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印刷2023/10/31 12:00

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「資産性ミリオンアーサー」と「SYMBIOGENESIS」のキーパーソンが,NFTホルダーからの質問に回答。制作者Q&Aセッションをレポート

 スクウェア・エニックスは2023年10月20日,同社のブロックチェーン・エンタテインメント事業部の企画によるコミュニティイベント「SQUARE ENIX GameX Community Party Vol.1」を東京都内で開催した。
 同イベントより,NFTプロジェクト「資産性ミリオンアーサー」「SYMBIOGENESIS」のキーパーソンが登壇したトークセッション「渡辺P×玉手P×豊田CD プロデューサートーーク!」をレポートする。

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 スクウェア・エニックスのWeb3イベント「SQUARE ENIX GameX Community Party Vol.1」で行われた講演「ゲーム業界から見たWeb3の未来と可能性」の聴講レポートをお届けしよう。同社のWeb3ゲームに関わる齊藤陽介氏,藤澤 仁氏,畑 圭輔氏の3名が,Web3の現状や今後について意見を交わした。

[2023/10/31 12:00]

 同セッションは,「資産性ミリオンアーサー」プロデューサーの渡辺 優氏,「SYMBIOGENESIS」プロデューサーの玉手直之氏とクリエイティブディレクターの豊田洋輔氏が,ホルダーやコミュニティメンバーから寄せられた各タイトルへの質問に答える形で進行した。モデレーターを務めたのは,LCA GAME GUILD マーケティングディレクターの川口美樹氏だ。

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資産性ミリオンアーサー


(C)SQUARE ENIX
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 渡辺氏への最初の質問は,「現在のゲーム性は,シールをコレクションしたり,デコレーションしたりすることがメインだが,将来的にマンネリ化する恐れがある。たとえばバトルコンテンツのようなものを実装する予定はあるのか」というものだ。
 渡辺氏は,「今後のロードマップとして,完全に決めているわけではないが」としつつ,「コレクションや,シールのカスタマイズの部分はあまりずらすことなく,引き続き皆さんに楽しんでいただきたい」と回答した。
 マンネリ化対策としては,個人的にバトルコンテンツを作りたいと考えているとのこと。渡辺氏自身はローグライクゲームを好んでプレイしているそうで,ステータスが上下したり,アイテムを付け替えて強くなったり,ダンジョンに入るごとに敵の配置が変わったりといった要素を導入できないかと,ディレクターに相談しているという。
 バトルに使う資産は,新たに購入するよりも,NFTホルダーがすでに所持しているものを活用する方向で考えているそうだ。またシールのカスタマイズが,バトルに反映されることも考えているとのこと。

渡辺 優氏
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 続いての質問は,「☆5ギアシールがマーケットで300円割れしている。☆5ギアシールの制作コストとマーケットでの価値のギャップを,今後どうやって埋めていくのか」
 まず渡辺氏は価格について,「マーケットはユーザーが製造したNFTを任意に出品しているので,我々が価格について口を出すことはできない」と回答。その一方で,これまでにキャラクターシールを17万枚以上,ギアシールを135万枚以上,NFTとして発行していることに言及し,「NFTをバンバン作れるのは楽しいが,その一方で作ったNFTを所持しておくか,バーン(償却)するかというリスクとリターンを天秤に掛けられるようにすれば,新しい体験を提供できるのではないか」とも話していた。そうやってユーザーと一緒にNFTの価値を作り上げていくことを,渡辺氏は新しい体験だと感じているという。

 最後の質問は,「周年企画として提供している謎解きを,1人では絶対解けない超高難度にしてユーザー以外にもアピールできないか」というもの。
 渡辺氏は,ユーザー3名が立ち上げたオープンチャットやX(旧Twitter)上で,その謎解きが非常に盛り上がったことに感謝を述べ,自身やスタッフも謎解きが好きなこともあって「勝手に企画し始めようと思っている」と回答。「何らかの形で『資産性ミリオンアーサー』の謎解きを提供することで,謎解きファンの皆さんがNFTに興味を持ったり,『資産性ミリオンアーサー』のユーザーが謎解きを楽しむことで新しい趣味が広がったりするといいなと考えている」と語っていた。

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「資産性ミリオンアーサー」公式サイト



SYMBIOGENESIS


(C)SQUARE ENIX
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 「SYMBIOGENESIS」に関する最初の質問は,「小説やゲームなど膨大な量のシナリオが存在するなかで,自分の作ったものに既視感を抱いてしまうことはないか。そこから新しいものを作り出すことの葛藤はないか」だ。
 豊田氏は,「小さいころからずっといろいろ作品を見てきたので,それらの影響を受けている。これまでのクリエイティブ制作でそれらを自分のなかで消化してきたことが,今に活きていると思うし,そこは自分のメインエンジンでもある。そこから生ずる直感を信じて作っている」と回答。とくに「SYMBIOGENESIS」は,新しいものとして作っているので,「すごくワクワクして楽しい」と話していた。
 また葛藤に関しては,「ものすごくいいアイデアが浮かんだとしても,ほかのアイデアを生かすことにつながらないときの取捨選択に,すごく葛藤を感じる」とのこと。そういった局面では,玉手氏を筆頭とするほかのスタッフと相談しながらチームとして判断するそうだ。

豊田洋輔氏
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 玉手氏は,豊田氏が「SYMBIOGENESIS」の物語やアート,音楽などすべてのディレクションを手がけていることを紹介した。
 本作は,登場する1万体のキャラクターそれぞれにストーリーが存在することがセールスポイントの1つとなっているが,それらストーリーを作っているうちに別のアイデアが出てきて,内容を変更することもあるという。そうした豊田氏らのディスカッションを聞いているという玉手氏は,「このキャラクターはこうやって生きてきたんだ,浮遊大陸の人たちはこうやって生きているんだ,だからこうなったんだという解釈を,誰よりも早く楽しんでいる」と話していた。

玉手直之氏
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 次の質問は,「すべてに意味があって,本筋があって枝葉があり,さら伏線を回収するシナリオをどのように設計しているのか。1万体もキャラクターがいると,ストーリーに矛盾が生じないか」というもの。
 豊田氏によると,ルールを決めて落とし込んでいったとのこと。具体的には,まず種族などの大枠を作り,次に種族内のジョブ,さらに個人名を決めていき,そのメソッドと作られた世界観を資料としてまとめてシナリオチームに提示したそうだ。下位の情報に変更があった際,それに合わせて上位の情報を修正するといった調整も随時行っているという。

 また「SYMBIOGENESIS」のシナリオは,藤澤 仁氏が代表を務めるストーリーノートと共同制作を行っているのだが,豊田氏は「(自身の)クリエイター人生最強と言っていいシナリオチーム」と絶賛し,「一緒に作っていくなかで,すごいものができるんじゃないかという実感がある」と話していた。

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 「浮遊大陸の未来を決める『ワールドミッション』は,いつごろになりそうか。またワールドミッション終了後の展開を現時点で考えているか」という質問も出た。

 玉手氏は,「SYMBIOGENESIS」が6章で構成され,そのあとにワールドミッションが発生すると回答。ワールドミッションには全プレイヤーが参加可能で,そのなかから選ばれた3名が浮遊大陸の未来を決めるという。1章あたり約2か月遊べる内容となっており,また章ごとのプロモーションに2か月程度掛ける想定となっているため,全6章が終わるのは2年ほど先になる想定とのこと。
 また,玉手氏によると,「SYMBIOGENESIS」はWeb3から始まるIPという構想があり,本編では描かれない設定なども結構あるそうだ。そのため,「楽しい」「面白い」という評価が得られるとさまざまなコンテンツという形で物語を作っていけるという。
 その話を受けて,豊田氏は「ファンが生まれて,IPとして成立したら」という前提のもと,「BCGのオープンワールドで,皆さんに『SYMBIOGENESIS』を楽しんでほしい」と語った。

トーク中,「SYMBIOGENESIS」のアプローチやクリエイティブを絶賛するNFTホルダーからのメッセージが紹介される場面も
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 セッションの最後には,渡辺氏が「資産性ミリオンアーサー」について,「ようやくリリースできた段階。今後は購入いただいたNFTを使った新しい体験をまだまだ提供していきたい」とコメント。また玉手氏と豊田氏は,「SYMBIOGENESIS」のサービスインに向けて開発を続けていくとし,IPとして育てていきたいと意気込みを見せていた。

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「SYMBIOGENESIS」公式サイト


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