概して小者は不幸に屈服して,その状況に慣れてしまうが,
偉人はそれを超越するものである。
(Little minds are tamed and subdued by misfortune;
but great minds rise above it)
「リップ・ヴァン・ウィンクル」や「スリーピー・ホローの伝説」で知られる19世紀前半の作家・Washington Irvingは,「ポカノケットのフィリップ あるインディアンの回顧録より」で,このように記しました。このセンテンスは,19世紀後半の作家・Elbert Green Hubbardによる引用集で追記された
「偉大な精神は目的を持つが,そうでない者は願望を持つ」 (Great minds have purpose, others have wishes)という意訳も有名です。Hubbard版は意味合いがちょっと足されている気がしますが,まあ上記の日本語訳も原文と比べるとけっこうな意訳ですしね。
そう,ごっつい人は困難に突き当たると「いかに克服するか」を考え始めるもの。そんな1人が,例えばInterplay Entertainmentで
「Fallout: Brotherhood of Steel」 などのテスターとしてゲーム業界でのキャリアをスタートし,2000年代にはInsomniac Gamesで
「ラチェット&クランク」 シリーズや
「レジスタンス」 シリーズにプロジェクトマネージャーとして関わったものの,2010年代はデジタルコンテンツや衣料品メーカーの広告プロデュースに携わっていた
Bryan Bernal 氏です。
2015年,恋人との旅行で来日したBernal氏は首都圏のリサイクルショップを周り,スーツケースいっぱいのレトロゲームを買い込んでアメリカに帰国しました。しかしモダンな50インチTVに古いゲーム機を接続するにあたって躓きます。結果的にはゲーム機用のMODやカスタムケーブルを使用することでプロユースのCRTモニターに接続したそうですが,その経験から
「モダンな環境で簡単にレトロゲームを楽しめるプラットフォーム」 を欲するようになりました。
Bernal氏は,Bluepoint Gamesで
「アンチャーテッド コレクション」 などを開発した
Eric Christensen 氏と,初代Xboxのアーキテクチャ開発に携わった
Rob Wyatt 氏に声をかけ,実際に「モダンな環境で簡単にレトロゲームを楽しめるプラットフォーム」の開発へと乗り出しました……といった旨が,Nintendo Lifeが2017年に掲載した
インタビュー記事 で語られています。
そんなこんなで誕生したのが,Playmajiから9月12日に正式リリースとなったレトロゲーム互換機
「Polymega」 です。本品が標準で対応するのは,PlayStation,セガサターン,メガCD(32XCD含む),NEO・GEO CD,CD-ROM2(SUPER CD-ROM2やアーケードカード対応を含む)。別売りの
「EM01 パワーモジュール」 によってファミコン(NES含む),
「EM02 スーパーモジュールセット」 によってスーパーファミコン(Super NES含む),
「EM03 メガモジュールセット」 によってメガドライブ(Genesis含む),
「EM04 ターボモジュールセット」 によってPCエンジン(TurboGrafx-16およびスーパーグラフィックス含む)の対応が拡張されます。
異様なほど広範なプラットフォームに対応するPolymegaが発表されたのは2017年のこと(当時の名称は「Retroblox」)。プレオーダーが開始されたのは2018年9月4日で,筆者がオーダーしたのは2018年10月2日。オーダーの受付開始時は2019年春の発送予定でしたが,紆余曲折を経て発送が開始されたのは先述したように2021年9月12日,筆者の元に届いたのは10月末頃でした。そう,3年も待つ羽目になりました。デラーズ・フリートだったら満身創痍から体制を整え直して“星の屑作戦”に踏み切るだけの歳月です。
我々は……3年待ったのだ!
ゲームソフトならば,開発期間が当初の予定を大幅に超過した場合は大抵クソゲーになっているというのは読者諸氏も常識としてご存知でしょう。嫌な予感がバチバチです。まして光学ドライブを主体としたレトロゲーム互換機という,前例の無いマシンです(小規模なプロダクトとしては過去にもあったかもしれませんが)。さらに筆者がオーダーしたときは「ベースユニット+ワイヤレスコントローラ」が249.99ドルだったのに,現在の一般販売価格は449ドル(円建て価格は5万1937円)になっていたり,悪い意味での方向転換がいくつかありました。
さて,3年も待たせてくれた,定価5万円超えのレトロハード互換機。実際のところ,なんぼのもんでしょうか。というわけで今回はPolymegaでやっていきましょう。
――ところで,2021年はAtari VCS やPolymegaが届きましたし,MVSX も買ったのですが,未だに筆者はPS5を入手できていません。PS5って実在するのでしょうか? ひょっとしたら皆が見ている白昼夢ではないのでしょうか――
――まだ“次世代MSX”の方が先に手に入るかもしれないですね――
繰り返せポリループ
そんな感じでPolymegaです。モジュールは「まあレトロフリークあるし……」ということで未購入。そこまで筆者の財布に余裕がなかったものでして。
サイズはWiiより大きく,Xbox 360より小さい程度。ディスクはスロットイン式で,仕様としてはCD/DVDドライブなものの音楽CDや映像DVDはロードできません。
本体ストレージは基板上に32GB NanoSSDが搭載されていて,ユーザが使用可能な領域は約10GB。ここにはセーブデータだけでなく,ゲームソフトをイメージ化して保存が可能です。それに加え,内部にM.2 SSDの増設スロットと,背面にmicroSDカードの挿入ポートが設けられています。仮に
2TB のSSDを増設したなら,CD-ROM(700MB)のイメージが概算
2900本 くらい入りますし,700MB全部を使っているソフトなんてそうそう無いので実際は4000本くらいまでイケるでしょう。
公称だと「Intel Coffee Lake S Series Processor」とされているCPUは,実際のところ「Intel Celeron G4900T」を搭載。これは過去に予告されていた「Intel Pentium Gold G5500T」からアナウンス無しに変更されたため,一部ユーザから批難を浴びています。
OSはLinuxベース,エミュレータはmednafenベースだそうです。これも最初期はFPGA設計とされていたので(こちらはアナウンスのうえ変更),いくらか批難を浴びているところです。
本体ストレージには,約40本のゲームがプリインストールされています。これらはPiko Interactiveやエクストリームなどから許諾を得て収録されたもの。ただ,本体にプリインストールされるのは6本で,あとは各種モジュラーのバンドルのはずだった気が……予約特典ということで全部入っているのか,標準の早期特典に含まれているのか,よく分かりませんが……。まあ買った身からすれば追加されてる分にはいいんですけど,先述の仕様変更もあり「なんか足元が疎かなんだよなー」といった印象は否めません。
とりあえずプラットフォーム別に分類してみた初期収録タイトルは以下の通り。なお,今から購入した場合に,これらがプリインストールされているかは保証しかねます。
※印が付いているものは,ベースユニットに収録と発表されていたもの。
日本語版と英語版が別に収録されているものはリスト上でも別に記載。
■PlayStation
■Genesis
TOP RACER 2
BRAVE BATTLE SAGA:legend of the MAGIC WARRIOR
WATER MARGIN - A TALE OF CLOUDS AND WIND
TIN HEAD
SWORD OF SODAN
BATTLE SQUADRON※
■Nintendo Entertainment System
8 EYES
Nightshade
POWER PUNCH II
TARGET: RENEGADE
TREASURE MASTER
Rescue: The Embassy Mission※
DOODLE WORLD(NESMaker)
SHERA AMD THE 40 THIEVES(NESMaker)
TOWER OF TURMOIL(NESMaker)
FLEA(NESMaker)
SOKO BANANA(NESMaker)
DRAGON MASTER(NESMaker)
TURTLE RESCUE(NESMaker)
■スーパーファミコン /Super NES
アイアンコマンドー 鋼鉄の戦士
スーパードラッケン
トップレーサー※
トップレーサー2
美食戦隊 薔薇野郎
DRAGON VIEW
GOURMET WARRIORS
LEGEND
PUSH-OVER
IRON COMMANDO
■PCエンジン/Turbografx-16
改造町人シュビビンマン2 新たなる敵
ダブルダンジョン
モトローダー
モトローダーII
どらごんEGG!
DOUBLE DUNGEONS
MOTO ROADER
SHOCKMAN
この約40本が……いや待て,
「ソード・オブ・ソダン」 (SWORD OF SODAN)入っとるやん。
ソダン様おるやん。
ソダン様おるやん?
ソダン様おるやん!!!!!!!!
ソフトバンク・パブリッシングが刊行していた「BEEP!メガドライブ」の読者レースで(喜ばしくないニュアンスでの)支持を集め,
“帝王ソダン様” と謳われたクソゲーカイザー「ソード・オブ・ソダン」様がいらっしゃるじゃないですか。今はPiko Interactiveが権利を有しているんですね。「
美食戦隊 薔薇野郎 」や「
ファーストサムライ 」といった奇ゲーの権利を買い集めて再リリースしているPiko Interactiveですが,ソダン様に関しては歴史的タイトル(ある意味では)の管理・運用としてありがたい一方,「そんなクソゲーを管理・運用するんですか!?」と畏怖を覚えます。ソダン様おるやん。
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2021/08/14 00:00
今すぐ飛び出したり駆け出したりしようぜ
それはともかく,実際にROMをいろいろ挿入してみましょう。やっぱり試してみたいのはセガサターン用ソフト。何せセガサターンはハード設計が特殊なため,エミュレーションでもFPGAでも高精度の再現が極めて難しいプラットフォームです。
セガサターンといったら,やっぱりトレジャーの
「レイディアントシルバーガン」 ですね。「Xbox 360版があるからいいか〜」としまい込んでいましたが,やっぱりサターン版もこれはこれでフィールソーグッド……。ただ,Polymegaの標準コントローラはボタン配置がPlayStationライクなので,セガサターン用ソフトやカプコン格ゲーをプレイするときは感覚的に馴染みにくいところ。「プレイステーション クラシック」用パッドや「NEOGEO mini」用パッド,Retro-Bitのセガハード系パッド,
Qanba の「Obsidian Tournament Fight Stick」などは動作保証されているものの,筆者の手元にあったコントローラは軒並み認識されませんでした。モジュールを追加して実機用の6ボタンパッドやアーケードスティックを使うべきか……と思うものの,ちょっとしたハードルの高さは否めません。
なおプレイが久々すぎて,パターンやメリーさんの位置などは80%くらい忘れていました
これらはPolymegaに認識されなかったUSBパッドおよびコントローラアダプタ達。ネオジオパッドとセガサターンパッドがありますが,先述のものとは異なり10年以上前の旧製品です
Buffaloの「BSGP810」は“Generic USB Gamepad”として認識されました
また「レイディアントシルバーガン」を探す中で,セガサターン用ソフト
「デスクリムゾン」 や,ドリームキャスト用ソフト
「デスクリムゾン2」 および同作のサウンドトラックも発掘しました。レイシルを探していてデスクリゾーンに踏み込むなんて“間に挟まりたくて百合の後を追いかけていたら,気付けばガチムチ超兄貴の薔薇園に迷い込んでいた”くらいの気分です。ちなみにデスクリムゾン2のヒロインの名前は“ユリ ローゼンバーグ”なので,百合かつ薔薇です。せっかくだから,「セガサターンマガジン」の読者レースでソダン様に続く最下位帝王に選ばれたデス様をインストールして,内部ストレージを変な感じにしてみましょう。
ちなみにPolymegaにはガンコントローラ のオプションもあります。ムササビ撃ち放題!(ライフ減少)
実際のところ,Polymegaのセガサターンエミュレートは3D描画に関していくらか不具合があるそうですが,デスクリムゾンだと何が正常で何が異常なのかも分かりませんね。デフォルトで正常な部分が見当たりません。
不具合を確認しやすいのが
「バーチャファイター」 で,リングのポリゴン欠けが複数のユーザから報告されています。筆者は無印バーチャファイターは持っていないのですが,
「バーチャファイターリミックス」 で同様のポリゴン欠けを確認できました。
また,クソゲーと言えばPlayStation用ソフト「グルーヴ地獄V」も“公称クソゲー”として有名ですが,これは正常にブートされず真っ黒な画面が表示されるだけとなります。
いえ,クソゲーコレクターではありません。個性的なゲームの愛好家です。「機○○○○○○ム ○○○○○ー○ー○」みたいなクソゲーをつかんだときは普通に憤慨します
動くものでも妙な挙動にはけっこう突き当たります。セガサターン版
「ザ・キング・オブ・ファイターズ’96」 をブートしたら海外リージョンとなったり,
「リッジレーサー」 は“PlayStation規格ソフト”としか認識されなかったりしました。正常動作するものでもBIOS依存のフォントを使用しているゲームでは,互換BIOSのフォントが適用されて実機とは若干異なる描画となります。
実機BIOS を使用すれば不具合の多くが解消されて,「グルーヴ地獄V」も動作するそうです。ただ,実機があってBIOS吸い出しの環境や技術を持っている人なら,実機に光学ドライブ代替のSDカードドライブMODや,映像出力のHDMIコンバートMODを取り付けた方が,より確実なプレイ環境を構築できるでしょう。Polymegaにはステートセーブ機能などのメリットもありますが,そこはやはり実機に劣ります。
ゲームメディアのスタッフである筆者としては,Polymegaでいろいろなゲームのスクリーンショットをバシバシ撮れると嬉しかったのですが,今のところ(アップデートで改善の可能性アリ)は「ちゃんとしたスクリーンショットが撮れているか見極める必要がある」といった感じで,使いどころには難しさがあります。編アシレベルには預けられませんし,購入を考えている同業者がいるなら「Polymegaは手軽だけど,変なスクショを業務で使ってしまう危険性を避けたいならば,コロンバスサークルやHyperkinが売ってるレトロハード向けHDMI変換ケーブルを使ったほうが良いっすよ」とアドバイスしたいところです。
ただ,ネオジオCDに関しては本来なら数分待たされるロードが
一瞬で終わる ため,実機よりも明確に快適です。「ジェネリック・ネオジオCD」として考えると大当たりですし,ネオジオ大好きな脳味噌100メガショック人間ならば,これだけで十分に買う価値があるでしょう。と言うか,有志の検証によるとネオジオCDは実機BIOSを導入した方が異常が起こりやすいとか。なんで?
ネオジオCD版「餓狼伝説SPECIAL」でロードの高速化を確認しましたが,セガサターンとメガCDでは実機相応ないし多少速い程度のロードが入ります
手軽にCD-ROM2用ゲームをブートできるのは嬉しいところ。筆者宅にはレーザーアクティブ&PCエンジン コントロールパックがあるものの,難儀なマシンで……
風の噂に「PC-FXは非対応だけど『バトルヒート』は起動したよ」と聞いたので試してみたら,PCエンジンのCD-ROM2にソフトを入れたとき特殊なデモが再生されるという仕様なんですね……。つまり単にPCエンジン用ソフトとして読み込まれている状態。一緒に写っているソフトに他意はありませんが,PC-FX非対応なのが残念でなりません。一緒に写っているソフトに他意はありませんが
対応プラットフォームに含まれていないので当然ですが,3DO用ソフトは認識されません
メガCD用ソフトは快適に動作。ただ,例の起動デモを観られないのはちょっと寂しいですね
いつぞやの企画以来に引っ張り出したPlayStationの「serial experiments lain」。取り扱うのを躊躇うような希少ソフトでも,イメージ化して取り込んでしまえばプレイしほうだい。PlayStationはロードが速くなりますし……まあ,lainはロードが速くても根本的に動作が重いんですが……あとセーブデータ管理メニューが無いのでファイル名ネタも見られませんが……
サーバー管理もお疲れさん
まあ,結局のところ互換機は互換機ですからね。オリジナルとは別物です。ハードウェアの設計および特定のハードウェア向けに作られたソフトウェアへの対応というものは極めて難題です。実機ですらバージョンによって挙動に差異が生じることは珍しくなく,例えば初期型ファミリーコンピュータでは
「グラディウスII -GOFERの野望-」 が動作しなかったり,薄型PS2では
「爆走デコトラ伝説 〜男花道夢浪漫〜」 がフリーズしたりします。また,ゲームによっては「アレの処理落ちって,本当は起こっちゃいけないんだよ」や「アレの市販バージョンって,開発環境では想定しなかった挙動をするんだよね」みたいな裏話があったりもしますので,「“ちゃんと動く”とはどういうことだろう?」という定義問題も難しいところです。
Playmajiが公称する互換率は
「90%」 。“九割”と言うと「ほとんどすべて」に感じられますが,実際のところ“10%非互換”は結構な数です。
10%ハズレということは,美少女ゲームのトレーディングカードを1ダース入りBOXで買ったら,うち1,2袋が「世界農林水産大臣トレーディングカード2000年度版」というくらいの確率です。
10%ハズレということは,マールボロを1箱買ったら,うち2本がヤガイの「ペンシルカルパス」だというくらいの確率です。いえ,これは微妙にオトクかもしれません。
中国故事によると,燕(えん)の薊(けい)に住んでいた数学者が「スパロボの命中率90%って数字から思うよりも当たらんもんだよね」と言っていたとか言ってなかったとか。
でも逆に,「うまく動かないほうが普通」と考えるとどうでしょう。
プロ野球で「4割打者」と呼ばれる選手はヒーローです。それが「9割打者」だったら神です。
「ぎょうざの満洲」のキャッチコピーである「3割うまい!!」(3割“増しで”美味しいの意)が「9割うまい!!」だったら,もうほとんど倍うまいってことです。餃子1皿で白米3杯イケます。
そんな“90%”に対して「互換機でその水準なら十分っしょ」と理解・納得できる人なら買って損は無いでしょう。購入すると,駿河屋やブックオフの光学メディア系レトロゲームの棚で「今遊ぶにはなあ……」と思っていたソフトのうち9割が,輝きを増して見えてきます。
「プレイのために環境を整えるほどじゃないけど,簡単にプレイできるなら遊びたいゲーム」はいろいろあるはずです。そうでなければ,近年のレトロゲーム復古移植ブームも無いわけですし
逆に「5万円も払うんだから思ったとおりに動くのが当然」と考える人なら,やめておいた方が賢明です。感覚的にはプラモデルの「説明書通りに組み立てただけなら見本写真に見劣りする物が普通にできます」みたいなテイストに似ています。
といった感じでPolymegaはけっこう人を選ぶ仕様なわけですが,価格面でのベネフィットは明らかに大きいんですよね。Polymegaの「ベースユニット+ワイヤレスコントローラ」エディションは冒頭でも述べたように定価5万1937円。別売りのモジュール4種が各9138円。「ベースユニット+ワイヤレスコントローラ」とモジュール4種のセットが7万5071円。レトロゲーム互換機としては「対応プラットフォームは限られるもののハイクオリティ」なAnalogue製品と肩を並べるトップクラスの高級品……ですが,PlayStationは3万9800円,セガサターンは4万4800円,ネオジオCDは4万9800円,メガドライブ+メガCDは6万800円,PCエンジン+CD-ROMユニット+インターフェースユニットは8万4600円(に,スーパーシステムカードに, アーケードカードPROに……)と,ひとつの環境を揃えるだけで5万円前後が吹っ飛ぶ価格でした(いずれも最初期の価格/税別)。
Polymegaが高価とはいえ,それらのソフトうち90%を,たったの5万円でプレイできると考えたらドチャクソお得です。そう,プリインストールソフトも含め,ざっくり元の価値が30万円分と考えて,その90%で27万円分の権利っつうかプロフィットっつうかを5万円で買えるってことですから,何もしないで22万円もらったのと同じことです。Polymegaを買うだけで実質22万円の得なんですよ。さんすうとかけーざいとか的にかんがえると,そういうことなんです。22まん円も得したら,いっぱいゲームをかえますね。さんすうができるとそういうことがわかりますからね。
なおPolymega公式サイトのFAQで,将来的な目標としてはドリームキャスト,ニンテンドウ64,3DO,CD-i,ゲームボーイ/カラー/アドバンス,Amiga CD32,Atari 2600などのソフトもサポート範囲に含めたいという旨が述べられています。つまりこれからどんどんおとくになるかのうせいがあるってことですね。32びっとCPUが2つで64びっと級マシン的なさんすうでいうと,ちょーおとくってことですね。