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[Gamescom]Paradox Interactiveが語る,ニッチ企業としての成功の秘訣
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印刷2011/08/16 20:34

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[Gamescom]Paradox Interactiveが語る,ニッチ企業としての成功の秘訣

 コアゲーマー向けストラテジーの販売/開発元として,日本でも知名度の高いParadox Interactiveが,8月15日の「GDC Europe」において「Developer + Publisher = Partnership」というタイトルのセッションを行い,販売会社としての同社の経験や手法,その心構えを語った。

左から,CEOのFredrik Wester氏,プロデューサーのShams Jorjani氏,販売部門のリーダーであるSusana Meza Graham氏
画像集#002のサムネイル/[Gamescom]Paradox Interactiveが語る,ニッチ企業としての成功の秘訣

 壇上に上がったのは,Paradox InteractiveのCEOであるFredrik Wester氏,プロデューサーのShams Jorjani氏,販売部門のリーダーであるSusana Meza Graham氏の3名。

 1999年,スウェーデンのストックホルムに設立されたParadox Interactiveは,「Europe Universalis」や「Hearts of Iron」シリーズを筆頭に,さまざまなコアプレイヤー向けストラテジーゲームを開発しているほか,自社ソフトのポータルサイトである「Paradox Plaza」を運営していることでも知られる。

 その一方で,最近では「Lead and Gold: Gangs of the West」をコンシューマ機向けに販売したり,iPad向けの「Defenders of Ardania」を開発中だったりなど,事業を拡大する方向にもあるようだ。
 また,現在80万本を超えるスマッシュヒットになっている「Magicka」のような,通常であればなかなかゲーマーの注目を受けにくい独立系(インディーズ)開発チームのプロジェクト販売権を,Paradox Interactiveは意欲的に獲得しているようでもある。

 題目が示しているように,この講義では,同社がどのようにして販売提携を結んだ開発チームとの信頼関係を築いてきたのか,ということに焦点が置かれていた。集まった聴衆も,独立系デベロッパの開発者達が多かったようだ。


画像集#001のサムネイル/[Gamescom]Paradox Interactiveが語る,ニッチ企業としての成功の秘訣
 さて,この講義でJorjani氏が力説していたのは,あまり大きな企画書を先に作ってしまうと,開発中に融通が利かなくなり,世間のゲーマー達の嗜好やトレンドについていけなくなるということだ。Magickaの場合,もともとは学生向けのプロジェクトだったということもあり,Paradoxとの契約のために用意された文書は,たったの5ページしかなかったらしい。
 こうした「小ささ」が,Magickaの場合であれば「Magicka: Vietnam」のような,一見すると突拍子もないような方向性を持つDLCの開発にもつながっていったわけである。

 Jorjani氏はそういったゲームの成功ポイントについて,「ゲーム開発者はほとんど100%がゲーマーであり,我々はそういったゲーマー達が考えたゲームの企画については口出ししません。ただ,企画書が分厚すぎると,そんなゲーマー達が本当に面白いと思っている部分が見えづらくなるので,まずは小さいところから始めて,βテストなりでファンが食い付いたところにフォーカスしていくべきだと思うのです」と話していた。

Wester氏は,「昔はゲームの90%を初期開発にかけ,残りの10%で拡張パックを作っていたのが,今では50%の初期開発と50%の発売後のケアになった」という。次々とDLCを販売して成功したMagickaは,そんな最近のParadox作品の成功作の一例である
画像集#003のサムネイル/[Gamescom]Paradox Interactiveが語る,ニッチ企業としての成功の秘訣

 Jorjani氏によると,Paradox Interactiveは独立系開発者との契約を行う前に,数回は一緒に飲みに行くなど,「腹を割った付き合い」をとおして信頼を築いていくという。たとえ1作目が失敗しても,その経験が2作目,3作目へとつながっていくような,長期的な観点でのパートナーシップを目指しているのだ。
 「ちょっと満足しないと契約を打ち切る販売元や,販売会社を変えてしまう開発会社も少なくないが,それでは培ってきた経験値を,また1から積み立てなければならなくなります」とJorjani氏は続けた。

 Meza Graham氏も,広報やマーケティングの観点から,「失敗を恐れるだけでなく,開発者の持つゲームに対する情熱を,オープンにできるよう取り計らう」と話す。
 実際,とあるゲームサイトで酷評された「Ship Simulator Extreme」を例に,「開発者は,そのレビューを読んでショックを受けていたが,そのレビューに対する反論をするよう彼らに促した。当初は,彼らは乗り気ではなかったが,書いた文はユーモアとパッションに溢れており,ゲーマー達に再評価される結果となった」という事例を紹介していた。

まだ北米での販売実績が少なかった2005年,アメリカでの「Hearts of Iron II」の販売はAtariが手掛けたが,結果は75万本のセールスを記録し,同時期のAtari最大の収入源になった
画像集#004のサムネイル/[Gamescom]Paradox Interactiveが語る,ニッチ企業としての成功の秘訣
 Paradoxのゲームといえば,今や30万人に及ぶコアファンがフォーラムに集い,ゲームプレイや世界感などさまざまなトピックについて語り合うという,独自のコミュニティを形成させていることでも知られる。
 このことについて,Meza Graham氏は,「我々のゲームは“ニッチ”として捉えられていますが,我々はそんなニッチなゲームを好む,コアなファンのことを熟知しています。Paradox作品のような,考えながら遊ぶ人達のためのゲームがなくなることはないでしょう」と,今後もコアなゲーム作りを支援していくことを約束する。
 現在,10本を超える新作をラインアップに抱えているParadox Interactiveだが,そんな彼らの情熱であふれた作品の情報は,数日後に控えたGamescom 2011で次々と飛び出してくることだろう。
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