと早く前進できていたら? もし、ソ連軍の対応がもっと稚拙だったら? このように、「あったかもしれない可能性」について考えることは、歴史をより深く知ることにつながる。「歴史群像」の特製ボードゲーム「モスクワ攻防戦」をプレイすることで、当時の指揮官がどのような判断の岐路に直面していたのかが追体験できる。そして、歴史にはさまざまな可能性があったことも理解できるだろう。
通常この手のゲームは3000〜4000円程度はするが、それだと少しハードルが高いとお考えの方、「歴史群像」8月号は特別定価税込1185円で雑誌と特製ボードゲームが手に入る。入門者にも解りやすく記してあるルールブックも付いており、すぐに楽しめるようになるはずだ。
▲プレイ中の一場面。ドイツ軍(左側)がモスクワ(画面中央やや右上)の門前まで近づいている。ちなみに画面中央のセルプーホフの右側を上下に通っている赤い点線が史実におけるドイツ軍の最大進出線。 |
「歴史群像」8月号にはさらに、片面4ページ大のカラーワイド綴込み付録がついている。表面は「ドイツ装甲戦闘車両の変遷」。第一次大戦後から1945年の第二次大戦終結までの、ドイツの主要戦車、自走砲等の変遷をチャート化したもの。裏面は「ドイツ陸軍主要歩兵携行銃器」。ドイツ歩兵が携行した小銃から機関銃までの小火器を写真で一覧できるものだ。その他、この号は「ドイツ陸軍」の歴史から装備までを幅広く扱っており、興味のある方はぜひお手に取ってみていただきたい。
今年の夏は暑そうだ。クーラーの利いた部屋でゲームマップを広げて、指揮官になりきって、独ソの激闘を追体験されてみてはいかがか。
※「歴史群像」8月号は電子版も出ていますが、電子版にはボードゲームは付いていません。
[商品概要]
歴史群像8月号
定価:本体1097円+税
発売日:2018年7月6日(金)
判型:B5/184ページ/
電子版:あり ※電子版には付録のボードゲームはついていません。
雑誌コード:09677-08
発行所:(株)学研プラス
歴史群像ホームページ(学研デジタル歴史館):http://rekigun.net/
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