本日のテーマはマップである。バトルフィールドとは“戦場”のこと。そして,戦場とはつまりマップのことなのである。そのくらい重要な要素なので,ぜひしっかり学んでいただきたい。大丈夫。論理展開が強引なのはこちらも重々承知である
未来新兵諸君! 本日は地理を頭に叩き込んでもらうぞ。知識豊富な諸君のことだから,イギリスの首都は楽しいロンドンだとかアメリカの首都は銀座ワシントンだとか,そういう常識はすでに身につけているだろう。だが,ここで学ぶのは戦場の地理である。つまり,マップの研究をしようというわけだ。
「バトルフィールド2142」には10枚のマップが用意されている。すべてのマップでConquestモードがプレイでき,また,そのうちの5枚でTitanモードを,そして別の5枚(重複マップ1枚あり)でConquest Co-opモードが楽しめるようになっている。「バトルフィールド2」と同様,各マップは16人用,32人用,64人用,そして新たに導入されたタイタンモードの48人用の各サイズがあり,それぞれ拠点/サイロの数,あるいはリスポーンされる兵器などが異なるのだ。Conquestモードのマップには,これまたマップのサイズによって「バトルフィールド1942」以来の伝統と格式を誇るアサルト,ヘッドオン,ダブルアサルトの各バリエーションが付いているわけである。また,Conquest Co-opとシングルは同じマップを使用し,これは16人用しかない。
……どう? こんがらがってきたかね,諸君。言っている本職もこんがらがっているので,諸君もそうだといいなあ。
あ,いかん,川だ。泳げ! ス〜イスイ。あ,向こう岸に敵だ。逃げられん! というのは新兵によくありがちなミスだ。土地勘を十分に養えば,効率的な機動で効率的な攻撃をかけられるのだ
さて,言うまでもないことではあるが,バトルフィールド2142に必勝法はない。参加人員や,各兵士のスキル,さらには敵方の戦略などによって戦場の状況は千変万化し,一つの作戦があるときはうまくいき,またあるときはうまくいかないものの,ときどき中途半端に成功しちゃう,という具合だ。一筋縄ではいかないわけね。
しかし,なんだかよく勝つクランもいるし,勝ちを重ねる司令官もいる。あるいはポイントを稼ぎまくる分隊もいやがりやがる。彼らの秘密はなんであろうか? それはマップを知り,戦い方に長けているということだ。言うまでもなく,そういうことにしてもらわないと話が進まないので,そういうことにしてもらいたいわけだが,マップを知るということは,地形を知るだけではない。ポイントは拠点とサイロだ。拠点とサイロはどれも「勝利するために必要」な点は一緒だが,だからといって戦略的に同じというわけではない。
奪いやすい拠点もあれば,防御しやすいサイロもある。重要な兵器や砲座などが出現する拠点/サイロもあるし,各拠点/サイロ間の連携もまた問題になってくるだろう。
というわけで,今回はタイタンモードに登場するマップを5枚,ざっと紹介しよう。タイタン戦なので,マップはすべて48人用でモードはすべてアサルトだ。望ましい戦い方についても軽く触れるが,あくまで“よくある話”程度に留めていただきたい。なぜなら,人間同士の戦いだけに,戦闘パターンはよく破られるし,プレイヤーのトレンディな戦略も日々変わっていくからである。また,それぞれのサーバーによって最大参加人員やリスポーンする武器の種類や数なども微妙に違うため,ここに紹介するのはデフォルト状態の説明であることも,お含みおきを。さあ,地獄の戦場にレッツゴー!
ロシアの古都,ミンスクがその戦場だ。EU軍のタイタンは北に,PAC軍のタイタンは東に位置している。それぞれのタイタンの真下には兵器類がリスポーンするポイントがあるが,サイロではない。すべてのサイロにおいて,占領することで戦車,バトルウォーカーが手に入るので,数多く占領することで戦況はますます有利になっていくわけだ。
序盤の展開のスピードがまず勝負になるだろう。双方からほぼ等距離にある4番サイロをめぐる戦いが発生しやすく,戦いの焦点となる。
森林地帯が多く,また高低差も複雑で,地理に慣れていなければ余計な回り道をしてしまうはずだ。有利不利をあえて言えば,高い場所にあって近づきにくい5番サイロを持つEU軍が有利だろうか。PAC軍は最も近い3番サイロに近づくまでにやや距離があり,序盤の展開に時間がかかるのだ。
|
|
|
かつては「オフィスビルのオブジェの前に午後7時に集合」と使われたであろうヘンテコなオブジェの前に4番サイロがある。バトルウォーカーがリスポーンしているのが見える |
森が広がり,高低差も複雑な地形のMinskマップでは,航空機が威力を発揮する。タイタンモードでは輸送機もリスポーンポイントになるので,その機能を有効活用したい |
PAC軍陣営から一番近い1番サイロは,EU軍がここを制圧すれば敵の地上兵力を足止めできるため,中盤以降の激戦区の一つになる。コンクリートのロードブロックがやっかい |
|
中央の小高い丘を挟んで,彼我のタイタンが配置された対称性の高いマップだ。初期配置のそれぞれタイタンから近い二つのサイロは確保,保持が比較的容易なので,勝負の行方は,中央の円筒状の建物にある1番サイロの帰趨にかかってくるだろう。どのサイロも占領することで,APCや戦車,バギーなどがリスポーンするが,強力なバトルウォーカーが出現するのは1番サイロだけなのだ(同時に2台までリスポーン)。
丘の周辺以外は非常に開けた土地で,接近が容易に暴露されるため,拠点に熟練した一分隊が陣取ると再奪取が非常に難しくなる。例によって,タイタンの真下には兵器置き場があるが,輸送機で突入して戦車などを奪っていく剛の者もいるので注意が必要かも。
|
|
|
この建物の下にある1番サイロで激戦が繰り広げられる。建物の上に陣取って下を狙うプレイヤーが結構いるが,戦略上,そんなことしても役に立たないのではないかと思う |
土地が開けているため,輸送機による裏取りの試みが頻繁に行われる2番サイロ。とはいえ,対空砲が設置してあるため,うっかり近づくと餌食になってしまう可能性もある |
戦車がリスポーンするため,この3番は重要なサイロである。敵の分隊にがんばられると,再占領はなかなか難しいだろう。チームワークを駆使しての攻略が必要だ |
|
一見するととてもそうは見えないが,ここはエジプト。水路と発電施設が複雑に入り組んだマップで,1,4番サイロが川の西岸,3,5番サイロは東岸に位置している。それぞれの距離は近く,両方の占領は比較的楽だ。したがって,中央の2番サイロが焦眉の急となるだろう。2番サイロは頑丈な壁で囲まれているので攻め難い。大型兵器を持ち込んだところで,最後は歩兵の撃ち合いになるだろう。
全体に各サイロ間の距離が短いため,例えば2番上空にタイタンを移動させると,すべてのサイロが下部砲台の射的距離に入るし,敵にサイロを奪われた場合,タイタンのカプセルでひとっ飛び,という具合に,取ったり取られたりがスピーディに繰り返される面白いマップである。兵器類は比較的豊富な印象で,戦車やバトルウォーカー,そして戦闘機などが入り乱れた激しい戦闘があちらこちらで起きるだろう。
|
|
|
壁で囲まれた2番サイロは攻略困難。タイタンを上に持ってこられると,なんだかわけが分からないうちにやられていたりする。近所の対空砲でタイタンの下部砲台を狙おう |
バトルウォーカーの出現する4,5番サイロがキーポイント。それぞれ武器置き場から近いので,メカ同士の激戦が起きやすい。序盤の展開で早めに押さえておきたい |
初期配置のEU軍のタイタンからほど近い1番サイロだが,意外に取ったり取られたりが繰り返され,保持が難しい。海側からこっそり近づくのも手である |
|
マップの真ん中に一本の太い道が走る印象的なマップ。それぞれのサイロの占領難度にさほどの違いはなく,強いて言えば,橋の下にある5番サイロが少々やっかいなくらいだ。土地は開けており,バギーによる強襲が序盤では効果的だろう。航空機などによる素早い展開と,確実なサイロの維持が勝利への道だ。このマップもほかと同様,初期位置のタイタンの真下には兵器置き場がある。
有利不利を考えると,兵器置き場が川の西にあるEU軍と,砂漠の真ん中にあるPAC軍では,どうしても長い橋を越えてこなければならないEU軍のほうが,展開にやや不利かもしれない,といった程度。ただしPAC軍は,突入してきた敵歩兵に武器を奪われやすいような気もする。地上兵器はやや少なめな雰囲気で,工兵が修理に活躍するだろう。また,マップの至る所にある高いタワーは,狙撃兵に絶好のポイントを提供してくれる。
|
|
|
橋の下にあり,地形的に敵の接近が分かりにくい5番サイロ。ここも,どこから撃たれたのかさっぱり分からないうちに倒されることが多い。すぐそばに建つタワーの上が怪しい |
ここもまた,背後の施設に立て籠もられると,占領部隊が良い狙撃目標になってしまうだろう。全体に,占領しにくく守りにくい,やっかいなサイロが多いと思う |
EU軍が兵器置き場から戦車を移動する場合,この橋を使う必要がある。なので,この橋のたもとを押さえられてしまうと,全体に武器が少なめなマップなだけに,つらい |
|
第一次世界大戦の古戦場,フランス北部のベルダンは一面の銀世界だ。マップは広く,サイロも分散しているため,移動手段を考えつつ,占領行動を進めていかなくてはならない。マップを南北に走る川と,高い壁が移動の障害になり,近いように見えて意外な遠回りを強いられたりする。したがって,航空機を使った移動が手っ取り早いだろう。
降り続く雪のため上空の視界は悪く,空中戦は難しい。それも輸送機にとってはメリットとなるはずだ。
町中の教会の廃墟にある2番が攻めにくいが,それ以外のサイロの占領難度は同じくらい。中央の5番サイロにはバトルウォーカーが出現するので,“分かっている”兵士ならまず狙ってくるだろう。1,2番サイロには戦車が出現し,タイタンの真下の兵器置き場には戦車が2両ずつあるため,兵器不足になることはなさそうだ。土地が広いので戦車戦も堪能できるだろう。
|
|
|
貴重なバトルウォーカーを手に入れるにはこのサイロを占領しなくてはならない。敵だってそのつもりだからドタバタが起きる。占領後の維持も結構大変だろう |
教会の前庭にある2番サイロは大型地上兵器が接近しにくく,また工兵などが隠れる場所が多いため,面倒だ。分隊での白兵戦になることが多く,射撃のスキルがものを言う |
このような高い壁がマップを二つのエリアに区切っており,さらに川も流れているため,地上兵器の進行ルートが限られてしまう。序盤を制した側の一方的な展開になることも |
|
タイタンモードそのものが新しいため,それぞれのマップはさほど個性的ではない,という印象である。5枚どれもが非常に素直で,有利不利がはっきりしたものはない。それだけに,兵士のスキルとチームワーク,そしてマップに関する知識が勝敗に如実に現れてきそうだ。今後の追加マップなどで,意表を突いたものが出てくるとさらに面白くなるだろう。期待したいものである。というわけで今回は終わり。気をつけ! 解散!
タイタンは動かすべきか,動かさざるべきか
タイタンを動かすコマンダーと動かさないコマンダーがいることは,古参兵ならとっくに知っているだろう。タイタンを敵タイタンの近くへ,あるいはサイロの上空へ移動させることによって得られるメリットは,1)タイタンの強力な下部砲台を使って,敵を殲滅できる。2)タイタンのポッド射出によってサイロに行けるので,占領/再占領が楽。3)タイタンの上部砲台を使って,敵タイタンから飛び上がった敵機を迎撃できる。と,いいことだらけのような気がする。せっかくあるタイタンの攻撃力を使わない手はない,というわけである。
デメリットとしては,1)サイロ周辺に配置された対空砲で下部砲台が破壊されやすい。2)サイロにリスポーンした敵工兵のロケットランチャーで以下同。3)サイロにリスポーンしたAPCのカプセル射出で,タイタンに乗り込まれやすい。4)敵タイタンからの直接のカプセル射出で以下同。てな感じ。さーて,動かしたほうがいいのか,それとも,そうでもないのか?
動かさない場合は下からの攻撃に安全になり,下部砲台の砲員は接近してくる敵APCに,また上部砲台の砲員は敵輸送機に注意を払える。その代わり,タイタンの援護がない地上部隊はサイロ攻略に苦労するはずだ。カプセルを使って戦闘区域へひとっ飛び,なんてこともできなくなるが,シールドが壊されてからもなかなか沈没しないですむ。「守って勝つ」タイプだ。
個人的な経験から言えば,だいたい“6対4”ぐらいで,積極的にタイタンを移動させた側が勝つような気がするのだけど,どうですかねえ?