活気溢れるポーランドのゲーム開発者会議「Digital Dragons 2024」が開幕

　ポーランドの古都クラクフのCentrum Kongresowe ICE Krakówで，現地時間の2024年5月19日から21日まで，同国内最大のゲーム開発者会議である「Digital Dragons 2024」が開催中だ。


　Digital Dragonsについて触れておこう。クラクフを県都とするマウォポルスカ県がIT産業の育成を目的にした政策を行い，クラクフ市と複数の大学が株主になる形で半官半民企業Krakowski Park Technologiczny（クラクフ・テクノロジーパーク/KPT）が設立されたのは1997年のことだった。以来，クラクフは“ポーランドのシリコンバレー”と形容されるほどIT産業が発展しているが，そこでKPTが主催を務め，スポンサーを募って開催しているのがDigital Dragonsである。

　Digital Dragonsは2012年に開催されて以来，今年で13回目を迎えるが，Creepy Jar，Techland，11 bit studios，Anshar Studios，Fool’s Theoryなど，ポーランド国内の名だたるゲーム企業をスポンサーにしつつ，今年はActivisionがメインスポンサーとして参加している。

　これまで同様に，全編英語による100を超えるレクチャーやワークショップに加えて，インディーゲームや学生のプロジェクトのブース出展のほか，参加者の投票で選出される「Digital Dragons Awards」の発表や，ステージイベント，エキスポゾーンでのゲーム試遊などが行われる。

　また，イベントスペースはそれほど大きくないこともあり，今年は例年よりも1日多い3日間の開催期間としたうえで，初日は近隣のホテルを貸し切ってのワークショップなども行われている。


　会期中には，さまざまなゲーム開発者によるセッションが行われる。登壇者には，「Marvel's Spider-Man」シリーズなどの開発に携わった経験を持つJason Hickey氏，EA DICEのNika J. Bender氏，Kevin Moore氏，Guerrilla GamesのArno Schmitz氏，UbisoftのAhmed Salama氏，Larian Studios CEOのSwen Vincke氏などの名前が挙がっている。

　なかでも，セッションに関するポストに対して，「Baldur's Gate 3について語るのはおそらく最後になるだろう」とコメントを投稿（リンク）したVincke氏が何を話すのかも気になるところだ。


　Digital Dragonsというイベント名は，1000年以上の歴史を誇り，ポーランド王国の首都だったクラクフで，王城があったヴァヴェルの丘の洞窟にいる巨竜を退治したことで人々が豊かな生活を送れるようになったという伝説に由来している。

　ゲーム産業でも確固たる地位を築きつつあるポーランドの勢いを象徴するネーミングとしてもピッタリといったところだが，大量解雇やゲームデベロッパの廃業といったニュースをよく聞くようになった昨今において，ポーランドのメーカーがどのように立ち回ろうとしているのかは興味深いところである。

　なお，Digital Dragonsは半官半民企業が運営するイベントだけあって観光資源の宣伝にも余念がなく，今年は世界遺産でもある旧市街地内のポーランド国立美術館で立食パーティを行うなどしており，70か国の人たちが集まると言われるDigital Dragons 2024の参加者にも古都クラクフの良さがしっかりと伝わりそうだ。


　4Gamerでは，気になるゲームやレクチャーを紹介していくのでお楽しみに。

「Digital Dragons」公式サイト

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