インタビュー
SONYグループのブロックチェーン「Soneium」のレイヤー3として,YGG Japanが「YAIBA」を開発中。発表会の模様をレポート[TGS2024]
登壇したのは,Shake Entertainment/YGG Japanの取締役である原島和音氏。同氏によると,今回のYAIBAや,「IVS Crypto 2024 KYOTO」で発表した「KATANA」のような日本語の名称は,世界に進出する際に日本のプロジェクトであることが分かりやすくてイメージがいいのだという。
BCG開発の未来を切り拓く「KATANA」の詳細発表&日本発チェーンの「勝ち筋」を探るパネルディスカッションをレポート
2024年7月4日,YGG Japanは新規プロジェクト「KATANA」の詳細を「IVS Crypto 2024 KYOTO」内で開催した新事業戦略発表会で明らかにした。また,衆議院議員(自由民主党)の平 将明氏らによる「世界と勝負する,日本発チェーンの『勝ち筋』」というパネルディスカッションも行われたので,まとめて紹介しよう。
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- 副編集長:noguchi
YAIBAは,SONYグループのブロックチェーン「Soneium」のレイヤー3として,YGG Japanが開発中のブロックチェーンだ。その目標は,日本のIP(漫画,アニメ,ゲームなど)をWeb3の世界に連れてくることである。
原島氏は,最近シンガポールや韓国のブロックチェーンイベントに行った際に,日本のコンテンツが非常に注目されていることを実感したと語った。一方で,日本人の英語力の低さや,各国の文化の違いなどのハードルがあるので,日本のIPをWeb3の世界にオンボーディングする活動をしているという。
また,ゲーム開発会社がWebの習わしにつまづかないような,シームレスな開発環境の提供も目指しているそうだ。具体例としては,SDK(ソフトウェア開発キット),IPがスムーズにマーケットに出せるようなローンチブック,トランザクションを同期する仕組みなどが挙げられた。
東京ゲームショウの会場内ということもあり,今回の発表会ではブロックチェーンの専門的な部分は省略され,「まずは,Web3という新しい世界に興味を持ってほしい」というスタンスで説明されていた。
しかし筆者としては,YAIBA自体の特徴や,YGG JapanがIVSで発表していたKATANAとの違いにも興味が向いた。そこで発表会のあと,Shake Entertainment/YGG Japanの代表取締役である椎野真光氏(以下,椎野氏)に追加でお話をうかがってきた。
[インタビュー]SHAKE Entertainmentの椎野真光氏が描く,テクノロジーとクリエイティビティの融合
Web3エンターテインメントの拡大などに取り組み,日本のWeb3ゲーム業界の鍵を握るSHAKE Entertainment。そんな会社で代表取締役を務める椎野真光氏と,取締役である深沢哲也氏に,同社の事業内容や,今後のゲーム業界についてお話をうかがった。
4Gamer:
先ほど発表されたYAIBAと,IVSで発表されたKATANAの違いを教えていただけますか。
椎野氏:
簡単に言うと,チェーンの違いがあります。YAIBAはSoneium(SONYグループのブロックチェーン)のレイヤー3,KATANAはStarknet(StarkWareのブロックチェーン)のレイヤー3となっています。そしてSoneiumとStarknetは,どちらもイーサリアムをレイヤー1とするレイヤー2チェーンです。
4Gamer:
「会社の違い」以外の違いはありますか。
椎野氏:
開発サイドの話になりますが,YAIBAはPlayStationの開発者にとって使いやすいSDK,KATANAはスクリプト言語「Lua」の採用などが特徴だと思います。
4Gamer:
イーサリアムのレイヤー2チェーンはほかにもあります。YGG Japanとしては,例えばWAKIZASHIなど,今後もKATANAっぽい名前でレイヤー3チェーンを展開していくつもりですか?
椎野氏:
まだ何とも言えないです(笑)。発表の順番が前後してしまいましたが,実は最初にYAIBAを進めていて,その次にKATANAを進めていたんです。
4Gamer:
そうだったんですね。今後の展開にも注目させていただきます。
椎野真光氏(右)と原島和音氏(左) |
YGG Japan 公式サイト
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