― 連載 ―

灰色着てるやつを見たら撃て!ブラザー イン アームズ
第3回:ひ弱な軽戦車も兵士達には頼もしい
D-DAYの翌日,戦闘はさらに激化

難度ハード&リアルともなると,一発食らうだけで瀕死ということも多い。部下は死んでもゲームは続けられるし,次のチャプターで復活するが,ベイカーが死ねばゲームオーバーとなるため慎重に行動したい

 連載第3回となる今回は,D-DAYから1日後(1944年6月7日),2日後(1944年6月8日)の計4チャプターを追っていこう。

 前日までの戦いとはガラリと変わり,ドイツ軍の攻撃も激しさを増してくる。難度ハード&リアルともなると,遮蔽物の陰からひょっこり顔を出したとたんにサクッと頭を撃ち抜かれて,「ベイカー! ベイカー!」という仲間の声でフェードアウトなんてことも多い。

 今回もポイントとなる部分を紹介していくので,敵を蹴散らして生き抜いてもらいたい。

 

ゲーム作成に使用された,さまざまな資料を閲覧できる。本作に対する異様なまでのこだわりが感じられるところ 60年経った今も戦争の痕跡が多く残されている。ボーナスを見てから再びプレイすると違った視点で楽しめる 当時としては珍しいカラー写真も見られる。写っているのは正真正銘,本物の第101空挺師団の隊員達である
1944年6月7日 D-DAY+1
ヴィエルヴィルでの交戦(9時00分)

・ヴィエルヴィル(村)での戦闘。戦車部隊と合流し,ヴィエルヴィルを制圧する

戦車の中では一番攻撃力の低い"M5A1スチュアート軽戦車"。軽量のため移動速度も高く,走り回っている姿は何とも可愛らしい。対歩兵戦が得意なので,敵兵にM5A1を強襲させたり,M5A1を盾にしてチームを移動させたりして活用しよう

 スタート地点から左右のルートが選べる。どちらのルートがいいのか,ズバリ書くと右ルートだ。リスナー軍曹のM5A1スチュアート軽戦車は,歩兵の持っている装備ではダメージを受けないため,歩兵を見付けたらM5A1で至近距離から攻撃させる。ただし,教会前にある37mm対戦車砲と,2両登場するIII号突撃砲A型には,十分に注意して戦う必要がある。

 III号突撃砲はM5A1で攻撃してもいいが,ベイカー自ら背後から近づいて,ハッチから手榴弾を投げ込んで破壊するという手もある。自軍の損害を最小限に抑えつつ,戦車&突撃砲を破壊できる方法なので,気づかれずに敵の背後に回る戦術を身につけよう。

スタート地点から左のルートは敵が多い。右ルートでM5A1と合流してから敵にM5A1を強襲させると簡単に片付く 教会前の37mm対戦車砲に注意。M5A1への直撃だけは避けたい。側面から狙える位置に銃撃班を移動させて攻撃する
37mm戦車砲と機銃を撃ちまくりながらM5A1で敵に強襲をかける。残るのは灰色の服を着た死体だけである 敵の戦車と遭遇。恐ろしい相手だが,車体の背後から登って,手榴弾をハッチから投げ込むと一発で破壊できる
死の曲がり角(18時30分)

・M5A1スチュアート戦車の支援を受けながら,アメリカ軍の先陣を切ってサンコムデュモンまでの道を確保する

"死の曲がり角"周辺での戦闘に参加した,第101空挺部隊の各分隊が,どういったルートでサンコムデュモンに集まってきたのかが確認できる

 このチャプターは全般的に銃撃戦となる。部下を一人でも失うと厳しい戦いとなるため,慎重に指揮を執っていくこと。できれば銃撃班に強襲命令は出さないで進んだほうがいいだろう。基本的にM5A1での攻撃をメインに戦っていくことになるが,ところどころに37mm対戦車砲や対戦車ロケット砲パンツァーファウストを装備した敵も配置されており,下手にM5A1だけを進めていると,簡単に破壊されてゲームオーバーになる。

 前半は銃撃班やM5A1の7.62mm機関銃をプレイヤー自ら使い,パンツァーファウストを持った敵を制圧,そして37mm戦車砲で敵が倒れるのを確認しながら進んでいく……ちょっと地道だが,これがベストだ。最後は"死の曲がり角"での激しい銃撃戦となり,M5A1の陰から飛びだそうものなら雨のような銃弾を浴びせられる。

敵の制圧状態を維持しないとパンツァーファウストが飛んでくるため,M5A1の機銃を使って常に制圧状態をキープ 複数箇所からの攻撃が多いため,1か所ずつ37mm戦車砲で倒しながら進む。当たらないようなら少し移動させる
37mm対戦車砲はM5A1に任せ,銃撃班にほかの地点の敵制圧を行わせる。自分は死ぬのが嫌なので離れて見ている図 3方向からの銃撃を受ける,チャプターの最後が難しい。無理に自分で狙おうとすると,ダメージを受けてしまう
1944年6月8日 D-DAY+2
夜明け(5時50分)

・サンコムデュモンの途中にある農家にいる敵を一掃する

"死の曲がり角"に放置されているM5A1の写真。よく見ると分かるが,白黒部分が実写,色つき部分はゲーム画面。ゲーム中の再現度には驚かされる

 親友であるリスナー軍曹を失ったベイカー軍曹だが,傷心に浸る暇はない。銃撃班と突撃班をどう使うかがポイントとなり,序盤から中盤にかけて遮蔽物も多いが,同時に複数箇所からの攻撃を受けることがほとんどなので,銃撃班と突撃班で交互に制圧射撃,移動を繰り返させ,ベストな位置に移動させるようにしたい。

 タクティカルビュー(コラム参照)で,地形や敵の配置と位置関係を把握しつつ,側面から攻撃できる場所から狙うといいだろう。

冒頭では左手にある建物の裏手に回るといい。銃撃班による制圧の後で突撃班に強襲させてから,通りの敵を排除させる 周辺を制圧してあり,5人の部下がいれば一つの塹壕を襲うのは簡単だ。一つ一つ潰して前進していこう
目的の農家が前方に見える。左側のルート(敵がいるところ)を通ると,右側の敵を斜めから狙える位置に出る 精密射撃よりも突撃班に強襲させるほうが早い。2階にあるMG42を使い,畑の中を走ってくる敵兵を壊滅させる
サンコムデュモン陥落(12時00分)

・街の中にいる敵を一掃し,サンコムデュモンを確保する

死の曲がり角から農家までの適したルートも見られる。もちろん最適ルートというだけで,別のルートから困難な道を進んでいくのも本作の楽しみ方の一つだ。こうして見ると地形も完璧に再現されているのがよく分かる

 冒頭で当時のヒーローにまつわる与太話で盛り上がる隊員達。戦場でも,1943年に初めて映画化されたバットマンの話題は出ただろう。ヒーローがいてくれれば,こんな戦争も簡単に終わらせてくれるはずだが……。

 終盤にドイツ軍中型戦車"IV号戦車F型"が登場する。手榴弾を持っていないため,破壊するにはドイツ軍のパンツァーファウストを見つけて攻撃するしかない。IV号戦車の短砲身24口径75mm砲と7.92mm機関銃による攻撃は,生身の歩兵にとっては脅威だ。正面から何度も攻撃するよりも,側面に撃ち込めるように部下を使って引きつけるのがいいだろう。

画面上の制圧マーカーはMG42,その奥に迫撃砲が配置されている。部下に集合命令を出して左側の畑を抜けていくとダメージは受けない(たまに部下が食らう)。そして畑を抜けたところにある建物を回り込むと敵の裏側に出る
IV号戦車を破壊するためにはパンツァーファウストを使う必要がある。IV号戦車に真正面から挑むとダメージを受けることが多いため,部下をおとりに側面から狙える位置におびき寄せてから攻撃したい

 徐々に戦略要素が増え,難度も上がってきた。難度ハード&リアルともなると何度も戦死を味わったのではないだろうか。とくにリアルでは一瞬の油断で再びスタート地点からやり直しと少々切なくなってしまうが,繰り返しプレイすることで打開策が見えてくるだろう。
 次回はカランタンまでの道中であるD-DAYから3日め,4日めの3チャプターを追っていく予定だ。

コラム
■タクティカルビュー

 タクティカルビュー(状況把握モード)を使うと,一時的にゲームの流れを止めて,現状の地形,分隊配置,敵配置などの状況を,さまざまな視点から把握できる。どのポイントなら敵の側面,背後から攻撃できるのか,そこに行くためにはどの遮蔽物を使って移動させるのかいいのかなど,戦略を練れるのだ。有効利用すれば,楽な展開に持ち込めることも多い。

 

■武器&兵器紹介
▽連合軍:
・MkII A1 破砕手榴弾(Mark II A1 Fragmentation Granade)

金属製の筐体に詰められた炸薬に点火すると,金属片をまき散らして敵を殺傷する手榴弾。爆発自体は小さい。形状から通称「パイナップル」と呼ばれている。安全ピンを抜いてから約4秒後に爆発し,有効殺傷半径は4.5m〜9m。ゲーム中は主人公以外に突撃班も装備して活用している。

 

・M5A1スチュアート軽戦車(M5A1 Stuart Tank)

重量約15トンの軽戦車。最大速度が約57km/hという機動力を生かし,斥候任務に使われることが多い。また対戦車用ではなく対歩兵用として開発されており,砲塔は56口径37mm戦車砲と7.62mm機関銃(M1919A4)3丁で武装されている。敵の歩兵が潜んでいるところに裏側から進入させると,簡単に倒してくれる。

 

 

▽ドイツ軍:
・III号突撃砲A型(Sturmgeschutz III Ausf.A)

III号戦車の車台を流用,強化して作られたIII号突撃砲A型。突撃砲とは,左右に旋回しないぶん大口径の砲を載せた戦車の一種。III号突撃砲A型には24口径7.5cm砲が搭載されており,陣地破壊や歩兵支援で主に使用されていた。各種改良を加えた最終型のG型まで,8種類のIII号突撃砲が生産された。

 

■登場人物紹介
リスナー軍曹(STG. RISNER)

ジョージ・リスナー軍曹。第70戦車大隊所属のM5スチュアート軽戦車の車長を務める。ベイカー軍曹と一緒に陸軍に入隊したベイカーの親友。ハイスクールでは同じ女を好きになることが多かったとか。

 

レゲット上等兵(PFC. LEGGETT)

ケビン「レッグス」レゲット上等兵。ハッセーニ等曹長と行動を共にしている通信兵。ベイカー自身が彼の指揮を執ることはないためか,意外と感情移入しにくい兵士の一人。ゲーム冒頭の回想シーンでインパクトのある死に様を見せる……。

 

■■UHAUHA(ライター)■■
4Gamer専属ゲームライター。副業として,会社員と二児の父をやっている。自宅ではリビングにPCが置いてあり,背後で家族がテレビを見ている状態でゲームをやっている。悲しいかな1対3では勝てず,いつもボリュームを下げるのは一家の主たるUHAUHA氏。家族が寝てからも,ゲーム中の銃声がバリバリ響いてうるさいと苦情が出るので,皆が完全に寝静まったあと,ようやく主の時間が到来するという……。この連載も,そうやって書かれたものなのだ。
タイトル Best Selection of GAMES ブラザーインアームズ 〜ROAD TO HILL 30〜 日本語版
開発元 Gearbox Software 発売元 フロンティアグルーヴ
発売日 2006/11/10 価格 3990円(税込)
 
動作環境 Windows 2000/XP,PentiumIII/1GHz以上(Pentium4/2.5GHz以上推奨),512MB以上(1GB以上推奨),VRAM 32MB以上(128MB以上推奨)のビデオカード,DirectX 9.0c以降

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