[ECTS総力レポート#18]「Judge Dredd」で,悪者達を逮捕せよ | - 2003/09/01 17:48 |
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イギリスでは知らない人がいないほど人気のコミックヒーロー"ジャッジ・ドレッド"は,日本やアメリカではシルベスター・スタローン主演のアクション映画で聞き覚えのある人も多いだろう。 核戦争後に巨大化したメガシティにおいて,公共平和の合理的管理の必要性から生まれた,警察と司法,そして死刑執行人までの権限を得たジャッジの物語で,2003秋に発売される予定のPCゲーム「Judge Dredd:Dredd vs. Death」では,悪の道に走ったジャッジ・デスに戦いを挑むドレッドを描いている。 この作品を開発するのは,以前は「Aliens vs. Predator」でFPSのコアファンを唸らせたRebellion社で,独自のASURAエンジンを引っさげて久々の登場だ。ゲームの世界観など,詳しい話は以前のプレビュー記事「ここ」をお読みいただくとして,今回はECTSのショウフロアでデモが行われていた本作の,実際のゲームシステムやマルチプレイヤーモードについて探ってきた。 まずJudge Dreddの舞台となるメガシティは,ゲームでは12のステージで表現されており,その巨大さを見せつけるかのような奥行きのあるシティスケープになっている。 周囲に乱立するビルは実際に3Dモデルで描かれていて,ロケットを放つと時間をかけて被弾するのだ。また,そのビルの合間には浮遊推進型の車が飛び回っているなど,未来的な都市の風景が描かれている。土砂降りの雨が印象的で,マウスルックで空を見上げると,実際に雨粒が画面上に落ちるかのような効果が見られるのだ。 このゲームのユニークな点は,やはり敵NPCを実際に逮捕するところ。超法的権限を持つジャッジではあるが, その分だけ正義への執着は強く,判断を誤って無実の人を手にかけてしまうようなことがあれば,火星に送られて長年の強制労働という過酷な裁きを受けてしまうことになる。 ゲームにおいてこれを表現したのが,画面右下の武器の種類を表すインタフェースに組み込まれた"ローメーター"と呼ばれるパラメータである。プレイヤーは,歯向かって来ない無実のNPCを射殺したり,逮捕後に射殺したりといった愚行を繰り返していると,やがてローメーターが下がって,自分がお尋ね者になってしまう。この段階で,どこからともなく仲間のはずだったジャッジ達が集まってきて,死を賭けての乱戦が行われるのだ。 このローメーターを上げるには,NPCの逮捕を地道に行っていくしかない。 またAIが秀逸で,敵は通常リーダー格のキャラクターを中心にした数人のグループで街角に立っているが,リーダー格が射殺されたり,足を射抜かれたりすれば,銃を投げ捨ててひざまずき,ジャッジがいつでも手錠を掛けられる状態になるのである。 リーダー格のNPCは絶対に最後まで抵抗してくるので,ゲームに慣れてくれば,誰を逮捕できるのかも分かるようになることだろう。 NPCを逮捕しなければならないからといって,ゲームのペースが悪いということもなく,実際にはサクサクとアクションをこなせるようになっていた。 武器にはLaw Rodと呼ばれる自動小銃と,Judge Pumpというショットガンしかないものの,それを弾丸の多さで補っている。デモ担当者によると弾丸には六つのバラエティがあるそうで,スタンダードなもののほかは,防具を貫通するアーマーピアシング,体温センサーを搭載したヒートシーカー,メタルオブジェクトに半永久的に跳ね返るリコシェット,ロケット弾として利用できるエクスプローシブ,そして着弾すると炎を撒き散らすインシネレリーを状況によって使い分けることになる。 悪役NPCに手錠をかけ,執務妨害や薬物違反の判決を自動的に言い渡した時点で,プレイヤーにはポイントも重ねられるようになっている。このポイントがジャッジとしてのプレイヤーの成績を示すバロメータになっており,そのミッションの成績が良ければ,さまざまな特典を得られる。 この特典には,60種類ほど用意されたマルチプレイヤーモード用のキャラクタースキンや,10種類のアーケードモード用マップなどがある。アーケードモードとは,Judge Dreddの世界観を使ったミニゲームのようなもので,筆者が遊んだものは,恐ろしいほどの数のゾンビが,ワラワラと跳び出てくるのを撃ちまくるというマップになっていた。 マルチプレイヤーモードは16人までの対戦をサポートしており,デスマッチやイリミネーション(一死退場)はもちろん,街の区画の支配をかけて2チームが戦うブロックウォーや,この世界では薬物として禁止されている"ソーダ"や"キャンディ"などの甘味食材を陣地に持ち帰るというCTFのようなUMPTYモードが考案されている。またシングルプレイヤーモードのキャンペーンを,スプリットスクリーンで4人までのプレイヤーが協力していくというコーペレイティブモードも実装している。 見るからに期待できそうなJudge Dredd:Dredd vs. Deathは,2003年11月に発売が予定されている。またすでに拡張パック/続編の企画も進行中で,映画に登場したような乗り物も使用できるようになるとのことだ。 なお2003年9月19日にはデモも公開されるとの情報を得たので,待っておこう。(奥谷海人) →「Judge Dredd:Dredd vs. Death」のScreenshots集は,「こちら」 →「Judge Dredd:Dredd vs. Death」のプレビュー記事は,「こちら」 →「Judge Dredd:Dredd vs. Death」の当サイト内の記事一覧は,「こちら」 (C)2003 Rebellion. The Rebellion logo, 2000AD logo, Judge Dredd and associated characters, objects and locations are trademarks or registered trademarks of Rebellion A/S in the U.S. and/or other countries. All rights reserved. Developed by Rebellion. Published by Vivendi Universal Games International. Sierra, the Sierra logo, are registered trademarks or trademarks of Sierra Entertainment, Inc. in the U.S. and/or other countries. All rights. |