自分だけの"ヒーロー"を育成して,キャンペーンモードはもちろんマルチプレイなどでもキャラクターデータを活用できるファンタジーRTS,「Warlords Battlecry」シリーズの最新作となる第3作。第2作まではメディアクエストから日本語版が発売されるなど(ウォーロード バトルクライ II 日本語版),日本でも地味に人気のシリーズだ。
多数の種族とクラスが存在し,プレイヤーはお好みのヒーローをカスタマイズできる。人間やドワーフ,エルフ,さらにはダークエルフやデーモンなどの種族が存在し,使用可能ユニットもヒーローの種族に準じることになる。つまりデーモンのヒーローを作ったら,配下も全員デーモン系というわけだ。
クラスというのも,ファンタジーRPGに通じている人なら分かるだろう。戦士や魔法使いといった類のもので,本シリーズはこういったクラスの体系がかなり細分化されている。
「Warlords Battlecry」シリーズは,このように細かく設定できるヒーローと軍団を,ゲームプレイを通して大事に育成していくという,RPG色の強い作品となっているのだ。
本作の2D RTSとしての基本システムは,昔ながらのスタイルを頑なに守り通している。実際,前作と比較してもパッと見はどこが変わったのか分からないほど。RTS自体が初めてというわけでなければ,ほとんど何も迷うことなく誰でもプレイできるのはありがたい。
では新フィーチャーはどういった部分かというと,新種族や新クラスなど諸々の追加,そしてヒーロー育成システムの強化など。3D RTSとは異なり,グラフィックスなどの技術的な進化そっちのけで,ひたすらゲーム性のみを高めているわけである。
具体的には,16種族と28クラスが使用可能(前作は12種族/20クラス)となったほか,多数のスキルとマジックアイテム,新たな建物やマップロケーションなどの要素が追加された。
デモ版では,2種族(Dwarf,Swarm)と4クラス(Warrior, Necromancer, Defiler,Runemaster)のヒーローが作成可能で,キャンペーンモードの一部とスカーミッシュモードの2マップ,またはチュートリアルをプレイできる。マルチプレイとマップエディタは使用できない。
ヒーローを作って育てるという部分は,デモ版でも十分に伝わるだろう。作成したヒーローのデータは,キャンペーンでもスカーミッシュでも使用可能で,しかもどちらのモードでもプレイするたびに成長していく。
とりあえず,各ユニットの機能と性能を理解しやすいドワーフでプレイするのがいいだろう。基本的には建物を作って資源を集め,大部隊を編成して敵勢力のユニットを全滅させればいい。
リソースの供給源(坑道など)の占領方法がちょっと特殊で,対象の供給源に近寄ってヒーローまたは城の"CONVERT"というコマンドを使用する。なお,ヒーローは殺されても即敗北とはならない。
プレイしていて,懐かしさすら感じる王道2D RTSである本作。とりあえず遊ぶだけなら難しくないので,よほどRTSが嫌いという人でもない限り誰にでも勧められる作品だ。色濃い育成要素のおかげで,何度でも楽しめる仕組みになっている。長く遊べるデモ版としてオススメしたい。(Kawamura)
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