Microsoft SideWinder Strategic Commander
Text by TAITAI 25th Oct. 2000
RTSゲームファン待望? の新デバイスが登場
マイクロソフトから,ストラテジーゲーム向けのコントローラである「Microsoft SideWinder Strategic Commander」(以下SC)が発売される。パッと見てなんのデバイスだか分かる人は,そうそうはいないのではないだろうか……。
SCは,同じくマイクロソフトが販売しているAge of EmpiresIIなどの"ストラテジーゲーム"をより快適にプレイできるように設計された,左手用のコントローラだ。六つの基本ボタンをベースに三つのシフトボタンを組み合わせて,通常ではキーボードに割り当ててあるようなさまざまなコマンドを,ワンタッチで操作することができる。さらに3段階の切り替えを行うプロファイルボタンもあるので,合計で72種類のキー設定を割り当てられるというわけだ。
このあたりの設計は,さすが複雑なストラテジーゲームに特化したコントローラだといえる。コントローラの上部がスライドするようになっていて,画面のスクロールなどの操作に対応しているというのも直感的で分かりやすい。
SCに対して多くの人がまず思うのは「本当に実用性があるのか,使いやすいのか」という点だろう。実際筆者も,しばらく使い込んでみるまでは,このコントローラに対するえも言われぬ不信感がかなり存在した。まずその独特の形が手に馴染むかどうか心配だったし,そもそも"ストラテジーゲームコントローラ"などというものが存在し得るのかどうかもアヤシイものだった。
しかし何回か使っているうちに,その懸念が杞憂だったことに気がついた。思いのほかよく手に馴染むのである。本体上部がスライドする設計のため最初こそ戸惑いはしたが,ひとたび慣れてさえしまえば,違和感は全く感じられなかった。
操作方法を作っていく面白さが増える?
現在のストラテジーゲームは,刻々と戦況が移り変わるリアルタイム制のゲームが多い。目まぐるしいこの手のゲームでは,操作の早さもゲームを有利にする重要なポイントである。
SCが優れている点は,キーボードでは絶対に設定できない複数のコマンドの組み合わせすらボタン一つにまとめて設定できる点である。単純なマクロから比較的高度なマクロまで,ありとあらゆる設定ができるのだ。また,一連の操作を記録してそれをボタンに登録する機能も備えており,複雑なマクロも簡単に設定できるなど抜かりはない。
自由にカスタマイズ出来る点はかなりの強み
SCにすぐ馴染むことができたのは,なによりもキー設定の自由度の高さによるところが大きいだろう。SCに対応しているゲームには最初から専用のキー設定が存在するのだが,元々キーボードで慣れたゲームにSCを使う場合,どうしても"キーボード感覚での操作"を手が求めてしまうものだ。そんな場合でも,設定を独自に設定することで,キーボード感覚の操作性をSC上で再現できる。
それなら違和感なくキーボードからの移行を果たせるし,余ったボタンを利用して独特のプラスα的なコマンドを追加登録すれば,キーボードより快適な操作環境などアッという間に出来上がるというわけだ。
SCは,使えばそれだけでゲームがうまくなるという単純なアイテムではないが,使う側にキー設定を工夫する意欲があれば,非常に面白いデバイスであることは間違いない。ちょっと応用すれば,ゲームだけでなくいろんなアプリケーションにまで応用できてしまうのもすごい。ちなみに筆者ことTAITAIは「Age of EmpiresII:Age of Kings」でSCを使っているのだが,今ではキーボードに戻れない体になってしまっている。がんばって慣れるだけの価値はあると断言できるだろう。
■発売元:マイクロソフト
■価格: オープンプライス(実勢価格6000円前後)
■問い合わせ先:マイクロソフト
TEL 03-5454-2300
■動作環境:Windows 98/Me/2000 Professional Edition,Pentium/166MHz以上,メモリ16MB以上(32MB以上推奨),空きHDD容量25MB以上,解像度800×600ドット・256色以上,要USBポート
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