インタビュー
[インタビュー]来年はWeb3ゲームで何か成功作が出て,日本での認識が変わると思います―――Web3プラットフォームに注力していくWemadeが語る,ブロックチェーンゲームのありよう
古くからPCオンラインゲームを追っかけている人であれば,おそらく名前を聞いたことがあるであろう「Wemade」は,日本では最近あまり派手に名前を聞かないが,本家韓国では,その強さはいまだ健在だ。今年のG-STARでもメインスポンサーとしてNCSOFTと並び,会場内に広大なブースを構え,自社タイトルをアピールしていた。
イメージどおりにPCオンラインゲームなどがまだまだ強いわけだが,昨今のWemadeは,その軸足を急速にWeb3方向へとシフトさせている。2023年の7月25〜26日に東京で開催されたWeb3カンファレンスである「WebX」にも,CEO自ら訪れて,講演をし,個別に懇談会も開催していた。
Wemadeが持つブロックチェーンプラットフォームの魅力とは。CEOヘンリー・チャン氏による懇談会でのスピーチと質疑応答をレポート
2023年7月25日,26日に開催されたWeb3カンファレンス「WebX」では,基調講演やセッションのほかに,企業による個別の懇談会も行われていた。7月25日にはWemadeのCEO ヘンリー・チャン氏による懇談会が実施されたので,氏によるスピーチや,質疑応答の内容をお伝えしよう。
しかし単に「Web3に対してやる気を見せている」とかそういう話ではなく,実際にWemadeでは「WEMIX」というWeb3プラットフォームをサービスしているし,来年にはMMORPGをブロックチェーンゲーム化してグローバルローンチさせる予定もある。
さらにそんなレベルの話には留まらず,ドバイ国際金融センターの「イノベーションハブ」(国際金融特区)とパートナーシップを締結し,1億ドル規模のグローバルWeb3ゲームファンドまでも共同で設立している。WEMIXを,ドバイ金融サービス機構の公認暗号資産として登録する手続きも進めているようだ(BitcoinやEthereumなど,まだ5種類しか公認されていない貴重なポジションだ)。
大小さまざまなアクションで,Web3方向へと大きく舵を切って推し進めている張本人が,CEOであるヘンリー・チャン氏だ。Wemadeという大きな会社のCEOであるにも関わらず,G-STAR期間中にインタビュー時間をもらうことができた。
チャン氏の,Web3に対する考え方の片鱗を,少しだけ聞いてみよう。
4Gamer:
前回に引き続き,今回もお会いできて嬉しいです。お時間とっていただきありがとうございます。
チャン氏:
いえいえこちらこそ,釜山にまで来てもらってありがとうございます。
4Gamer:
しかし,ちょっと離れたところから改めて見ていると,最近のWemadeはWeb3の会社になっているのかなという気がしているのですが,その認識は合ってますか?
チャン氏:
はい,合っています。ただ,おそらく今の質問だと「オンラインゲームとWeb3が分かれて進化していく」感じを想像していると思うんですが,「オンラインゲームにWeb3を加えている」と捉えてもらえると嬉しいです。
4Gamer:
なるほど。ではWeb3にも注力しているということで改めてお聞きしたいのですが,Web3ゲーマーの大半はアジアにいると言われていますよね。MIR4(ミル4)はグローバルでローンチしていますけど,現時点では欧米はマーケットとして期待できないような気がしてるんですが,実際はどんな感じですか?
WemadeのCEO ヘンリー・チャン氏によるセッション「ブロックチェーンゲームの挑戦:ゲーム業界の障壁を突破するか」をレポート
2023年7月25日,東京国際フォーラムで開幕したWeb3カンファレンス「WebX」において,WemadeのCEO ヘンリー・チャン氏による「ブロックチェーンゲームの挑戦:ゲーム業界の障壁を突破するか」というセッションが行われたので,その模様をレポートしよう。
チャン氏:
なるほど。そこはちょっと誤解がありますね。MIR4グローバル版の動きを見ていると,もちろんフィリピンやブラジルは多いんですが,次に続くのはアメリカとイギリスです。ほかのヨーロッパ諸国でも結構数は増えてきていますよ。
4Gamer:
あれ,そうだったんですね。不勉強でお恥ずかしいです。
チャン氏:
今,ヨーロッパでWeb3ゲームがあまり人気ないというのはそのとおりだと思いますが,それは規制だったりカルチャーだったりそういう理由ではなくて,単に「面白いゲームがないから」ではないかなと思っています。
なので,欧米のゲーマーの好みに合うWeb3ゲームが出たら,十分人気が出ると思います。弊社のMIR4が,グローバルで大きく成功することを期待しています。
4Gamer:
グローバルという話であれば,「STEPN」以降のメガヒット作はまだ産まれていないですよね。全体の投資額は上向きですけど,マーケットとしてはちょっと落ち着いたイメージがあります。そんな中で,チャンさんはWeb3の業界やマーケットは,これからどんな方向に動いていくと思いますか?
チャン氏:
Web3ゲームの場合,日本はもちろん,韓国と中国以外のほとんどの国で規制がないわけですが,フィリピンを中心にしている東南アジアや,ブラジルを中心とする南アメリカが,より良いマーケットになった理由は,経済的に小さな金額を受け入れやすい土壌があるからです。
さらにそれに加えて,どちらも若者の人口が多いので,先進国よりもポジティブに受け入れられているのです。
4Gamer:
すごく納得できます
チャン氏:
いま申し上げたように,MIR4グローバルの場合もフィリピンとブラジルのプレイヤー数が多いですが,売上から見ると,フィリピンが最も多く,その次はブラジル,その次がアメリカとイギリスとなっています。次は欧米にも広がっていくフェーズだと思います。
韓国で1位を取った「NIGHT CROWS」というMMORPGがあるんですけど,これは北米神話をモチーフとしたタイトルで,このタイトルなどは欧米のユーザーにもアピールできると思っています。ですのでこれは,来年3月にブロックチェーンゲームとしてリリースする予定でして,十分成功できるのではと期待しています。
4Gamer:
あれ? 韓国でサービスしている「NIGHT CROWS」は,ブロックチェーンゲームじゃない普通のMMORPGですよね。
チャン氏:
ええ。韓国ではWeb3ゲームは違法なので,国内ではブロックチェーンがないバージョンをサービスしています。
4Gamer:
それは,仮想通貨のありなしに関わらず,ブロックチェーン自体が違法なんですか?
チャン氏:
ブロックチェーンが違法なのではなく,ゲームを通してお金を稼ぐことが違法なんです。
4Gamer:
なるほど。ではお金を稼げないようにすれば「ブロックチェーンゲーム」そのものはローンチできるということですか?
チャン氏:
ゲームを通じて,ゲームプレイでお金を稼ぐことが違法なので,ブロックチェーンをゲームに適用すると,事実上お金を稼げることになり,その稼いだお金を現実のお金に変換することもできるわけで,実質ブロックチェーンゲームが違法というわけです。
4Gamer:
なるほど……。
これはチャンさんの個人的な見解でいいんですが,ブロックチェーンというテクノロジーとトークンは分離できないものだとお考えですか? そこが分離できればもっと幅が広がると思うんですが。
チャン氏:
基本的には,トークノミクスというものはブロックチェーンの基盤だと思います。つまり事実上切り離しできません。しかし,本当にあなたが質問したかったであろうことを考えてお答えするならば,「取引されないトークン」もありますから,そちらならご期待のことができるかもしれません。
4Gamer:
なんだか楽しそうな話になってきました
チャン氏:
例えば,「Wepublic wallet」というサービスがあります。Wepublicというのは,私たちのプラットフォームの名前で,WEMIXを活用したトークンプラットフォームであり,取引プラットフォームです。WEMIXを使ってはいますが,これは「取引できないトークン」を使用しているサービスで,このサービスを“透明社会プラットフォーム”と呼んでいます。
4Gamer:
その名の通り,社会的なサービスで使うんですか?
チャン氏:
そうです。例えば政党などですね。交換できないトークンを使うマーケットも,とても影響が大きいと思っていますから。
4Gamer:
確かに応用範囲が広そうですね。
チャン氏:
寄付とか,政党の議事決定とか,そういったことで透明な社会を実現するために活用できると思っています。例えば韓国では,小さな政党がWepublicを使っています。そこでは,党員の身元確認や身分認証にトークンを活用します。
取引されないトークンというのは,例えばそういうものですね。身元の認証をしたり,寄付の金額を管理したり。
4Gamer:
なるほど
チャン氏:
ブロックチェーン技術というのは,基本的に改ざんしたりコピーしたりできないですよね。「嘘」がつけないので,透明な政党の運営には,取引されないトークンが活用できるのです。
……といったところでさっきの質問に戻りますと,トークノミクスとブロックチェーンは分離できないんですけど,商業的なトークン市場と公的なサービスのトークン市場は,それぞれ発展可能性が高いと思います。
4Gamer:
ありがとうございます。
いま聞いててちょっと考えたんですが,日本でWeb3ゲームがまだブレイクし切れていない理由の大きな一つは,「お金」と密接に結びついてるという面もあると思うんです。もちろん人によってはそこが魅力でもあるわけですが,どうしてもネガティブな面も出てしまうと思います。そこをまず分離できた考えられたらいいのにな,と思ってたんですけど,なるほどそういう使い方は1つの出口になりそうですね。
チャン氏:
なるほど。おっしゃることは分かります。新しい技術は,新しい技術が受け取られるまでに時間が必要で,その過程でそれが疑問視されるという現象は,いつも起こることです。
おっしゃるように,日本人の好みに合うゲームにトークノミクスが適用されて,そのタイトルが成功したら,日本人のWeb3ゲームへの誤解も解決できることでしょう。
4Gamer:
そうなんですよね。結局まだ「トークノミクスにゲームをくっつけた」ものが多いので,現時点ではゲームとしてはちょっと難しいと言いますか。いまおっしゃったように「ゲームにトークノミクスをくっつけた」のであれば,ちゃんと理解されるのかもしれません。
チャン氏:
そこは完全に同意します。私たちがWeb3ゲームを作るなら,Web3ゲームの中で最も成功できるんじゃないかと思ってます。なぜなら,WemadeはWeb2ゲームの会社だからです。
おっしゃるように,今あるWeb3ゲームの会社は,ゲームから始まったのではなく,クリプトから始まっています。つまり,クリプトにゲームをくっつけるという方式でやっているわけです。我々Wemadeは,ゲームにトークノミスをくっつけているわけで,ゲームが面白くないと,そのほかの部分がよくても結局遊んでもらえません。
4Gamer:
先日,日本にいらっしゃったから分かると思うんですけど,日本のWeb3を取り巻く環境は,国家元首がWeb3のカンファレンスにコメントを発するという,なかなか前向きな状況なんですが,日本のWeb3のゲーム業界を,チャンさんはどう見ていますか?
チャン氏:
日本のWeb3は,ここ何年か動きがなかったんですよね。でも今年になって動き出したんですが,それはほかの分野みたいに“動きがなかった”のではなく,徹底的な準備をしていたのではないかと思っています。規制などがなくなったり緩和したりするのを見て,そう思いました。
4Gamer:
なんとなく“強いIT”の香りがするから乗っかってきてるという可能性もありますけどね……。
チャン氏:
そうですか?(笑)
韓国は熱情的で,熱したり冷めたり,その方向もどんどん変わっていますが,日本の場合は継続的に一つの方向に向いていて,守備一貫して準備してきた感じで,いまのところは最も良い形で規制などのフレームワークを作っていると思っています。私たちのようにビジネスをする者にとっては大変良い環境ですね。
4Gamer:
では外から見た時に,日本の市場で一番難しい点って,どこなんでしょうか。
チャン氏:
まず最初に思い付くのは,韓国に比べると相対的に非常に保守的ですね。ですから,何か確実なことが見えるまでは動かないというのが,日本で何かビジネスをするときに難しい部分だと思います。
4Gamer:
でも確実だと踏んだら早いですよ。
チャン氏:
そうですね(笑)。ですから来年はWeb3ゲームで何か成功作が出て,日本でのWeb3ゲームの認識が変わると思います。
4Gamer:
日本は,古くから家庭用ゲーム機が中心でそこからずっとここまで来ているゲーム業界なので,今まで積み重ねてきたパラダイムがすごく強いと思うんです。それをなかなか壊せなくて,今はたぶん過渡期なのかな,という気はしています。
チャン氏:
そういう部分も否定できない気はしますね。
4Gamer:
あとWeb3で言うなら,日本のゲーム会社は,特に大手がそうですが,一つの会社ですべての機能を賄おうとしてる気もしていて,法的な面とか税務面とかいろいろ現実的な問題もありますが,そういう部分もあってなかなか素早く動けないのかもしれません。とくにWeb3は,ゲーム開発以外にやらねばならないことがあまりにも多そうですし。
チャン氏:
そうですね。作ってプラットフォームに乗せて売ればいいというわけではありませんから,やるべきこと,考えるべきことが多いのはそのとおりだと思います。
4Gamer:
そんな状態で,例えば御社のWEMIXなんかもそうですが,ゲームを作ること以外の部分……例えばトークンの発行であったり,管理であったり,そういうことを全部第三者がやってくれるなら,発展が今以上に加速するような気はしています。
チャン氏:
新しいものに対して慎重になっている部分もあるとは思いますが,でも結局は,トークンを発行するプラットフォームがあって,それとゲームがつながるというのは,今みんなが使っているインターネットのように,ごく当たり前の世界になっていくと思うんですよね。
4Gamer:
あと何年くらいかかると思います?
チャン氏:
それに関してはちょっと恥ずかしい話がありまして,2年前に韓国で記者会見を行ったとき,同じような質問をされて私は「3年後くらいですかね」と言ったんです。
4Gamer:
2年前に「3年後」と言ったということは,来年ですね。
チャン氏:
さすがに難しそうですね(笑)。でも,今は自信を持って言えます。今から3年のうちに,そうなります。
……最近イーロン・マスクの本を読んでるんですが,あの人も自動運転について「すぐできますよ」みたいな感じで答えてましたが,そうはなりませんでした。その時に彼が言ったのは「僕は楽観的に見た時間軸で言っただけですよ」と。
4Gamer:
それと同じである,と(笑)。
チャン氏:
はい(笑)。まぁ真面目な話,Wemadeの内部データを見る限り,確実な上昇性を見せていますし,それはこれから加速すると思います。なので「今から3年以内」とは言えると思います。
4Gamer:
ではその“加速”のためにやるべきことは,なんだと思いますか?
“加速”するためのイベントですね。日本のスマホゲームにおける「パズドラ」のようなイベントです。そのイベントをMIR4で作ったんですが,うまくいきませんでした。うまくいかなかった理由は,プラットフォームです。
4Gamer:
と言いますと。
チャン氏:
MIR4でムーブメントを作り,プラットフォームを作りました。でもそのプラットフォームは,金融のシステムなどが整っていなかったので,結局うまくいかなかったのです。
4Gamer:
なるほど。ゲーム部分はできていたのに,それ以外がうまく整っていなかったんですね。
チャン氏:
はい。しかしこの2年間で,すべての要素を作りました。これからも,もっと進化する必要はありますが,必要な要素は完璧に作ったはずで,この状況で,来年3月に「Night Crows」のローンチをします。そこでコンテンツとプラットフォームがシナジーを作り,Web3ゲームの市場を開くことができる……そういう成果が出てくることに期待しています。
[G-STAR 2023]グローバル版「NIGHT CROWS」のエリアで,韓国版にはブロックチェーン要素を搭載できない事情を学んできた
WemadeはG-STAR 2023に,MMORPG「NIGHT CROWS」の説明コーナーを展開している。主に,2024年第1四半期(1月〜3月)にリリース予定のグローバル版で,新たに導入されるブロックチェーン要素について話を聞けた。韓国におけるブロックチェーンゲーム規制についてもお伝えしよう。
4Gamer:
昔のインターネットは,マニュアルを見ながらモデムを設定して,通信するためのアプリケーションやドライバを入れて……といった具合にいろいろなことをしなきゃいけなかったけど,いまインターネットを使うことを誰も意識してないですよね。Web3界隈もそういう風になっていくべきで,そのための“シナジー”だということですか?
チャン氏:
そうです! 私のはじめての仕事は,27年前にNexonという会社で始まりました。大学4年生の時です。そのときNexonは「風の王国」という,今で言うMMORPGをサービスしていたんですが,その時はインターネットにつなぐことはまだあまり一般的ではなくて,作品の成功は限られたものでした。
4Gamer:
「風の王国」,懐かしいです。
チャン氏:
その後1990年代の後半に,韓国で高速インターネットが普及し始めた時期に登場したのが「Lineage」(リネージュ)です。もちろんリネージュはコンテンツも素晴らしかったですが,高速インターネットの普及の波に乗って,大きな成功を収めることができました。
4Gamer:
新しいものが広がるときには,確かに“タイミング”も大事ですよね。
チャン氏:
ええ。この業界では,コンテンツとインフラがシナジーを作ることが,成功のために必要だと思います。そこがうまく一体化しないと,結局いつまでもキャズムを超えられないんですよね。
そして私たちは今,キャズムを超える準備ができていると思っています。
4Gamer:
Wemadeには,ゲームにトークノミクスを付加するゲーム会社らしいアプローチと,Wemadeが作るインフラを整えていくというアプローチと,Web3業界に対するアプローチは2つの軸があると思うんですけど,どちらに重点を置いていく感じですか?
チャン氏:
そこは当然,ブロックチェーンプラットフォームインフラに重点を置いていきます。3年後のWemadeは,完全にプラットフォーム会社となっていることでしょう。
4Gamer:
なるほど。ちょっとは考え込むかと思ったら即答でした。
チャン氏:
しかしゲームをうまく作る良いスタジオがあるので,そこは維持されるでしょう。
4Gamer:
お,そうなんですね。ちょっとよかったです。
チャン氏:
Valveと同じような感じだと考えてください。Valveの名声はCounter-Strikeで始まりましたが,今ではSteamの会社です。しかしそれでも,Counter-Strikeを捨てる理由はありませんからね。
4Gamer:
そしてプラットフォームになる最大のメリットは,即グローバルサービスができることですよね。
チャン氏:
ブロックチェーンは初めからグローバルですしね。韓国はブロックチェーンゲームをサービスできないので,Wemadeは今もグローバル会社です(笑)。
4Gamer:
サービスは出来ませんが,韓国はブロックチェーンゲームが結構盛んですよね。あれはなんでなんですか?
例えば日本だったら,日本でもしブロックチェーンゲームが規制されていたら,日本の会社はブロックチェーンに参入しないと思うんです。なぜ韓国の会社はずんずん参入していくんですか?
チャン氏:
新しい技術に対して割とオープンで,すぐみんなそこに反応しますね。もちろん,いい時はみんなで集中して,あんまり良くない時はすぐみんな辞めちゃう部分もありますけど,基本的に日本よりはオープンです。
4Gamer:
日本は,日本という国だけである程度のビジネス規模が担保できちゃうから,世界を狙いに行かないんですよね。そこはやっぱり韓国とは違うところだなという気がしました。
チャン氏:
あぁなるほど。そういう側面は確かにあるかもしれませんね。
WemadeがなぜWeb3に突っ走るかというと,Web2のときにあまりうまくいかなかったからです(笑)。
4Gamer:
え。
チャン氏:
いやこれは謙遜とか卑下ではなく,実際にそうなのです。
いまおっしゃったことと似てるんですが,韓国でWeb2ゲームで成功したNexon,Netmarble,NCSOFTは,Web3にそんなに前向きじゃないですよね。
4Gamer:
あぁなるほど……。確かにそうかもしれません。
チャン氏:
しかし望むと望まざるとに関わらず時代は動いていくものなので,新しいものに先に挑戦したものが,この先も生き残っていくと思うんです。つまりWemadeのほうが,今は一歩先をいってるんじゃないかなと(笑)。
4Gamer:
確かにそうかもしれません。
そろそろお時間のようですので,本日はありがとうございました。Wemadeの作る統合型プラットフォームが,日本にも参入してくれることを待っています。
――2023年11月16日
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