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「オリンピックeスポーツウィーク2023」を支えたアリババクラウドが目指す,サステナブルなeスポーツイベントを運営するためのサポートの形
「オリンピックeスポーツシリーズ 2023」は,国際オリンピック委員会(IOC),国際競技連盟(IF),ゲームパブリッシャの連携によって生まれた,世界規模のバーチャルシミュレーションスポーツ競技大会だ。正式競技はアーチェリーや野球,モータースポーツ,チェスなど10種目で,3月より各国/各地域にてオンライン予選が行われた。その決勝の地に選ばれたのは,シンガポールの中心地にあるサンテック・シンガポール国際会議展示場だ。
OEW 2023は,シンガポールの文化コミュニティ青年省,シンガポール・スポーツ評議会,シンガポール国内オリンピック委員会(SNOC)の協力のもと開催された。「WBSC eBASEBALL パワフルプロ野球」を使用した野球や「グランツーリスモ7」を競技タイトルとしたモータースポーツなど正式競技10種目の決勝のほか,「ロケットリーグ」「ストリートファイター6」など5種目のエキシビションマッチ,競技タイトルの体験ブース,eスポーツをテーマとしたパネルディスカッションやラウンドテーブルなども行われ,競技大会としてだけではなく,eスポーツおよびバーチャルスポーツの将来に向けた4日間となった。
アリババクラウドは,2017年にワールドワイドオリンピックパートナーとなって以降,クラウドサービスやeコマース,チケット販売,デジタルメディアプラットフォームなどの技術支援を行ってきた。2021年6月には,クラウド上で放送される最初のオリンピック大会となった東京2020にて,オリンピック放送機構(OBS: Olympic Broadcasting Services)の放送サービスをサポート。翌年の2022年2月に開催された北京2022では,さらなる各種サービスのクラウド移行を支援している。
東南アジアは,eスポーツ市場が急成長している地域のひとつとして知られており,海外ゲーム市場調査会社Newzooの調べによると,調査対象となった都市のオンライン人口の82%をゲーマーが占めている(Newzooの該当のトピックス)。シンガポールはeスポーツおよびバーチャルスポーツに積極的であり,オリンピックとeスポーツその両方の成長を支える企業であるアリババクラウドは,「新しいアイデアを試すチャンス」として,オリンピック初となる大規模なオンサイトのeスポーツイベントであるOEW 2023に注力したという。
OEW 2023で導入された新しいアイデアが,AI技術を活用したCO2排出量分析の支援ツール「エネルギー・エキスパート」(Energy Expert)だ。2022年6月にグローバルローンチされたツールにて,会場内に設置された仮設建築物のCO2排出量の測定や分析を実施。エネルギー消費量や廃棄物管理,看板や装飾の影響を含む一連の測定基準を評価した。
また,来場者向けには,「Discover Carbon Footprint」というWebアプリケーションを公開。会場内にあるモニターやキーボード,ヘッドセットなどを撮影すると,対象の商品の原材料調達から廃棄,リサイクルに至るまでのCO2排出量が表示されるというもので,ゲーマーが日常的に触れるものをとおしてカーボンフットプリントの認知を広げる目的で取り組んだという。
こうしてエネルギー・エキスパートは,オリンピック・アジェンダの一つである持続可能性を実現するためのサステナブルソリューションであり,eスポーツコミュニティを支えるファンエンゲージメントツールとしてもフルに活用された。集められたデータは,今後の大会運営におけるエネルギー使用量の削減を進めるうえで検討されるという。
経済のグリーン化を率先し,2030年までに100%クリーンなエネルギーでクラウドサービスの電力を賄い,カーボンニュートラルの達成を目指しているアリババクラウドにとって,eスポーツ業界における初の大規模な国際プロジェクトとなったOEW 2023。仮設工事のカーボンフットプリントは274t-CO2eと推定され,看板の60%を印刷物からデジタルに置き換えることで14t-CO2e,カーペットの50%を再利用することで10t-CO2eのCO2排出量の削減を実現したという。
デジタル製品はまだCO2排出量の基準がなく,計算や測定の課題はまだあるが,デジタル時代のオリンピックの変革(デジタル・トランスフォーメーション)の支援を行うIOCのパートナーとしてはもちろん,eスポーツイベントの運営を持続可能でスケーラブルな形でサポートするうえでも,OEW 2023は有意義なものとなったようだ。
オリンピック公式サイト「オリンピックeスポーツシリーズ2023」ページ
アリババクラウド公式サイト
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