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[韓国ゲーム事情#278]「2004 大韓民国ゲームアワード」レポート
2004/12/13 21:27
NANTA(韓国式の太鼓)の公演から始まった,2004 大韓民国ゲーム大賞
Kimの韓国最新PCゲーム事情#278

「2004 大韓民国ゲームアワード」レポート(2004/12/13)

Text by Kim Dong Wook特派員

 12月9日,ソウルのCOEXにゲーム業界関係者1000人以上が集まって,「2004 大韓民国ゲーム大賞」の授賞式が開催された。
 文化観光部(日本の文部科学省にあたる),スポーツ朝鮮(有名なスポーツ新聞社),電子新聞社が共同で主催した今回の授賞式では,大統領賞(大賞)に「Kingdom Under Fire:The Crusaders」Phantagram)が,国務総理(総理大臣)賞に「Mabinogi」NEXON)などが選ばれた。

 ゲーム専門のケーブルテレビ局「OngameNet」によって韓国で生中継されたこの授賞式は,3部構成となっていて,人気タレントによる"お祝い公演"や,ダンスパフォーマンスなども行われた。もちろん,多くのファンを抱えるプロゲーマー達も出演しており,有名映画祭さながらの非常に華やかな授賞式となった。
 今回賞が与えられたのは,9分野23部門。それぞれの部門賞の発表および授賞は,同部門で前回受賞した会社の代表と,業界有名人がペアになり,行われた。
 圧巻だったのは,大賞となったKingdom Under Fireだ。本作はほとんどすべての部門でノミネートされており,最終的には大賞を含む3部門での受賞となった。またMabinogiも2部門で受賞しており,大健闘といえるだろう。


上段左:有名プロゲーマーのLim Yo Hwan氏(左から2番め)も登場 上段中央:会場内は,ゲーム業界の関係者でいっぱいだった 上段右:優秀プロゲーマー賞を受賞した,Choi, Yeon Sung氏。現在プロゲーマーランキングの1位だ 下段左:人気歌手,春子(chunja)さんによるお祝い公演 下段中央:NHN社代表のKim, Beom Soo氏(右)と,有名ゲームMC(左)も登場した 下段右:「StarCraft league」の有名キャスターであるJeon, Yong Jun氏とタレントのHyun Youngさんがメイン司会を務めた


大賞となった「Kingdom Under Fire:The Crusaders」
 オンラインゲームが盛んな韓国ゲーム市場だが,先述した通り大賞にXbox用アクションゲームKingdom Under Fireが選ばれ,パッケージゲーム部門ではPlayStation 2用の「マグナカルタ:真紅の聖痕」が入るなど,コンシューマタイトルの健闘が目立った。この理由としては,政府によるコンシューマゲーム開発に対する奨励や,各メーカーに,海外市場を開拓しようという意欲が出てきたことが考えられる。
 一方,韓国で大人気となっている「Kart Rider」や「Pangya」(邦題 スカッとゴルフ パンヤ)などが意外にもふるわなかったのは,どちらも既存の日本産ゲームに似ており,独創性という意味で足りない部分があったからではないだろうか。

 韓国の記者団が選んだ海外の人気ゲーム賞には,日本の「ウイニングイレブン8」が受賞した。しかし韓国に駐在中のコナミマーケティングアジア社のスタッフが全員出張中(!)という理由で誰も参加せず,結局韓国ゲーム産業開発院の関係者が代行受賞し,ひんしゅくを買っていた。


 この日の授賞式で,後日話題になったのが,NC Soft社のCEOであるT.J.Kim氏が,前年度の大賞受賞会社([韓国ゲーム事情#169]参照)の代表として,今年の受賞作であるKingdom Under Fireを開発したPhantagram社のCEO,Lee, Sang Yoon氏に授賞した場面のことだ。
 ご存じの人もいるだろうが,NC Softは,Phantagramが開発したMMORPG「Shining Lore」を買収して,結局サービスを中止させた張本人である([韓国ゲーム事情#156]参照)。この二人のぎこちない授賞シーンは,業界人の目には"良いゲームを見抜けなかったCEOと,悔しさをバネに成功したCEO"という寓話的な場面に映ったようで,しばらくはこの話題で持ちきりだった。

 大賞のKingdom Under Fireは,企画当時はコンシューマとPCの両方で発売される予定だったが,開発期間が延びたことを理由に,PCおよびXbox以外のコンシューマ版は開発中止に。この後の予定も未定だ。ただしXbox版に関しては,日本でもジャレコから2005年1月27日に発売される予定になっている。

上段左:最優秀賞を受賞した,NEXON社のMMORPGの「Mabinogi」 上段中央:文化観光部次官とNC SOFT社のT.J. Kim氏による大賞発表 上段右:Kingdom Under Fireが大賞を受賞 下段左:お馴染みT.J.Kim氏と,Phantagram社CEOのLee, Sang Yoon氏 下段中央,右:Kingdom Under Fireは,この10月には北米でも発売されて,好評とのこと


 各部門の受賞作は,以下の通り。

大賞(大統領賞)……「Kingdom Under Fire:The Crusaders」(Phantagram)
最優秀賞(国務総理賞)……「Mabinogi」(NEXON)
優秀賞
 PC/テレビゲーム(パッケージ)部門……「マグナカルタ:真紅の聖痕」(SOFTMAX)
 オンラインゲーム部門……「RF Online」(CCR)
 アーケードゲーム部門……「Robot Zzang」(CFN)
 モバイルゲーム部門……「Traffic」(Com2s)
 機能性ゲーム部門……「英語攻略王」(ESL Edu社)
技術創作賞
 ゲームグラフィックス部門……「Kingdom Under Fire:The Crusaders」(Phantagram)
 ゲームキャラクター部門……「マグナカルタ:真紅の聖痕」(SOFTMAX)
 企画/シナリオ部門……「Mabinogi」(NEXON)
 ゲームサウンド部門……「Kingdom Under Fire:The Crusaders」(Phantagram)
功労賞
 産業振興部門……Hong, Dong Hee代表(Makkoya)
 健全ゲーム文化部門……Woo, Ok Hwan理事長(韓国青少年村)
人気ゲーム賞
 国内部門……「Kart Rider」(NEXON)
 海外部門……「ウイニングイレブン8」(コナミ)
優秀プロゲーマー賞……Choi, Yeon Sung選手(SK T1)
アマチュア賞……「Catch Cat」(Park, Byung Yong氏)
優秀ゲームセンター賞……ワールドカップゲームセンターなど5か所


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http://www.4gamer.net/news/history/2004.12/20041213212729detail.html