●Preview#6:レジェンド オブ マイト&マジック
Text by 朝倉哲也
First Lookと呼ばれるデモ版が公開されて以来パタリと情報公開が止まってしまい,ファンをやきもきさせていた「Legends of Might and Magic」(以下LoMM)のβ版が遂に登場した。ここではそのβ版を元に解説していこう。なおβ版を元にした解説であるため,ゲームの内容やアイテム名などが予告なく変更されることもあるということをご了承いただきたい。
さて,First Look版と大きく違うところは,ゲームモード,マップ数,モンスター数,アイテム/武器などが飛躍的に増えていることが挙げられる。First Look版で「なんか物足りないなぁ」と思っていた部分がすべて改善されて製品同等となり,それに伴ってゲームの印象も大幅に変わったように思う。
ゲームモード
First Look版では,"Rescue The Princess"と"Sword in The Storn"の2種類しかなかったゲームモード。β版では,それに加えて"Warlord Escape"と"Slay The Dragon"の二つのモードが加わり,合計四つのゲームモードをプレイすることができる。
"Warlord Escape"は,参加したプレイヤーの一人がWarlord(将軍)という役割を与えられ,EvilあるいはGoodチームのどちらかに参加する。Warlordが参加したチームは,マップによって決められている地点までWarlordを守りながら送り届けねばならず,もう一方のチームは,このWarlordを殺すことが勝利条件となる。"Rescue The Princess"モードの変形といえなくもないだろう。
大きな違いは,Warlordはプレイヤーが操作するという点と,Warlord役となったプレイヤーキャラクターには,そのキャラクタークラスで使用できる最高の装備が最初から与えられているということだ(逆に,Warlord役のプレイヤーはアイテムの購入が一切できない)。実際Warlordはかなり強力で,大抵のモンスターなら装備している両手剣の一振りで葬り去ることができる。防御力もかなりなもので,モンスターの群れの中に一人で突っ込んでいっても無事生還することができるほどだ。Warlordを阻止しなければならないチームは,面と向かってWarlordと戦うことは自殺行為に等しい。周りの護衛を倒してから,複数で取り囲んでの総力戦がベストな戦術だろう。
もう一つの新追加ゲームモード"Slay The Dragon"は,非常に特徴的なゲームモードだ。マップにはボス的な存在のドラゴンが鎮座している。Evil,Good両チームで,どちらがそのドラゴンにとどめを刺すことができるかを競うというものだ。当然ながらドラゴン以外にもモンスターが存在しているので(サーバーの設定でモンスターを出現させない設定にしておけば,余計なモンスターは出てこない。もちろんボスであるドラゴンは登場するが),雑魚モンスターを蹴散らし,敵チームと戦いながらドラゴンのいるところを目ざして進んでいってご対面となるわけだ。
しかしドラゴンの強さは並大抵なものではなく,全員が一致協力して戦わねばまず勝利はおぼつかないだろう。幸いにもドラゴンは一か所に留まったまま移動しないので,プレイヤー側はドラゴンの周りを移動しつつ攻撃していくのが良いだろう。なお,ドラゴンには,初期装備の武器やちょっとやそっとのレベルの武器ではほとんどダメージを与えられない点には注意。ドラゴンとご対面する前に,一匹でも多くの雑魚モンスターを倒し,一個でも多くの宝箱をゲットしてお金を貯め,その時点で購入できる最高の武器を装備していくべきだろう。
なお,Evil,Good両チームが協力してドラゴンを倒すこともできるが,そのときは最後のとどめの一撃を与えたチームが勝利をつかむこととなる。このあたり,ちょっとバランス調整が必要かも。
マップ
ゲームモードの増加に伴い,マップの数も20に増えている。中世の城,廃墟となった寺院,人気のない街,エジプトのピラミッドを思わせる巨石建造物など,ファンタジックで個性豊かなマップとなっている。また昼間だけでなく,満点に星空が広がる夜間のマップ,夕方を思わせるようなマップなども登場している。
なお,マップとゲームモードの組み合わせを変更することができないところはFirst Look版同様だ。
モンスター
First Look版では数えるほどしか登場していなかったモンスターも,β版ではぐっと増えている。ここが最も"ゲーム"として嬉しい点かも。
ドラゴンはもとより,ガーゴイル,ハーピー,タイタン,スパイダー,ゴーレムなどその数は30種類にもおよび,モンク,ソルジャー,バンディットなど人間型の敵も登場する。ボスとして登場するドラゴンは別として,ユニークなのが,タイタンだ。
タイタンには"Titan"と"Grand Titan"の2種類が存在しており,プレイヤーキャラクターの頭の高さが丁度タイタンの膝頭くらいになっている。かなり巨大で,歩くとズシンズシンという音と共に地面が揺らぐところは圧巻だ。彼らは,遠距離からは魔法を,接近すると「蹴り」で攻撃してくる。蹴りはかなり強力で,たいていの場合一撃でやられてしまうので,接近戦を挑むのは得策ではない。ただ,現状では意外と簡単に攻略できてしまうのが難点。このあたりにも修正が入ることを望む。
戦っていていやな敵といえば,蜘蛛の化け物である"Spider"と"Nasty Spider"だろう。動きがすばやいうえに背が低いのでこちらの攻撃が当たりにくく,オマケに小さいので視認しにくい。これはマップのどこに配置されているかを覚えてしまって,先手を取るのがいいだろう。
アイテム/武器
アイテムに関しては,First Look版では登場しなかったマジックスクロール=魔法の巻物が,購入したり宝箱に入っていたりといった形で登場する。魔法にはジャンプ力をアップさせるジャンプスクロールや,高いところから落ちてもダメージを受けなくなるフェザーフォールスクロール,敵の位置が分かるようになるウィザードアイスクロールなど,マイト&マジックの世界ではおなじみといえる魔法ばかりだ。魔法は8種類がすべてスクロール(巻物)という形で登場する。
武器は総数31種類が登場し,地震を起こすEarthquake Hammer,マシンガンのように矢を放つGatling Crossbow,強力なファイヤーボールを放つDragon Staffなど,強力かつ個性的な武器が揃っている。強力な武器ほど高いので,積極的にモンスターを倒すなどしてがんばってお金を貯めていこう。
以上,ざっとβ版を見てきたが,マップやモンスターが増えたことでオフラインのシングルプレイでもかなり遊べるようになっている(もちろん,LoMMの真骨頂はマルチプレイなのはお断りしておく)ところは嬉しい限りだ。またグラフィックスが多少キレイになったような気がするのは気のせいだろうか。
残念なところとしては,キーコンフィグ画面において,Primary AtackとSecondary Atackにマウスの両ボタンをそれぞれ設定しても,画面に表示されないという,First Look版にもあった問題が残っていること。動作が多少重くなってしまったように感じるところなどが残念だ。まだ発売には多少の時間があるので,開発元のNew World Computingにはさらなるゲームシステムのブラッシュアップを期待したい。
なにはともあれ,SFや戦争モノ一辺倒だったFPSゲーム界にファンタジックなチームベースFPSゲームを持ち込んだ点は評価したい。妙なリアル感があふれていたり,SF系によっている既存のFPSに馴染めない人には最適かも。
日本では,イマジニアより7月6日に7800円で日本語マニュアルつき英語版という形で発売予定となっている。ゲームの日本語公式サイトは「ここ」だ。
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