2005年3月7日から11日まで(現地時間)の5日間にわたって,アメリカはサンフランシスコの中心街にあるイベント会場モスコーニ・センター(Moscone Center)のWestホールにおいて,
Game Developers Conference 2005(略称はGDC 2005)が開催されている。
GDC 2005は,PC,コンシューマ機,オンライン,モバイル,アーケードなどプラットフォームを問わず,ゲーム開発に携わるプログラマやデザイナー,アーティスト達が全世界から集まるカンファレンスである。
総計で300種以上のレクチャーが行われるという,情報の洪水のようなイベントだが,ゲームの業界や開発に関わる専門的な講義から,新作紹介や開発チームの裏話までを含めて,ゲームをプレイする側の我々にも興味深い話が多い。開発者達が今何を考え,これから数年後のゲーム業界がどのように動いていくのかを知るうえでも,非常に重要な役割を果たすのである。
今年で16回目を迎えるGDCも,初回の1989年にはたった20人程度のゲーム開発者達が,ひっそりと集まってゲームの話をするというものだった。それが今や,ヨーロッパやアジア地域を含む1万人前後の業界関係者が集合する一大イベントへと成長し,コアとなる
IGDA(International Game Developers Association)のメンバーを中心に,活発な活動が行われるようになった。
これまでのプログラミング,ゲームデザイン,プロダクション,経営&法律,オーディオ,ビジュアルアート,IGDA会合という七つのトラックに加え,今回は
「ビジョン」トラックというゲーム業界の未来像を語る新しい講義体系が追加されている。
2002年から活動を始めたばかりの
IGDA Japan(代表:新清士/Shin Kiyoshi氏)は2005年3月現在会員160人程度に成長し,アメリカ,カナダ,イギリスに次ぐ規模を誇るようになったという。日本人ゲーム開発者による講演も多く,今回の基調講演で壇上に登る任天堂社長の岩田聡氏をはじめとして,辻本憲三氏(CESA),松浦雅也氏(七音社),稲葉敦志氏(クローバースタジオ),植松伸夫氏(SMILE PLEASE),山岡晃氏(コナミ),高橋慶太氏(ナムコ),平林良章氏(カプコン),岩谷徹氏(ナムコ),水口哲也氏(Q Entertainment)ら,そうそうたる顔ぶれが並ぶ。もちろん海外ではウィル・ライト(Will Wright)氏やピーター・モリニュー(Peter Molyneux)氏らおなじみのビッグネームも揃っており,いつにも増して期待できそうな気配だ。
GDC 2005ではほかにも「ゲーム・デベロッパーズ・チョイス賞」や,「インディペンデント・ゲーム・フェスティバル賞」などの授賞イベントも行われ,当サイトの
「こちら」でも紹介した"ウォーク・オブ・ゲーム"の記念式典も開催される見込みだ。
初日から2日間は,若い開発者向けのお堅い講義が続くものの,3日めの水曜日からは新作やミドルウェアが紹介されるエキスポ会場もオープンし,いっそう華やかなものになる。現在は,そのエキスポ会場の設営に大忙しで,通路のあちこちにブース機材やコンピュータが山積みの状態だ。
それでは今週いっぱい,4Gamer独自の情報も含めて,GDC 2005の魅力を余すところなくお伝えしていこう。