業界動向
コーエーテクモゲームス,中国・杭州绝地科技股份有限公司を相手とする著作権侵害訴訟で和解
この一件は2020年1月の記事でお伝えしたとおり,Bekko.comというブランド名で「我が天下」「戦国布武〜我が天下戦国編〜」「三国炎血伝」といったスマートフォン向けのアプリを配信・運営している杭州绝地科技股份有限公司が,アプリのWeb広告などに,コーエーテクモゲームスの「真・三國無双」「信長の野望」「三國志」,「太閤立志伝」といったゲームソフトの音楽やゲーム画像を許諾なく継続的に使用しているとして,同社が訴訟を東京地方裁判所に提起したもの。
今回の発表によれば裁判所は,被告の配信するスマホ用ゲームアプリである「我が天下」「戦国布武」および「三国炎血伝」に関する広告画像13種および広告動画1種について,コーエーテクモゲームスの著作権,著作隣接権,および著作者人格権を侵害するものであり,その態様も悪質といわざるを得ないと判断すると述べたうえで,以下の条件による和解を勧告したという。
※以下,プレスリリースより
(1)被告は、当社に対し、被告画像及び被告動画の利用が、当社の著作権、著作隣接権及び著作者人格権を侵害することを認め、当該利用について謝罪する。
(2)被告は、当社に対し、解決金として金500万円を支払う。
(3)被告は、和解成立日時点で、被告画像及び被告動画のデータが被告の保有するすべての記録媒体から抹消されていることを誓約する。
(4)被告は、被告画像の公衆送信及び被告動画の送信可能化(インターネット上にアップロードすること等)を行わない。
被告からは侵害を認めたうえで和解の申し入れがあったが,コーエーテクモゲームスはこれを受け入れることなく,自社の著作権等を侵害している旨の判決を求めてきたとのこと。今回,裁判所から示された和解勧告で侵害の事実が認められ,その態様についても悪質であると判断されたこと,被告が侵害を認め,和解条件を受け入れたうえで謝罪していることなどから,今回の条件による和解であれば自社の知的財産権保護の方針に沿うものであると判断し,和解を受け入れることにしたという。
コーエーテクモゲームスのプレスリリース「和解による著作権侵害訴訟の解決に関するお知らせ」(※PDF)
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