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Xperia Z3やGALAXY Note Edgeの実力をベンチマークで検証。NTTドコモ2014冬モデルテストレポート(前編)
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印刷2014/10/01 15:23

テストレポート

Xperia Z3やGALAXY Note Edgeの実力をベンチマークで検証。NTTドコモ2014冬モデルテストレポート(前編)

画像集#002のサムネイル/Xperia Z3やGALAXY Note Edgeの実力をベンチマークで検証。NTTドコモ2014冬モデルテストレポート(前編)
 既報のとおり,2014年9月30日,NTTドコモは2014〜2015冬春モデル(以下,2014冬モデル)のAndroidスマートフォン新製品を発表した。XperiaシリーズとGALAXYシリーズがそれぞれ2製品ずつと,ARROWSやAQUOS,Disneyコラボモデルの新製品も加わった計7製品がラインナップされている。
 2014冬モデル新製品を眺めてみると,実のところスペック面ではあまり進化が見られない。ゲームに影響の大きいSoC(System-on-a-Chip)の性能やメインメモリ容量,内蔵ストレージ容量といった部分での目新しさには欠ける。それだけAndroidスマートフォンが成熟期に入ったともいえるわけで,端末メーカー各社は新しいユーザー体験を実現しようと奮闘している。その成果が,今冬の新製品にも現れているようだ。

 4Gamer恒例のスマートフォン新製品テストレポートでは,まずは読者の注目も高いと思われるXperiaシリーズとGALAXYシリーズを見てみるとしよう。

今回発表された新製品は,スマートフォンやタブレットだけでなく,「ガラケー」ことフィーチャーフォンや子供向けウェアラブル端末など多岐にわたる。ガラケーのラインナップを絶やさないのはNTTドコモらしいところ
画像集#003のサムネイル/Xperia Z3やGALAXY Note Edgeの実力をベンチマークで検証。NTTドコモ2014冬モデルテストレポート(前編)


Xperia Z3&Xperia Z3 Compact

Z2からの進化は意外に多い


Xperia Z3(左)とXperia Z3 Compact(右)。サイズ以外はそっくりの姉妹機である
画像集#006のサムネイル/Xperia Z3やGALAXY Note Edgeの実力をベンチマークで検証。NTTドコモ2014冬モデルテストレポート(前編)
 Xperiaシリーズの新モデルは,「Xperia Z3 SO-01G」(以下,Z3)と「Xperia Z3 Compact SO-02G」(以下,Z3 Compact)の2製品である。

 まずXperia Z3だが,5.2インチサイズ・解像度1080×1920ドット(以下,フルHD解像度)の液晶パネルを備えた本体の外観は,パッと見では2014年夏モデルだった「Xperia Z2」(以下,Z2)から,大きな変更はないように見えるかもしれない。とくに,本体背面はシリーズ定番のフルフラット形状で,XperiaのDNAをそのまま受け継いでいる印象だ。

 一方,四方の側面部分は大きく変わり,丸く弧を描いたラウンドフォルムを採用している。液晶パネルサイズが5インチを超えると,片手での持ちやすさで問題が出がちだ。しかし,側面を丸くすることは持ちやすさの改善につながるので,幅72mmというサイズであっても,Z3は持ちやすいと感じる人が多いだろう。
 片手操作で扱うことが多い人は,重心もチェックすべきポイントだ。Z3の重心は中心よりやや下に位置しており,約152gという重量でありながら,重いとは感じにくかった。

画像集#004のサムネイル/Xperia Z3やGALAXY Note Edgeの実力をベンチマークで検証。NTTドコモ2014冬モデルテストレポート(前編)
Z3の本体前面。Xperiaシリーズ伝統のデザインといったところ,フロントのステレオスピーカーも健在だ
画像集#005のサムネイル/Xperia Z3やGALAXY Note Edgeの実力をベンチマークで検証。NTTドコモ2014冬モデルテストレポート(前編)
本体背面。フルフラットのデザインや左上のカメラ配置は従来どおり。NTTドコモのロゴが背面のど真ん中にある点が最大のインパクトか

本体上側面(左)にはヘッドフォン端子とマイクがあるだけ。ラウンドフォルムの形状がよく分かる。一方,本体下側面(右)にインタフェース類は一切ナシ
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本体左側面(左)には,防水カバーの下にUSB Micro-B端子が隠れているほか,クレードル用の接点,ストラップホールがある。本体右側面(右)には,左からシャッターボタンと[音量調節]ボタン,[電源/スリープ]ボタンが並び,防水カバーの下にはmicroSDカードスロットとSIMカードスロットが隠れていた
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microSDカードスロットとSIMカードスロットの防水カバーはやや固めだった
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カラーバリエーションはシックな4色構成

 Z3とZ3 Compactの共通した特徴に挙げられているのが,カメラとサウンド機能だ。アウトカメラは,画素数こそ約2070万画素でZ2と変わらないものの,レンズがやや広角寄りになったほか,高性能な電子式手ぶれ補正機能を搭載している。このあたりはカメラメーカーでもあるソニーグループ製品ならではの特徴だろう。
 サウンド面では,本体前面に装備されたステレオスピーカーがポイントとなる。音楽再生だけでなく,ゲームサウンドの迫力を高めるのに効果的だ。なお,今冬のNTTドコモ新製品は,全機種がハイレゾ音源の再生に対応しているが,ハイレゾでの再生には対応するヘッドフォンが必要となる。今のところゲームには関係ない話だが,音楽プレイヤーとしてスマートフォンを利用する人には役立つこともあるだろう。

画像集#013のサムネイル/Xperia Z3やGALAXY Note Edgeの実力をベンチマークで検証。NTTドコモ2014冬モデルテストレポート(前編)
マルチタスク操作にも対応するが,5.2インチサイズでは2ウインドウが限界といったところか
画像集#014のサムネイル/Xperia Z3やGALAXY Note Edgeの実力をベンチマークで検証。NTTドコモ2014冬モデルテストレポート(前編)
ゲーマー的には目玉機能である「PS4 リモートプレイ」のデモ。PlayStation 4との接続はIEEE 802.11ac経由で,顕著な遅延は感じられなかった

 スペック面の進化は率直にいって少ない。SoCにはQualcomm製の「Snapdragon 801」を採用しているのだが,顕著な違いは最大動作クロックがZ2の2.3GHzから2.5GHzへと向上した程度。メインメモリ容量は3GB,内蔵ストレージ容量が32GBと,ここも変わらない。
 では何も変わっていないのかとたずねたところ,Z3とZ2の大きな違いはレスポンスにあると説明員氏は語る。キー入力やフリック,ドラッグなどの応答性を中心に大きな見直しが図られ,OSチューニングもその点に注力し,ユーザーに使って満足してもらえるものを目指したそうだ。実際,試用機を触ってみた限りでは,フリック操作が指の動きにきちんとついてくる感じで,タップもかなり敏感に反応する印象を受けた。

 それでは筆者恒例のベンチマークテストを行ってみよう。テストはいつものとおり,Android版「3DMark」によるグラフィックス性能の計測と,連射測定アプリケーション「ぺしぺしIkina」による連打の応答性計測という2本立てである。なお,今回から3DMarkのスコアは,特別な理由がない限り,「Ice Strome Extreme」プリセットと「Ice Storm Unlimited」プリセットの2種類を見ることにする。「Ice Strom」プリセットは,もはや負荷が軽すぎて意味をなさないためだ。

 さて,その3DMarkだが,Ice Strome Extremeでは,測定上限の「Maxed out!」に到達したものの,SoC性能を測るのに適したIce Storm Unlimitedでは,「16717」に留まった。もちろん高いスコアではあるのだが,Z2では「18758」を記録しているので,それを下回っている。試作機ゆえの現象か,それともZ3ではなんらかの理由でGPU性能が低めになっているのか,理由は不明だ。

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Z3におけるIce Storm Extreme(左)とIce Storm Unlimited(右)のスコア(クリックすると詳細スコアを表示します)。「16717」は低いスコアではないが,Z2に負けているのは気になる

ぺしぺしIkinaの結果。12タップめまではストレートだったので,ある程度は連打するゲームにも耐えるといったところ
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 ぺしぺしIkinaでは,連打回数が93〜96になるように連打して,スコアは「60」となった。ここ最近,筆者がテストした端末ではもっとも低い結果である。テストした試作機ゆえの問題という可能性もあるが,連打の多いゲームをプレイする場合は注意が必要かもしれない。傾向としては,12タップめまではストレートに検出したものの,それ以降は3〜5タップごとに細かい飽和が発生し,45タップめには長い飽和があった。
 しかし,ソフトウェアキーボードの入力,たとえばフリックの感度などは実にスムーズである。連打を要求するゲームでは厳しい面があるかもしれないが,日常的な使用で操作にもたつきを感じることはなさそうだ。

●Xperia Z3 SO-01Gの主なスペック
  • メーカー:ソニーモバイルコミュニケーションズ
  • OS:Android 4.4(KitKat)
  • ディスプレイパネル:5.2インチTFT液晶(トリルミナスディスプレイ for mobile),解像度1080×1920ドット
  • プロセッサ:Qualcomm製「Snapdragon 801 MSM8974AC」(クアッドコア,最大CPU動作クロック2.5GHz)
  • メインメモリ容量:3GB
  • ストレージ:内蔵(容量32GB)+microSDXC(最大128GB)
  • アウトカメラ:有効画素数約2070万画素
  • インカメラ:有効画素数約220万画素
  • バッテリー容量:3100mAh
  • 3G連続通話/LTE連続通話:810分/1080分
  • 3G待受時間/LTE待受時間:約750時間/約640時間
  • 無線LAN対応:IEEE 802.11a/g/n/ac
  • 本体サイズ:72(W)×146(D)×7.3(H)mm
  • 本体重量:約152g
  • 本体カラー:White,Black,Copper,Sliver Green
  • 主な対応サービス&機能:spモード,spモードメール,GPS,dマーケット,VoLTE,フルセグ,ワンセグ,おサイフケータイ(NFC),WORLD WING,Bluetooth(Version.4.0),NOTTV,防水(IPX5,8),防塵(IP6X),ハイレゾ音楽再生

 さて,姉妹機の妹分であるZ3 Compactは,Z3の縮小版といって差し支えない製品だ。4.6インチサイズ,解像度720×1280ドットの液晶パネルを採用し,本体サイズは65(W)×127(D)×8.6(H)mm。2014冬モデルで小さめのスマートフォンを選ぶのであれば,Z3 Compact一択といっていい。

画像集#018のサムネイル/Xperia Z3やGALAXY Note Edgeの実力をベンチマークで検証。NTTドコモ2014冬モデルテストレポート(前編) 画像集#019のサムネイル/Xperia Z3やGALAXY Note Edgeの実力をベンチマークで検証。NTTドコモ2014冬モデルテストレポート(前編)
Z3 Compactの本体前面(左)と背面(右)。5インチ超のスマートフォンを見慣れると,とてもコンパクトに見える。デザインのコンセプト自体はZ3と同じだ

 側面が半円を描くデザインもZ3と共通のものだが,幅が65mmということもあって,十分に片手で操作できる。重心は本体のほぼ中央にあるようだ。背の高い5インチクラスとは異なり,Z3 Compactなら手にすっぽりと収まるので,グリップ感を優先するという意味では,この重心配置が正解だろう。

本体上側面(左)には,マイクとヘッドフォン端子がある。本体底面(右)には,ストラップホールとマイクが並ぶ。なお,側面は半透明の部材を採用しており,ヘコんでいるように見えるかもしれないが,丸みを帯びて膨らんでいる
画像集#020のサムネイル/Xperia Z3やGALAXY Note Edgeの実力をベンチマークで検証。NTTドコモ2014冬モデルテストレポート(前編) 画像集#021のサムネイル/Xperia Z3やGALAXY Note Edgeの実力をベンチマークで検証。NTTドコモ2014冬モデルテストレポート(前編)

本体左側面(左)には,防水カバーの下にmicroSDカードスロットとSIMカードスロットがあり,クレードル接点を挟んで写真右側には,やはり防水カバーの下にUSB Micro-B端子が配置されている。本体右側面(右)には,シャッターボタンと[音量調節]ボタン,[電源/スリープ]ボタンが並ぶ
画像集#022のサムネイル/Xperia Z3やGALAXY Note Edgeの実力をベンチマークで検証。NTTドコモ2014冬モデルテストレポート(前編) 画像集#023のサムネイル/Xperia Z3やGALAXY Note Edgeの実力をベンチマークで検証。NTTドコモ2014冬モデルテストレポート(前編)

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片手で持っても,楽に親指が画面端にまで届く。パームリジェクション機能もあるため,手のひらが触れたことによる誤認識は起こりにくい
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カラーバリエーションはBlack,Green,White,Orangeの4色。Z3よりもポップでビビットな印象を受ける

 スペック面はZ3よりも少し低めになっている。SoCは同じSnapdragon 801で,最大動作クロックも同じ2.5GHzだが,メインメモリ容量は2GBで,内蔵ストレージ容量も16GBと少なめだ。内蔵ストレージ容量が少ない点は,大容量化が進む昨今のスマートフォン向けゲームを考慮すると,少し不安が残る。
 なお試用した限りでは,OSやタッチ操作のチューニング傾向は,Z3とやや異なるようだった。フリックとタッチの反応が,良く言えばすこぶる良好,悪くいえばピーキーな反応だった。

 3DMarkによるグラフィックス性能は,Z3とほぼ同じ。Ice Storm Unlimitedのスコアは,やはりZ2に及ばないのだが,製品版ではチューニングが進むことを期待したい。

Z3 CompactにおけるIce Storm Extreme(左)とIce Storm Unlimited(右)のスコア(クリックすると詳細スコアを表示します)。Z3と大差のない結果だが,Ice Storm Extreme Graphics test 1のfpsはややバラツキが見られた
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ぺしぺしIkinaのスコアは「82」となかなか優秀だ
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 一方,タッチの反応が良いことを反映してか,ぺしぺしIkinaは「82」という良好なスコアを記録した。長い飽和はなく,16タップめまでストレートに反応し,それ以降は5〜7タップごとに短い飽和が続くといった状態だ。Z3のような引っかかりは感じないので,長い時間でなければ連打が必要なゲームにも対応可能だろう。

 性能面ではZ3に引けを取らないので,画面が小さい――4.6インチが小さいかはともかく――ことが気にならないのであれば,片手で操作しやすいZ3 Compactを選ぶという選択肢も悪くないはずだ。

●Xperia Z3 Compact SO-02Gの主なスペック
  • メーカー:ソニーモバイルコミュニケーションズ
  • OS:Android 4.4(KitKat)
  • ディスプレイパネル:4.6インチTFT液晶(トリルミナスディスプレイ for mobile),解像度720×1280ドット
  • プロセッサ:Qualcomm製「Snapdragon 801 MSM8974AC」(クアッドコア,最大CPU動作クロック2.5GHz)
  • メインメモリ容量:2GB
  • ストレージ:内蔵(容量16GB)+microSDXC(最大128GB)
  • アウトカメラ:有効画素数約2070万画素
  • インカメラ:有効画素数約220万画素
  • バッテリー容量:2600mAh
  • 3G連続通話/LTE連続通話:700分/990分
  • 3G待受時間/LTE待受時間:約800時間/約650時間
  • 無線LAN対応:IEEE 802.11a/g/n/ac
  • 本体サイズ:65(W)×127(D)×8.6(H)mm
  • 本体重量:約129g
  • 本体カラー:Orange,White,Black,Green
  • 主な対応サービス&機能:spモード,spモードメール,GPS,dマーケット,VoLTE,ワンセグ,おサイフケータイ(NFC),WORLD WING,Bluetooth(Version.4.0),防水(IPX5,8),防塵(IP6X),ハイレゾ音楽再生


GALAXY S5 ACTIVE&GALAXY Note Edge


氷漬けにされていたS5 ACTIVE。写真は別端末からの発信でスリープ解除されたところだ
画像集#029のサムネイル/Xperia Z3やGALAXY Note Edgeの実力をベンチマークで検証。NTTドコモ2014冬モデルテストレポート(前編)
 GALAXYシリーズの新製品として発表されたのは,2014年夏モデルで登場した「GALAXY S5」をベースとする「GALAXY S5 ACTIVE SC-02G」(以下,S5 ACTIVE)と,「大画面+手書き」で独自の地位を築いたGALAXY Noteシリーズのバリエーションモデル「GALAXY Note Edge SC-01G」(以下,Note Edge)の2製品である。

 まずはS5 ACTIVEから見ていこう。同機の特徴は,なんといっても堅牢性を重視した設計と,それにともなう特徴的な外観にある。堅牢性を示す指標として言及されることの多い,アメリカ国防総省の軍事規格「MIL-STD-810G」に準拠した製品で,防水防塵はもちろんのこと,耐衝撃と耐振動,耐日射に防湿,さらに塩水耐久や耐氷結といった機能を備えているという。
 外観はいかにも「堅牢性重視スマートフォン」といった風情で,弾力性の高い素材が車のバンパーのように側面を覆っている。それにも関わらず,本体サイズは74(W)×145(D)×9.2(H)mmと,堅牢性重視スマートフォンとしてはなかなか薄い。

画像集#030のサムネイル/Xperia Z3やGALAXY Note Edgeの実力をベンチマークで検証。NTTドコモ2014冬モデルテストレポート(前編)
本体前面。「手袋での操作を快適にすること」を考慮してハードウェアキーを採用している
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本体背面。後述するように中身はGALAXY S5と同じなのだが,見ためのゴツさはメカ好きの心をそそる

 ちなみに,KDDIが2014年夏モデルとして発売した堅牢性重視スマートフォンの「TORQUE G01」は,厚さが13.5mmもあった。それと比べれば,堅牢性重視スマートフォンのわりにS5 ACTIVEが携帯しやすいサイズを実現していることは,大きな特徴といえるだろう。

前掲の「Titanium Gray」だけでなく,いかにもな迷彩柄の「Camo Green」もラインナップ。ちなみに,おサイフケータイにも対応するので,背面にはおサイフケータイマークもある
画像集#032のサムネイル/Xperia Z3やGALAXY Note Edgeの実力をベンチマークで検証。NTTドコモ2014冬モデルテストレポート(前編)
 重量は約171gと,それなりにあるのだが,手に持つと思いのほか軽く感じる。重心が中央よりやや下という持ちやすい位置にあるためだろう。「しっかりホールドして持てる」という点では,2014冬モデルの中ではトップクラスではないかと思えた。左右側面には滑り止め加工が施されているので,濡れた手でも滑りにくいのもポイントだ。

 ところで,こうした堅牢性重視スマートフォンでは,各種インタフェース類を防水カバーで覆っているのが一般的で,S5 ACTIVEもUSB Micro-B端子などはカバーで覆われているのだが,意外にも3.5mmミニピンタイプのヘッドフォン端子だけは,キャップレス仕様であった。もちろん,キャップレス仕様であっても,上記の耐久性をキープしているとのこと。安心感を呼ぶ高い堅牢性と,スマートフォンとしての使い勝手を両立しているのは評価できる。

画像集#033のサムネイル/Xperia Z3やGALAXY Note Edgeの実力をベンチマークで検証。NTTドコモ2014冬モデルテストレポート(前編)
本体上側面。ヘッドフォン端子は意外にもキャップレス仕様だ
画像集#034のサムネイル/Xperia Z3やGALAXY Note Edgeの実力をベンチマークで検証。NTTドコモ2014冬モデルテストレポート(前編)
本体下側面。写真中央に,防水カバーで覆われたUSB Micro-B端子がある

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本体左側面。[音量調節]ボタンの左にある青いボタンは,[ACTIVE]ボタンというもので,任意の機能を割り振れるという
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本体右側面には[電源/スリープ]ボタンがあるだけ。側面に滑り止めのミゾがあるのがよく分かるだろう

 外観は独創的なS5 ACTIVEだが,その中身は名前のとおり,GALAXY S5そのままといっても過言ではない。搭載SoCはQualcomm製「Snapdragon 801」で,動作クロックは最大2.5GHz,メインメモリ容量2GBといったスペックは,GALAXY S5とまったく同じだ。目に付く違いといえば,内蔵ストレージ容量が16GBと,GALAXY S5の32GBよりも少ない程度か。
 今までの堅牢性重視スマートフォンといえば,スペック面で同時代のハイエンドスマートフォンに見劣りする傾向にあった。それが,S5 ACTIVEではほぼ遜色ないスペックを備えているわけで,堅牢性の代償としてスペックを諦める必要がないのは喜ばしい。

 3DMarkの結果もそれを裏付けている。Ice Strome Extremeは当然「Maxed out!」,Ice Storm Unlimitedも「18427」というスコアを記録した。

S5 ACTIVEにおけるIce Storm Extreme(左)とIce Storm Unlimited(右)のスコア(クリックすると詳細スコアを表示します)。Ice Storm Unlimitedが「18427」というのはなかなか優秀だ
画像集#037のサムネイル/Xperia Z3やGALAXY Note Edgeの実力をベンチマークで検証。NTTドコモ2014冬モデルテストレポート(前編) 画像集#038のサムネイル/Xperia Z3やGALAXY Note Edgeの実力をベンチマークで検証。NTTドコモ2014冬モデルテストレポート(前編)

ぺしぺしIkinaのスコアは「65」。初速の伸びからすると,ガラスの厚みや保護フィルムが原因とも思えず,単純にチューニングの問題だろうか
画像集#039のサムネイル/Xperia Z3やGALAXY Note Edgeの実力をベンチマークで検証。NTTドコモ2014冬モデルテストレポート(前編)
 グラフィックス性能が高いとなれば,ゲームプレイ向きといいたくなるが,ぺしぺしIkinaのスコアは「65」と,連射応答性は低めだ。傾向としては,14タップめまではストレートに伸びたが,以降は5〜7タップごとにやや長めの飽和が起き続けた。連打をあまりしないゲームであれば,初速の伸びからして問題ないだろうが,音楽ゲームのように連続した入力が続くゲームには不向きといっていい。
 いずれにせよ,環境を選ばずにゲームを楽しみたいのであれば,S5 ACTIVEは有力な候補になるだろう。

●GALAXY S5 ACTIVE SC-02Gの主なスペック
  • メーカー:Samsung Electronics
  • OS:Android 4.4(KitKat)
  • ディスプレイパネル:5.1インチ有機EL(Super AMOLED),解像度1080×1920ドット
  • プロセッサ:Qualcomm製「Snapdragon 801 MSM8974AC」(クアッドコア,最大CPU動作クロック2.5GHz)
  • メインメモリ容量:2GB
  • ストレージ:内蔵(容量16GB)+microSDXC(最大128GB)
  • アウトカメラ:有効画素数約1600万画素
  • インカメラ:有効画素数約210万画素
  • バッテリー容量:2800mAh
  • 3G連続通話/LTE連続通話:1020分/1020分
  • 3G待受時間/LTE待受時間:約570時間/約450時間
  • 無線LAN対応:IEEE 802.11a/g/n/ac
  • 本体サイズ:74(W)×145(D)×9.2(H)mm
  • 本体重量:約171g
  • 本体カラー:Camo Green,Titanium Gray
  • 主な対応サービス&機能:spモード,spモードメール,GPS,dマーケット,VoLTE,ワンセグ,おサイフケータイ(NFC),WORLD WING,Bluetooth(Version.4.0),防水(IPX5,7),防塵(IP6X),ハイレゾ音楽再生

Note Edgeの本体前面。右側のエッジスクリーンは見た目にもインパクトが大きい
画像集#040のサムネイル/Xperia Z3やGALAXY Note Edgeの実力をベンチマークで検証。NTTドコモ2014冬モデルテストレポート(前編)
 最後にNote Edgeをチェックしよう。この製品は見た目からして非常に特徴的だ。本体前面には,5.6インチサイズ・解像度1440×2560ドットという大きめの有機ELパネルがメイン画面として装備されているのだが,そのメイン画面とつながるカーブを描いた本体右側面部分が,タッチ操作可能な曲面有機ELパネル「エッジスクリーン」となっているのである。

 このエッジスクリーンは,見た目こそメイン画面とつながっているものの実際には独立した存在だ。そこはメイン画面とは別に,アプリランチャー機能や設定切り替えのショートカットが表示できるほか,通知やニュースフィードの表示なども行える。また,カメラアプリを起動すると,シャッター操作や設定変更といった機能がここに表示されるなど,さまざまな使い方ができるのだ。筆者としては,エッジスクリーンに定規を表示する機能がツボだった。

画像集#041のサムネイル/Xperia Z3やGALAXY Note Edgeの実力をベンチマークで検証。NTTドコモ2014冬モデルテストレポート(前編) 画像集#042のサムネイル/Xperia Z3やGALAXY Note Edgeの実力をベンチマークで検証。NTTドコモ2014冬モデルテストレポート(前編)
メイン画面がホーム画面だと,エッジスクリーンはアプリランチャーとなる(左)。その状態でエッジスクリーンを上から下へスワイプすると,各種設定機能へのショートカットが表示される

カメラアプリであれば,操作ボタンをエッジスクリーンに配置して,メイン画面をファインダーとして広く使うことが可能だ
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 片手でも操作できるエッジスクリーンのおかげで,画面最上段からスワイプして,通知パネルを呼び出す必要がないのも,なかなか便利だ。見た目が斬新すぎて違和感を覚えるかもしれないが,メイン画面のアプリケーションを邪魔しないよう,不必要なときには暗くなる機能があるのでゲームプレイの邪魔にはならない。

エッジスクリーンに表示する情報はカスタマイズ可能だ(左)。専用のカバーと組み合わせると,右写真のようにスリープ中でも情報を表示しておける
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エッジスクリーンで遊べるゲーム「メモリーマッチ」。いわゆる「神経衰弱」型ゲームだ
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 なお,エッジスクリーンに表示するアプリケーションを開発するためのAPIも公開されており,今後はSamsung独自のアプリストアである「Sストア」から新しい機能やアプリケーションが配信される予定もあるとのこと。ゲームの場合,たとえばキャラクターのステータス表示ができたりすると,便利かもしれない。

 エッジスクリーン以外にも目を向けてみよう。GALAXY Noteシリーズの一員であるNote Edgeは,シリーズ共通の特徴である筆圧対応スタイラス「Sペン」によるペン入力が可能な製品だ。ペンは本体下側面に収納されており,メモ書きや写真への書き込みなどに適している。

画像集#048のサムネイル/Xperia Z3やGALAXY Note Edgeの実力をベンチマークで検証。NTTドコモ2014冬モデルテストレポート(前編)
左右非対称の形状がよく分かる本体上側面。[電源/スリープ]ボタンとマイク,ヘッドフォン端子が並んでいる
画像集#049のサムネイル/Xperia Z3やGALAXY Note Edgeの実力をベンチマークで検証。NTTドコモ2014冬モデルテストレポート(前編)
本体下側面にはマイクとUSB Micro-B端子,Sペンの収納部がある。ちなみに,Note Edgeは今冬モデルで唯一の防水非対応製品だ

画像集#050のサムネイル/Xperia Z3やGALAXY Note Edgeの実力をベンチマークで検証。NTTドコモ2014冬モデルテストレポート(前編)
本体左側面には[音量調節]ボタンがあるだけ
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本体右側面はエッジスクリーンで占められている

 搭載SoCはQualcomm製の「Snapdragon 805 APQ8084」で,最大動作クロック2.7GHzと,ハイスペックなSoCを採用する点も特徴だ。メインメモリ容量は3GBで,内蔵ストレージ容量は32GBである。
 ハイスペックなSoCとくれば,グラフィックス性能にも期待したいところだが,3DMarkの結果はIce Storm Unlimitedが「15312」と,S5 ACTIVEやZ3よりも低いスコアとなった。APQ8084に統合されたGPUコアは「Adreno 420」で,S5 ACTIVEのMSM8974ACに統合された「Adreno 330」よりも新しい世代のGPUなのだが,結果がついてきていない。デバイスドライバの最適化が不十分なのかもしれないが,製品版ではもう少し高い性能を発揮してほしいところだ。

Note EdgeにおけるIce Storm Extreme(左)とIce Storm Unlimited(右)のスコア(クリックすると詳細スコアを表示します)。Ice Storm Extremeは優秀だが,Ice Storm Unlimitedが振るわない結果に終わったのは意外だ
画像集#052のサムネイル/Xperia Z3やGALAXY Note Edgeの実力をベンチマークで検証。NTTドコモ2014冬モデルテストレポート(前編) 画像集#053のサムネイル/Xperia Z3やGALAXY Note Edgeの実力をベンチマークで検証。NTTドコモ2014冬モデルテストレポート(前編)

ぺしぺしIkinaの結果は「73」。飛び抜けていいわけではないが,大抵のゲームには困らない程度か
画像集#054のサムネイル/Xperia Z3やGALAXY Note Edgeの実力をベンチマークで検証。NTTドコモ2014冬モデルテストレポート(前編)
 ぺしぺしIkinaによる連打計測結果は「73」。16タップめまでストレートに伸びて飽和を確認し,それ以降は32,40,50,55,62タップめと不規則に飽和が見られた。初速の伸びが悪くなく,長時間叩き続けるのでなければ,連打の多いゲームにも耐えるだろう。

 5.6インチというNote Edgeの画面サイズは,2014冬モデルでは最も大きいものだ。とはいえ,「iPhone 6 Plus」が5.5インチに大画面化された今では,他製品と比べてそれほど差があるわけでもなくなった。そうなると,やはりエッジスクリーンという奇抜な機能をどう評価するが,Note Edgeを選ぶか否かの分かれ目になりそうだ。
 全画面でゲームをプレイ中に,その他のアプリケーションが示す情報が見られるようであれば,意外と便利に使えそうではある。その点に期待してNote Edgeを選ぶというのも悪くないかもしれない。

●GALAXY Note Edge SC-01Gの主なスペック
  • メーカー:Samsung Electronics
  • OS:Android 4.4(KitKat)
  • ディスプレイパネル:5.6インチ有機EL(Super AMOLED),解像度クアッドHD+(1440+160)×2560ドット
  • プロセッサ:Qualcomm製「Snapdragon 805 APQ8084」(クアッドコア,最大CPU動作クロック2.7GHz)
  • メインメモリ容量:3GB
  • ストレージ:内蔵(容量32GB)+microSDXC(最大128GB)
  • アウトカメラ:有効画素数約1600万画素
  • インカメラ:有効画素数約370万画素
  • バッテリー容量:3000mAh
  • 3G連続通話/LTE連続通話:1110分/1020分
  • 3G待受時間/LTE待受時間:1020分/約470時間/約430時間
  • 無線LAN対応:IEEE 802.11a/g/n/ac
  • 本体サイズ:82(W)×151(D)×8.5(H)mm
  • 本体重量:約177g
  • 本体カラー:Charcoal Black,Frost White
  • 主な対応サービス&機能:spモード,spモードメール,GPS,dマーケット,VoLTE,フルセグ,ワンセグ,おサイフケータイ(NFC),WORLD WING,Bluetooth(Version.4.1),NOTTV,ハイレゾ音楽再生

NTTドコモ 2014年冬モデル新製品 特設ページ


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