格闘ゲームを本格的に遊んでいる人ならご存じ,
TOPANGA(トパンガ)。大会名だとかサークル名だとか色々勘違いされがちだが,その実態は株式会社だ。「格闘ゲームを中心にゲームの社会的地位の向上」(
公式サイトより)を掲げるTOPANGAは,陰日向なくゲームのことを広く手がけ,いろいろなことをやっている。
代表を務める
豊田風佑(とよたふうすけ)氏とは,第1回のEVO Japanでご一緒させていただき,その後も要所要所でこまごまと連絡を取り合っている。EVOは,格闘ゲームファンやeスポーツファンならご存じのように「格闘ゲームの世界的大会」であり,日本開催にあたってはそのTOPANGA 豊田氏のほか,GODSGARDEN
稲葉央明(いなばひろあき)氏,ユニバーサルグラビティー
松田泰明(まつだやすあき)氏,主に格闘ゲーム関連のフリーライター/コメンテーターであるハメコ。こと
金子紀幸(かねこのりゆき)氏など,そうそうたるメンバーが力を合わせて運営し,(少なくとも大会そのものは)大成功だったと思っている。
……その豊田氏から,ある日連絡が入った。
「ちょっと大きめの話があるので,事前にお話を聞いてもらってもいいですか?」とのこと。豊田氏がいう“大きめの話”とはなんだろう。TOPANGAがどこかと合併とか? EVO Japanの権利を買いましたとか? それともTOPANGAがゲーセンの経営に乗り出しますとか? カプコンに会社ごとM&Aされましたとか?
記事にしても良いとのことだったので,カメラマンを手配して考えつつ現場に向かうと,そこには先ほど名前を挙げた全員が勢揃い。……なんだこれ?
「記事にしてもいいと聞いてたんですが,しゃべるのは誰ですか?」と聞いたところ,みな一斉に豊田氏を指さす。なるほど,彼が主役なのか。残りの3人の視線が気になりつつも,豊田氏に最初からいろいろと聞いてみた。
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左から,松田泰明氏,稲葉央明氏,金子紀幸氏,豊田風佑氏
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4Gamer:
というわけでお久しぶりでございます。今回しゃべるのは豊田さんだけだっていう顔をみなさんがしてるので,ぜひお願いします(笑)。第一回のEVO Japanのときには,とてもとてもお世話になりました。
豊田風佑氏(以下,豊田氏):
とても楽しかったけど,とても大変でしたね,あれは。
4Gamer:
いやもうホントに……。4Gamerはその最初のEVOしか絡んでいませんが,とても楽しいイベントだったし,本当にお世話になりました。みなさんご承知のように赤字で大変でしたけど。
豊田氏:
そこは私からは……(笑)。
まぁそのとき4Gamerさんには本当にお世話になったので,ちょっと今回「大きな話」を動かすにあたり,最初に話を聞いてもらおうと思って,今日時間を取ってもらった次第です。
4Gamer:
そう,その「大きな話」です。
「ちょっと大きい話があるんですが発表前に聞いてもらえますか?」「記事にしてもよさそうな内容ですか?」「大丈夫だと思います」……と言われていまここに座ってるわけですが,大きな話,ってなんでしょう?
豊田氏:
大枠だけを言うと「みんなが集まってゲームを楽しめるような環境を作ります」という感じです。
4Gamer:
あまり大きな話には聞こえないんですが……それはジャンルに限らず?
豊田氏:
ええ。ジャンルに限らず。
4Gamer:
豊田さんがしゃべってる以上,メーカーさんや選手,プレイヤー達は「やっぱり格ゲーの話かな?」と思うはずなんですが,そういうわけではない?
豊田氏:
はい。話の全貌から言うなら,格ゲーに限った話ではありません。
4Gamer:
ちょっと意外です。動機も気になるし,では最初から聞かせてください。
豊田氏:
最初からですか! どこから話そうかな……。
eスポーツという言葉が昨年流行語大賞で選ばれたり,そういう感じで注目を集めてる中で,業界も周辺も「ついにeスポーツ元年が来たね」みたいな話になってると思うんですね。
4Gamer:
良くも悪くも,確かにそうですね。
豊田氏:
プロ……とは何かという定義はいったん置いておいて,eスポーツにおけるプロゲーマー達は,華やかな大会だったりイベントだったり,自分達の力を発揮できる場所が増えていって,「プロゲーマー」というもののステータスも順調に上がっていくと思うんです。
4Gamer:
ええ。現状はちょっと大会が乱立しがちで,1個1個のバリューが損なわれないかな? という懸念がありますが。
豊田氏:
確かにそうですね。でもそこはまぁ別な問題として……その選手を取り巻く環境の反対側には,いままでそのゲームコミュニティを支えてきた人達がいるわけなんです。
4Gamer:
あ,なんか分かってきました。そもそもの立ち位置の根幹に帰ろうというわけですね。
豊田氏:
そうなんです。ゲームコミュニティがここから栄えていく……栄えるって言うと変か,どんどん人が増えていって盛り上がるかどうかっていうことには,あまり注目が集まっていないと思ってます。
4Gamer:
なるほど,さすがにコミュニティ出身なのでそこに目が。
豊田氏:
はい。今後プロゲーマーの社会的地位が順調にステップアップしていく中で,それを下支えする土台ができていないのに,プロゲーマーの地位だけどんどん上がっていくのもいびつですしね。
4Gamer:
そうなんですよね。プロゲーマーって,たぶん多くの場合は昨日や今日いきなりポッと出てくるものじゃなくて,コミュニティの中から着実に上がってくるものだと思うんです。なのにその土台を放置したまま上のほうだけ持ち上げて,「eスポーツ」を盛り上げようとしている人達は,一体このあとどうするつもりなんだろう? とは思ってます。
豊田氏:
コミュニティの正しい伸び方がどんなものなのかはいまだに分かりませんけど,形として一番「健全」だと思ってるのは,土台が一番大きくて,そこからどんどんピラミッド状になっていて,一番上がプロゲーマー。
4Gamer:
一流の。
豊田氏:
ええ。まぁそんな形が一番望ましいと思ってるんですけど,今は土台がそこまで大きくない中でプロゲーマーだけが……なんていうんでしょう,
気球に乗せられて遠く空の上まで上げられてるみたいな。
4Gamer:
ひし形ですらない?
豊田氏:
違いますねえ。
4Gamer:
格ゲーコミュニティの第一人者としては,そういう認識でしたか……。
豊田氏:
そんな大層なものじゃないですけど,これでブームが過ぎ去ったとしたら,そのときに浮力を失ったプロゲーマー達が,とんでもない速さで落下してくるわけです。でも例えば,土台がしっかりと作られてある程度の高さがあれば,着地のときのダメージもそこまで大きくないと思うんですね。
4Gamer:
いまのままだと即死級?
豊田氏:
いまはまだ,地面との距離は大したことないと思うんですけど,このままどんどん続けていくと,プロゲーマーの人達がとんでもない事故に遭って,彼らの生活が脅かされるばかりか,業界そのものが収縮するっていうか……あぁなんかそんなブームもあったよね,ってなっちゃうのではないかと。
4Gamer:
……それを聞いて思ったんですが,実はずっと気になってることがあって。いまのeスポーツブームって,
セカンドライフのときのブームにちょっと似てると思うんです。一気に盛り上がって,いろんな企業や大きな会社が参入して,一気に冷めていった,あのブーム。称賛していた人達も一気に手のひらを返して,あっという間に冷え込んでいった……。
eスポーツの盛り上がり方が,あのときにちょっと似ていてそこを心配しています。
豊田氏:
懐かしい名前ですね,セカンドライフ。
4Gamer:
もちろんセカンドライフが悪いわけじゃないですし,ブームそのものを否定するつもりもないんですけど,勝手に祭り上げられて,勝手に飽きられていった感じが,すごく心配になります。あのころ,本当にセカンドライフが好きだった人達にとっては結果的にいい迷惑だったんじゃないかなぁ,って思いますし。
豊田氏:
確かにそうかもしれませんね。
4Gamer:
まあそれはさておき,これは豊田さんだから格ゲーの話になっちゃうんですけど,格ゲーの人達は昔から大なり小なりのコミュニティありきでいろいろなことをやってきたじゃないですか。ゲーム大会とかを含めて。
なのでeスポーツがどうたらこうたらといって盛り上がりはじめたとしても,格ゲーコミュニティに関して言うならば,さっき話題になった「距離」はそんなにないんじゃないですか? あくまでも僕の勝手なイメージですけど。
豊田氏:
おっしゃるとおり,格ゲーコミュニティは比較的昔から存在するものですが,今の段階ではやっぱりひし形が一番近いのかな,というイメージですね。いやひし形……でもないのかな。中間層がそこまでしっかりと存在しないかもしれません。
4Gamer:
あれ,意外と悲観的ですね。
豊田氏:
悲観してるわけじゃないんですけどね(笑)。なぜそう感じるというと――自分の詳しい格闘ゲームの話になっちゃうんですけどいいですか?
4Gamer:
どうぞどうぞ。
「プロゲーマー」という夢を与えてしまった以上,その責任は取らねばならない。雇用の創出は重要なテーマ
豊田氏:
カプコンの格闘ゲームを例にとると,「カプコンプロツアー」という大きな大会があるわけですけど,そんな大会なんかでプロゲーマー達が転戦しているのを見ている一般のプロゲーマーとかセミプロ級の人達からすると,「お金もらっていくらでも回れていいよね」みたいな感覚がどうしてもあるわけですよ。
自分達が海外の大会に行こうと思ったら,自分で仕事してお金を貯めてから行くわけで,その海外大会で活躍できないと次になかなかつながらないわけです。その体制が悪いとは言いませんが,ちょっとハードルが高すぎますよね。実際,参加する人も多くいるんですけど,そんな切羽詰まった精神状態の中でしっかりと実力を出せるのかというとやっぱり難しいですし。
4Gamer:
んん……プロの肩を持つわけではないですけど,昔から「プロゲーマー」と呼ばれる人達は,それをくぐり抜けてきたわけですよね。
豊田氏:
まったくその通りだと思うんですが,実際問題としてそれはあまりにも難しくて高い壁なんです。で,そういう状況が続いていくと,やっぱりプロゲーマーに対する妬みだったりひがみだったり,どうしてもそういうものも出てきてしまうわけですよ。「プロはいいよね」「実力にそんなに差はないのに」「あいつらだけスポンサーされてさ」って感じで。
4Gamer:
これを聞いていいのか分かりませんが,それは本当に実力に差がないんですか? それとも「ないと思ってる」んですか?
豊田氏:
個人的には「ないと思ってる」という方が真実だと思います。海外を転戦するような一流のプロゲーマー達とアマゲーマーの差は,やはり相当あると思いますよ。
4Gamer:
ということは,海外を転戦するようなプロゲーマーじゃない場合は……?
豊田氏:
そうですね。なんて言うのが正確なのかちょっと悩みますが,ギリギリプロゲーマーくらいの人とアマチュアのうまい人なら,そこまでの差はないと思います。
4Gamer:
まぁそうですよね。ゲームに限らずなんでもそうですけど。
豊田氏:
何戦かするだけだったら,もしかしたらアマゲーマーも同じくらい強いのかもしれないわけです。そのくらいのレベルだと違いは,その肩書……というか「プロゲーマー」という称号と,スポンサーがついてるかついていないか,活躍の場が与えられるか与えられないか,です。
4Gamer:
そこは理解できます。
豊田氏:
で,そういう状況が続いていくと,将来の業界のメインパワーとなるはずの「アマゲーマー」の人達が,やる気をなくしてしまいがちなわけです。「プロとおれらは違うしな」って思ってしまうわけで,そうなると,それこそさっきお話した気球状態なわけです。
4Gamer:
なるほど確かにそうかもしれません。
そうかもしれません……けど,やっぱり個人的には「それは単なる甘えじゃない?」と思っちゃうわけです。人とは違うものを持っているからプロになっているのであって,だからこそ彼らの活躍には価値があるわけでしょう? 自分がそれになれないからといって拗ねられても,それはさすがに違うんじゃないですかねえ。
豊田氏:
いや,そうおっしゃるのもよく分かります。現実的に,そんなにみんながみんなプロになれるわけはないんですから。
4Gamer:
……あぁそうか。さっき言ってた「ある程度の高さの土台」っていうのはここにつながる話なんですね。
豊田氏:
です。アマゲーマーの人達にも活躍の場を作るべきだし,もちろんプロゲーマーを目指す人達にも,ちゃんと活動できる場所を作るべきだし。
4Gamer:
そういう話で言うのなら,みんな分かってるように,プロゲーマーといっても,それだけで食べていける人って,本当にごくわずか,一握りの人だけじゃないですか。「プロゲーマー」と言われたり呼ばれたり認定されたりしても,結局はバイトしたり,ほかの仕事したり,そうやって皆さん頑張ってるんじゃないかと思うわけです。
豊田氏:
当たらずとも遠からず,といった感じかと。
4Gamer:
だって賞金では悠々自適に食えないでしょうし,多くの人にはまだスポンサーがついてないですし。事務所に仕事が管理されてる場合なんかだと,交通費を出す代わりに賞金のうち結構な割合を持っていかれるとか,そういうのも聞いたことありますし。
今の日本の,急激に膨らんだeスポーツの問題の一つだと思ってるんですけど,「プロゲーマーであること」だけを持ち上げて称賛してる気持ち悪さがあるわけですよ。彼らの生活基盤はどうすればいいのか,その受け皿も何もない状態で,風船だけがどんどん膨らんでる気持ち悪さというか。
本当に将来にわたって「eスポーツ」なるものを根付かせようとするなら,まずこの問題をどうにかするべきだと思うんですよね。大会とかバンバンやるのは別にそれはそれでいいけど,もっと土台の部分を誰かがなんとかしないと,持ち上げられてる人達が可哀想だと思う。
豊田氏:
いやまったくそうですね。我々もそこの部分はやっぱり押さえないといけないと思ってます。自分の話で恐縮ですが,TOPANGA自体が,最初はプロゲーマーを食べていけるようにするために作った会社でして。
4Gamer:
そうでしたね(参考記事 →
こちら)。
豊田氏:
ええ。手前味噌でしかないですけど,プロゲーマーっていう職業がある程度最近は認知されてきたイメージがあって,少しは貢献できたかな? と思ってます。
4Gamer:
確かに認知はされてますねえ。
豊田氏:
以前は「プロゲーマーってなんだそれ」と思ってた人達が多かったのに,今では「プロゲーマーになりたい」と思ってもらえることも増えてきて,それはそれですごく嬉しいことなんですけど……。
4Gamer:
なんですけど?
豊田氏:
夢を与えてしまったんですよね。
4Gamer:
あぁ……なるほど。「過剰な期待」と言い換えてもいい?
豊田氏:
そうですね。プロゲーマーという職業は華のあるものだと見せてしまったのはこちらなので,じゃあそこの責任は取らないといけないな,というのもあって。
プロゲーマーになろうと思って頑張ったんですけど,プロゲーマーになれる人はごく少数なわけです。プロゲーマーになるために,今まですべてを捨ててゲーム一本で一生懸命やってきました。だけどプロゲーマーになれませんでした。はい終了。
4Gamer:
そうそれ! いまの変な盛り上がり方は,その状況をたくさん引き起こす危惧があるんですよね。
豊田氏:
こっちが夢を見せてしまったがために,そこで「残念だったね。おつかれさま」とやってしまうのは,いくらなんでも無責任だと思っちゃったんですよ。
4Gamer:
なんか分かります。
豊田氏:
自分達が,今までそういうものを作ってきた張本人として,プロゲーマーを目指してきた人達だったり,ゲーム業界やプロゲーマーやeスポーツシーンを支えたいと思ってる人達だったり,そういう人達の受け皿となるものを作れたらいいなと思ったのも,今回の話では大きなウエイトを占めますね。
4Gamer:
それはつまり,なんて言うのがいいのかな……雇用の創出みたいな?
豊田氏:
そうなります。
4Gamer:
プロゲーマーとかeスポーツ界隈って,繰り返しですけど「選手」ばかりがクローズアップされます。もちろんそれは仕方ないし,そのことに問題があるわけではないんですけど,団体とかなんらかの組織とか,どこかがバックオフィス的なことをやらねばならないわけで,それはちょっと不安に思ってました。このあとどうなるんだろう,的な。
豊田氏:
とくに4Gamerさんは,1度自ら巨大な大会を開催したからよくお分かりでしょう(笑)。
4Gamer:
そうですね……。
大会の運営をする人だったり,オフィシャルの写真を撮る人だったり,受付をする人だったり,観客の誘導をする人だったり,極端な話,足りないガムテープを買ってきてくれる人だったり,そういう人達だってとてもとても重要で,必要で,いないと困るんですよね。でも,そこをどうにかしようとする人は今いないし,そもそもそういう人をどうやって探せばいいのかも分からないわけですよ。そういうこともやってくれたり?
豊田氏:
やるつもりです。
4Gamer:
いいですねえ。つまりこれって,コミュニティの土台を再構築するっていうことかな。……いや違うな。先の話だと,ピラミッドの一番下を作る?
豊田氏:
はい。もちろん,ピラミッドの一番上の方をまったく扱わないわけではないですけど,今のいびつな形をしっかりとしたものにしたいですね。
4Gamer:
土台を整えていく,と。
というか,土台がないのに業界がここまできてるのもなかなかすごい話ですけどね。
豊田氏:
そうですね。eスポーツというマジックワードのおかげで,今までの中で多分一番注目を集めているタイミングだと思うんです。それだけ注目を集められているタイミングなので,ここでしっかりとしたコミュニティの土台を作っておきたいな,というのがまず1つ。
4Gamer:
2つ目は?
豊田氏:
コミュニティと一言で言っても,そうした場合に取りあげられるのは,東京や大阪といった首都圏のゲームコミュニティになりがちなんですよね。そこで地方……と言いますか,それぞれが普段遊んでいる地域でやっているコミュニティの活性化のお手伝いもすることで,日本全体のレベルで土台を作っていきたいと思ってます。
4Gamer:
地方はeスポーツ大会の需要が高いですし,確かにそういうことをやっておくのはいいですね。
豊田氏:
もう1つがですね……。
4Gamer:
3つ目があったんですね(笑)。
豊田氏:
はい(笑)。というより,ちょっと話が戻っちゃうんですが,先ほど話題に出た仕事の創生ですね。もちろん保証できるほどのレベルにはすぐにはなれないとは思うんですが。
4Gamer:
いや実際問題そこまでいくのは無理でしょう……。相当な数の「雇用」になっちゃうと思いますよ。
豊田氏:
ええ。でも,なるべく広くの受け皿となれるようにしていきたいですね。先ほどの繰り返しですけど,プロゲーマーだったりeスポーツだったり実況だったり,そういった業界の発展に注力してきた人達をバッサリと切り捨てるようなことをしなくて済むように。
4Gamer
そこは4Gamerとしても何かしらの協力ができそうですし,とても重要なことなので期待してます。
豊田氏:
実はあともう1つあるんですけど説明していいですか?
4Gamer:
ぜひ。
豊田氏:
ゲームの中でも「大会」という部分については,やっぱり海外の方が,選手数や視聴者数などの規模も含めて一歩先を進んでるわけですけど,それでもゲームといえば日本ですし,中でも格闘ゲームはそもそも発祥が日本なわけですよ。だから日本人プレイヤーも強いし。
4Gamer:
そうですね。ただのプレイヤーでしかない僕でも,そこはちょっと誇りに思ってます。
豊田氏:
この業界は,いろんなゲームやキャラクターが「日本発祥」だったりするわけですが,ゲーム大会だけはすごく遅れてると思うんです。でもゲームを好きな人だったり,ゲームのコミュニティだったり,そういう底力はすごくある国だと思うので,その日本発祥の「世界で誇れるような,世界でトップと言われるような大会」を作りたいなと思ってます。
4Gamer:
いいですね。いまある“格闘ゲームの世界大会”はみんな海外出身なのでちょっと寂しい気持ちではありました。
じゃあちょっと無理矢理まとめちゃいますけど,いま聞いた感じだと
1)eスポーツとかゲーム大会に関われる仕事を創成しましょう
2)全国レベルでコミュニティの土台をきちんと作りましょう
3)世界に誇れる日本発の大会を作りましょう
……こんな感じになるわけですね。