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イベント
東京タワーのeスポーツ施設,「RED°TOKYO TOWER OPENING CEREMONY」がオープン。「FF15」の田畑氏とのメタバース開発も明かされた,オープンイベントをレポート
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●オープニングセレモニー(第一部)参加者(登壇順)
・前田 伸氏(TOKYO TOWER 代表取締役社長)
・武井雅昭氏(港区長)
・原 康雄氏(東京eスポーツゲート代表取締役社長)
・古屋圭司氏(自由民主党モータースポーツ議員連盟会長 衆議院議員)
・荒木ちはる氏(都民ファーストの会代表 東京都議会議員)
・関本なこさん(MC)
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●オープンイベント(第二部)参加者(ゲストは五十音順)
・岡田結実さん(ゲスト)
・デヴィ・スカルノさん(ゲスト)
・YOSHIさん(ゲスト)
・ROLANDさん(ゲスト)
・吉村 崇さん(MC 平成ノブシコブシ)
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「RED゜TOKYO TOWER」は,東京タワーの“足元”である東京タワー・フットタウンに2022年4月20日からオープンしたeスポーツ施設。東京タワー・フットタウンの3・4・5階を使い,VRゲームやボードゲーム,謎解きゲームにドローン競技など,さまざまなエンターテイメントを楽しめる。2022年6月には1階にカフェやレストランもオープンする予定だ。4Gamerでは3月に行われた内覧会を取材。5階の様子をお届けしているので,興味のある人は記事をチェックしていただきたい。
東京タワーの“足元”に誕生する「RED゜TOKYO TOWER」内覧会レポート。eスポーツからボードゲームまで,さまざまなゲームを楽しめる
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東京eスポーツゲートは,2022年3月3日に東京タワー・フットタウンにおいて「RED゜TOKYO TOWER」先行内覧会を開催した。東京タワーの“足元”にあるフットタウンで4月20日に開業するeスポーツ施設で,様々なゲームを楽しめるという。内覧会の様子をお伝えしていこう。
オープニングセレモニーでは,東京eスポーツゲート代表取締役社長である原氏と来賓4名がそれぞれに思いを語った後,テープカットを行った。
●原 康雄氏
「eスポーツの規模は拡大しているが,日本のeスポーツは海外のそれにまだ距離がある。eスポーツを単なるビジネスとしてだけでなく,教育的な側面も発信していきたい。施設だけでなくいろいろな事業を展開していきたいので期待して欲しい」
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●古屋圭司氏
「RED゜TOKYO TOWERは,間違いなくeスポーツの新たなランドマークになっていく。eスポーツに取り組む学校の数も増え,メジャースポーツとなりつつあるので,応援したい。名前だけでなくしっかり参画し,皮膚感覚として予算や制作に反映したい」
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●武井雅昭氏
「eスポーツは世代や性別,障害の有無などを越えて楽しめる素晴らしいジャンル。港区としても普及に力を入れており,企業からもさまざまな提案がある。eスポーツの将来に期待したい」
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●荒木ちはる氏
「東京のシンボルである東京タワーに,リアルとデジタルの融合を推進する起点,発信の拠点として期待したい。デジタル空間におけるさまざまな取り組みは日本の成長産業でもあるので,東京都議会を挙げて応援したい。全国の人が訪れる場所にもなって欲しい」
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●前田 伸氏
「元々アナログ放送の送信設備や,白黒放送をしていたスタジオ,蝋人形館があったこの場所が,eスポーツの新たな聖地としてスタートを迎えたことについて,本当に嬉しく感謝している」
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イベントの第二部では,原氏が新たな構想を2つ発表している。「FINAL FANTASY XV」でディレクターを務めた田畑 端氏が率いるJP GAMESとの業務提携による,メタバースプロジェクト。そして,ブロックチェーンを用いたRED゜TOKENだ。
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このメタバースは「ゲームがこの世界のルール」「誰もがヒーロー/ヒロインに」「ユーザーとつくる,かつてないエンタメストーリー」という3点がキーワードになるようだ。原氏によれば,RED゜のメタバースは「ゲームをテーマにしたメタバース」であり「ゲームという傘の中に,アニメや漫画,音楽,ファッション,パフォーマンスなど,さまざまなエンターテイメントの要素を盛り込む」ものだという。「ファイナルファンタジーなどのゲーム中で釣りやライブを楽しむのに似ている」世界観を持つものだという。RED゜TOKYO TOWERの配信施設や,東京タワーの駐車場,港区の公園などを活用したフェスも考えているとのことだ。
原氏は「メタバースといえばファイナルファンタジーだろう」というイメージの元,田畑氏に依頼をするも最初は断られてしまったそうだ。それでも,粘り強くラブコールを送ることで,やっと協業にこぎ着けたのだという。
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こうしたメタバースとリアルが融合した中を行き交うのが,ブロックチェーン技術による“次世代の体験通貨”RED゜TOKENだ。イベントでは詳しく語られなかったが,公式サイトやホワイトペーパー(外部リンク)によると,さまざまな事業者が商品やサービスのブランディング,プロモーション,販売をRED゜TOKENで行えるという。リアルやメタバースでのユーザー体験をブロックチェーン技術で記録することにより,「アソビの熱量」(趣味・嗜好)を可視化,これを用いたマーケティングなどもなされていく。こうした経済圏が「RED°トークンエコノミー」と呼ばれている。
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RED゜TOKENは「アソビの熱量が高ければ高い人ほど,より多くのトークンが集められるような仕組み」が構想されているという。RED°トークンエコノミーではRED゜TOKENとNFTを併用。「報酬として入手したRED゜TOKENを誰かに渡して応援する」「RED゜TOKENでさまざまな機能を開放したり,イベントで特別な機能を持つNFTを購入する」といった使い方ができるという。また,「RED゜TOKENでNFTを購入してeスポーツイベントに参加し,賞金はRED゜TOKEN やNFTで支払われる」といったシーンが想定されている。
RED゜TOKENとNFTを使った活動履歴は記録され,そのユーザーがどんな“アソビの熱量”を持つかを分析して「TOKEN GRAPH」を作成。嗜好の近い者どうしをマッチングしたり,TOKEN GRAPHでファンのランク付けを行ったりして,ロイヤリティマーケティングに役立てる,といった活用法が想定されているそうだ。
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さまざまなアクティビティが楽しめる新公開フロア
セレモニーのあとは,平成ノブシコブシの吉村さん司会のもと,岡田さん,“デヴィ夫人”ことデヴィ・スカルノさん,YOSHIさん,ROLANDさんが,各フロアから中継で体験レポートが行われた。岡田さんとYOSHIさんはトランポリンの上で自分がジャンプすると画面内のキャラクターも動く「VALO JUMP」で対戦して大喜び。岡田さんは「デートでここに来たら,距離感も縮まりそう。これから仲良くなりたい人を連れてくるのもいいんじゃないか」,YOSHIさんは「プライベートで他のフロアを見たい。ゲーミングPCもあるので,APEXをひたすらやりたい」と語った。
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フードやドリンクを提供する「RED゜STAND」では,金・土曜にROLANDさんプロデュースのメニューが提供されることが明かされた。ROLANDさんは,自分にとって4月20日は思い出深い日だと語る。ホストを辞めることを決意して東京タワーに登ったROLANDさんだが,夜景を見て「また頑張ろう」と再びやる気を起こすことができたのだという。もしも東京タワーに登っていなければ「現代ホスト界の帝王」としての現在はないわけで,印象深いエピソードといえるだろう。
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デヴィ夫人はポーカーや,本格的な機材を使っての「グランツーリスモ」に挑戦した。車を運転したことがないというデヴィ夫人,アクセルを踏み忘れてか時速40kmほどの徐行でサーキットを走ることに。それでも終始楽しげで,「1位になった人には何か賞品を出すといいんじゃないか」と提案した。
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オープンイベント終了後は,初お披露目となる3階と4階を取材することができた。様々なコンテンツが揃う中,印象的だったものについてお伝えしていこう。
●「INSPIRATION ZONE」(3階)
入場者が最初に訪れるのが3階。プロジェクションマッピングを使ったさまざまな演出で,不思議な雰囲気を味わえる。アーケードゲーム機も置かれており,「ワールドヒーローズ2」「KOF98」など懐かしいタイトルも稼働する。公式ショップ「RED° MART」では,アパレルなどのグッズも購入可能だ。
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●「ATTRACTION ZONE」(4階)
特にボリュームのあるフロア。「Obey Me!」とコラボした謎解きゲームやドローン,そして“身体を使うeスポーツ”を楽しめる。
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・「RED° DRONE」
小さなドローンを飛ばすことができる。地面に描かれた的に上手く着地させたり,広い空間を飛び回らせたりといった楽しみ方が可能だ。ゲームでもよく登場するドローンだが,実際に操縦すると意外に難しい。ランプの色で前後を把握するのがコツ。操縦しているうちにドローンが可愛らしく見えてくるのが不思議だ。
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・「CYBER BOCCHA S」
パラリンピックの正式種目でもある「ボッチャ」を楽しめる。白い目標球に向けて2人が交互に球を投げていき,近い方が勝ちとなる。「CYBER BOCCHA S」では,目標球との距離を自動で計測してくれるため,遊びやすい。天井に備えられたカメラによる画像認識が使われており,小数点以下まで測定可能だ。
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・「VALO JUMP」
エアートラックの上で跳ねると,画面内に取り込まれた自分も跳ねる。足場を登っていったり,頭突きで障害物を破壊したりと,色々なモードを楽しめる。エアートラックは柔らかく,思い切り飛び跳ねてもふわりと受け止めてくれる。ゲームの中には左右に動かなければならないものもあり,この時は実際にエアートラックの上で動く必要がある。腕の上下なども認識しているので,腕を振り上げて素早く障害物を破壊するといったテクニックも使えるのが面白い。画面内にはカメラで捉えられた自分自身の姿が表示されるのでちょっと気恥ずかしい。
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・「VALO CLIMB」
壁に取り付けられた突起を手がかりや足場にして登るボルダリングとARを融合させたゲーム。壁に映像が投影されるのがポイント。投影されたビームのフェンスに引っかからないように登ったり,手足で順番に数字の書かれたアイコンに触れていったりといった遊びが楽しめる。ボルダリング好きにはたまらないはずだ。
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・「CYBER PLAYERS」
壁に映像が投影されるので,指定された位置にボールを投げる。バスケットのチームメイトにボールをパスしたり,的に書かれた番号順にボールを当てたりといったルールが存在する。左右に走り回ることになるため,運動量は結構多いと感じられた。
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・「SPIRIT OVERFLOW」
備え付けのバイク(自転車)を漕いで操作するゲーム。チームメイトと共に3対3の陣取りゲームに参加。自分が走った後にラインが引かれるので,丸く囲むと自陣になる。敵陣に突っ込んだり,敵にラインを遮られたりするとライフが減るので注意が必要。自陣を足場にして上手く囲んで広げつつ,敵のラインを遮って妨害する。「クイックス」と「スプラトゥーン」と映画「トロン」のライトサイクル競技を足したようなルールで,ビデオゲームとしての戦術性も高いと感じられた。
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・「SISY FOX」
運動会の大玉転がしを思わせるゲーム。台座の大玉を手で転がすことで画面内の大玉を操作,ゴールを目指す。大玉は結構大きく,転がしているといい運動になる。単に転がすだけではなく,コースに合わせて右や左へ曲がらなければならないのが面白い。
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・「VAR BOX」
台湾VAR LIVE社のアーケード用ゲーム機が設置されている。都内のゲームセンターでテスト稼働していたので,見たことがある人もいるかも知れない。HMDとガンコントローラで遊ぶガンシューティングで,ゾンビを倒したり,撃ち合いの対戦を楽しめる。筐体はコンパクトにまとめられており,大型ディスプレイのおかげで周囲の人もプレイ風景を楽しめ,ゲーム内空間での移動もワープ式……と,これまでのVRゲームを研究したうえで遊びやすくまとめられているという印象だ。スマホアプリと連携して指定のモードを遊ぶことでランキングに参加でき,今年の11月には成績上位者によるオフライン大会も予定されているそうなので,スマホの用意を忘れずに。
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RED゜TOKYO TOWERは時間制で,土日祝と平日,窓口とネット予約で料金が異なる。予め公式サイトなどでチェックしておこう。
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「RED゜TOKYO TOWER」公式サイト
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