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ミリ波5G&HDMI入力対応の「Xperia PRO」が発売。Xperia 1 IIベースのカメラマン向けモデル
Xperia PROは,直販サイトおよびソニーの直営店である「ソニーストア銀座・名古屋・大阪・福岡天神」にて販売を行うほか,一部の家電量販店、ECサイトでも取り扱われる予定だという。メーカー想定売価は,22万8000円(税込25万800円)となる。なお,音声通話やモバイルデータ通信を行うには,通信事業者との回線契約が別途必要だ。
Xperia PROの概要。5Gのミリ波対応とHDMI入力端子の搭載が特徴だ |
Xperia PROのターゲットユーザー。報道カメラマンやプロの映像クリエイターだけでなく,YouTuberやVlogerなども含まれる |
Xperia PROの機能や性能は,ベースとなったXperia 1 IIと共通する部分が多い。たとえば,Xperia PROの搭載SoC(System-on-a-Chip)は,Xperia 1 IIと同じ「Snapdragon 865 5G Mobile Platform」(以下,Snapdragon 865)である。
なお,Qualcommは,すでにSnapdragon 865の後継製品にあたる「Snapdragon 888 5G Mobile Platform」や「Snapdragon 870 5G Mobile Platform」といったSoCを発表済みだ。なぜXperia PROではこれらの最新SoCを採用しなかったのか。ソニーモバイルによると、Snapdragon 865を利用して開発に着手していたことと,プロのカメラマンや映像作家向けの製品として,ほかのスマートフォンよりも動作検証に時間を要するため,Xperia 1 IIと同じSoCの採用に至ったという。
一方,両製品の違いとなるのが通信機能とインタフェース類だ。まず通信機能では,Xperiaシリーズで初めて5Gのミリ波(mmWave)に対応したのが見どころとなる。広帯域を特徴とするミリ波を利用することで,高速大容量かつ低遅延の通信を実現するという。Xperia PROおよび,Xperia PROに接続したカメラで撮影した高画質の写真や映像を,その場で配信できるようになるわけだ。
ミリ波の対応に合わせて通信アンテナや筐体設定にも手が入っている。ミリ波は広帯域を実現できる一方で,遮蔽物や雨などの障害物によって電波が減衰しやすいことが知られている。Xperia PROでは,ミリ波用のアンテナを筐体の四隅にそれぞれ配置することで,端末の方向や持ち方によらず受信感度を維持する設計を採用したそうだ。
また,ミリ波用のアンテナ特性を踏まえて、Xperia 1 IIでは強化ガラス製だったボディは樹脂製へと変更となった。公称本体サイズは,約75
加えて,受信している電波の方向や感度を視覚化する専用アプリケーション「Network Visualizer」もプリインストールしている。
なお,ミリ波の一部バンドは、発売後のソフトウェアアップデートによって対応する見通しだ。国内の通信事業者ごとの対応5Gバンドの状況などは,Xperia PROの製品情報ページで順次公開するとのこと。
Xperia PROにおけるもうひとつの大きな変更点は,ソニーモバイルがスマートフォンとして世界初を謳うHDMI入力端子の搭載だ。解像度3840×2160ドット/60fpsのHDR映像入力に対応しており,ソニー製のミラーレス一眼カメラ「α」シリーズやビデオカメラといったデバイスの外部ディスプレイとしての利用を想定している。ただし,HDCPには対応しておらず,著作権情報を含む映像は入力できない点に注意したい。
また、αシリーズとXperia PROをUSBで接続して,USBテザリングでファイル転送することも可能で,放送局などのワークフローを考慮した機能が加えられている。
Xperia PROは,Xperia 1 IIをカメラマン向けに強化したモデルだ。税込約25万円という価格も一般消費者にとっては高いハードルであり,ゲーマーが進んで選ぶ製品とはいえない。ただ,Xperiaブランドから,ミリ波対応スマートフォンが登場したことは注目に値する。そう遠くない時期に,一般消費者向け製品でもミリ波対応端末が登場することを期待したい。
ソニーモバイルのXperia PRO製品情報ページ
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