紹介記事
「Warcraft Arclight Rumble」は,“タワーオフェンス”でWarcraftのキャラクターたちが戦うモバイルゲーム。プレス向け発表会をレポート
ゲームディレクター&ヴァイスプレジデント トム・チルトン氏 |
シニア3Dアーティスト ジャスティン・ヘイマー氏 |
Warcraft Arclight Rumbleは,モバイル向けのアクションストラテジーだ。「Warcraft」シリーズは,RTS「Warcraft」やMMORPG「World of Warcraft」で知られている。中でも海外で2004年から約18年サービスが続いている「World of Warcraft」は世界的な人気タイトルであり,MMORPGを黎明期から追っている人なら,プレイしたことはなくてもその名は聞いたことがあるだろう。
本作は,そんなWarcraftシリーズのスピンオフ的な位置づけのタイトルとなる。惑星アゼロスの各地で,アーケードゲーム機かピンボール台っぽい,ノームの先端技術で作られた装置(つまり本作)が出現。これにコインを入れると,ヒューマンやオークなどシリーズでお馴染みのキャラクターたちのミニチュアが組み立てられ,彼らを使ってのバトルが楽しめる。アゼロスの住人は,種族を問わずこのゲームにメロメロ……という感じで,これまでのシリーズとはひと味違う,明るくポップな内容だ。
本作のジャンルは,タワーディフェンスならぬ“タワーオフェンス”であるという。プレイヤーの目的は,自軍の本拠地を守りつつ,敵の本拠地を陥落させること。複数のレーンが存在するマップに,味方ユニットとなる「ミニ」を配置し,軍勢でのバトルを展開する。
ミニには,高貴なる「アライアンス」,獰猛な「獣」,ネクロマンサーの「アンデッド」,力強い「ホード」,気炎を上げる「ブラックロック」の5系列が存在する。時間経過で溜まっていくゴールドを支払って配置すると,敵を倒して本拠地を破壊すべく,レーンを前進していく。敵が来るのを待つのではなく攻勢に出るため,タワーオフェンスと呼んでいるようだ。
マップ上にはさまざまなオブジェクトが存在し,占領すると有利な効果が得られる。「Warcraft III」を思わせる「Mine」からはゴールドが得られ,「World of Warcraft」でお馴染みの「Meeting Stone」は新たな出撃拠点となるなど,オブジェクトの活用がキーになっていくのだろう。
ミニ達を率いるのが「リーダー」だ。場所を指定してスペルで攻撃するといった,マップへの直接的な干渉だけでなく,航空ユニットのコストが下がるなど,さまざまな能力を持っており,誰を選ぶかで戦略が大きく変わってきそうである。また,自軍はカスタマイズが可能で,ミニの編成や,ヒーローのスキルなどを編集できるという。
本作では,70以上のミッションが用意されたシングルプレイキャンペーンが楽しめる。もちろん,これに加えて,友達との協力プレイや対戦も存在するそうだ。
本作で目を惹くのが,ポップで楽しげなムードだ。グラフィックスのタッチは明るく,キャラクターもデフォルメされていて,ボードゲームっぽい雰囲気となっている。“ゲーム機の上でミニチュアが戦う”という設定と合わせて,幅広い年齢層を対象にしている感がある。
シニア3Dアーティストのジャスティン・ヘイマー氏いわく「皆が集まる場所にあるアーケードゲームの世界」を意識し,ユニークさや楽しさを演出しているという。ライトな雰囲気漂うモバイルシミュレーションといえば,さまざまな強豪タイトルがひしめく激戦区だが,そこにRTSで名を馳せたBlizzard Entertainmentが殴り込みを掛けるということで,注目を集めることになりそうだ。
近年のRTSは対人戦に注力するものが多いが,本作では1人プレイと対人戦のどちらかをフォーカスするのではなく,それぞれで異なった体験が楽しめるよう設計しているとのこと。1ステージのプレイ時間は数分ほどで,短い時間で満足を得られるような作りを目指しているようだ。
Blizzard Entertainmentといえば,古くは「StarCraft」,新しくは「オーバーウォッチ」など,さまざまなタイトルでeスポーツ展開に注力している。本作がどうなるか気になるところだが,eスポーツにどう取り組んでいくかはまだ明確に決めていないという。今後行われるβテストで,プレイヤーコミュニティが何を求めるのかが判断基準になるそうだ。
Blizzard Entertainmentが持つ「every voice is matter(あらゆる声が重要だ)」という理念の元に,プレイヤーコミュニティからの意見を重視し,ゲームの改良やサービスの提供に役立てていきたいと話していた。
「Blizzard Entertainmentがモバイルで新作を出すらしい」「World of Warcraftのモバイル版じゃないか」という噂は出ていたものの,そこにWarcraftの名を冠した明るくポップなタイトルが出てくるというのは,正直予想外だった。ゲームの作り込みには定評のあるBlizzard Entertainmentが,同社の顔であるWarcraftのIPを使うということで,力が入ったゲームが出てくることを期待したい。
- 関連タイトル:
ウォークラフト ランブル
- 関連タイトル:
ウォークラフト ランブル
- この記事のURL: