[GC 2005#38]EQ2拡張パック「Desert of Flames」もプレイアブル
一般の来場者を楽しませることに重きを置いているためか,GCにはプレイアブルな出展作品が多い。今回も,E3の段階では業界関係者でもなかなか触らせてもらえなかったようなタイトルが,いきなり「さあどうぞ」とばかりに置いてある光景に出くわして驚いたのは,二度や三度ではなかった。
このEverQuest IIの拡張パック「Desert of Flames」(以下,DoF)も,そんなタイトルの一つ。E3ではいつもクローズドなブースしか構えていないSOEが,このGCではオープンブースで展示を行っている。ホットな情報が公開されている可能性は低いと後回しにしていたのだが,ふとした拍子に覗いてみれば,すべてのマシンがβテストサーバーにつながった状態で置いてあるではないか! ここぞとばかりにスタッフを捕まえて根掘り葉掘りと情報を聞き出し,画面撮影も存分にさせていただいた。ここではその成果をお届けしよう。まずは今回明らかになった新情報を要素ごとにまとめて書き出し,そのあとにインプレッションを掲載する。
●砂漠の町Maj'Dulと町内のファクションについて
・DoFで新たに追加される町「マージ・ダル」(Maj'Dul)には,プレイヤーが所属できるファクションが三つ存在する。「Court of Coin」と「Court of Blades」,そして「Court of Truth」だ。この3ファクションは,Maj'Dulにおいて互いに勢力を競い合っており,プレイヤーはその戦いに荷担できる。
・それぞれのファクションは"塔"(Tower)を持っており,これが抗争の軸となる。敵対勢力の塔を警護しているファクションNPCガードの7割から8割程度を倒すことで,その塔が自勢力のものになるのだ。プレイヤーのこのような行動によって,町内におけるファクションの力関係はダイナミックに変わっていく。
・自ファクションの勢力拡大に貢献する方法は,塔の襲撃以外にも存在する。一つはファクション関連のクエストをこなすこと。そのファクションに所属していなければ受けられないクエストが存在する。もう一つの方法は"ガードキャプテン"を倒すこと。ガードキャプテンを倒すために大規模なレイドは必要ない。
・3ファクションの力関係の変化は町の様子に影響を与える。Maj'Dulのあちこちにはバナー(旗)が飾られており,今どの色の旗の数が多いかで,現在のファクションパワーバランスが分かる。なお自身が所属するファクションが優勢になると,町でより有利なサービスが受けられる。さらにパワーバランスは町内のNPCのスポーンにも影響を与え,受けることが可能なクエストに変化が現れる場合もあるようだ。
・広大な新ゾーン「ロー砂漠」内での移動には「フライングカーペット」を利用できる。利用感覚はコモンランド/アントニカにおけるグリフォンのそれとほぼ同一だ。
●PvP要素「Arena Champions」について
・Maj'Dulにあるアリーナで,プレイヤー同士の戦闘が楽しめる。戦闘時には,プレイヤーキャラクターはArena Championsというモンスター(あるいはペットと表現してもいい)に変身できる。初期段階で変身可能なArena Championsの数は5種類。特定のクエストをこなしたり,Mobドロップのアイテムを使用することなどによって,その数を増やせるとのこと。DoFサービス開始時の段階では,全部で24種類程度のArena Championsが用意される予定。
・Arena Championsには,「足は速いが防御力が低い」「防御力は高いが攻撃力は低い」などといった個性が設定されている。また固有のスキルも持っている。しかし絶対的なレベルなどは存在せず,すべてのArena Championsは同じ強さである。変身前のキャラクターのクラスやステータス,装備品などは,Arena Championsの性能に影響を与えない。そのためアリーナでは,常にフェアな戦いが楽しめる。
・PvPの開始時には,まず自分がゲームを作成するか,それともほかのプレイヤーが作成したゲームに参加するかを決められる。自身が主催者となった場合には,そのゲームのルールを設定できる。用意されているゲームモードには,「キャプチャー・ザ・フラッグ」「デスマッチ」「デストロイ・ジ・アイドル」がある。オプションによっては,Arena Championsに変身しないで戦うルールにすることも可能。その場合には,すべてのキャラクターをレベルいくつにするかを設定できる。そのゲームに参加したPCは全員そのレベルにされるため,やはりフェアな戦いになる。
※追記(2005.8.22 13:35)※ ・プレイヤーは新ゾーンでクライミング(壁登り)ができる。登坂が可能なのはあらかじめ決められた崖や壁のみ。登坂可能な場所は,登り跡がついていたり,取っ手がついていたりするので分かる。クライミングはすべてのクラスのキャラクターが可能。
ファクションの概要についてはおおむね既報のとおりだが,プレイヤーがファクションに貢献するために,具体的に何をすればいいのかが分かったのは収穫だろう。自身が優勢なファクションに所属している場合のメリットに関しては,「まだこれから調整する部分である」とのことだった。
フライングカーペットの仕様については,がっかりした人もいるかもしれない。決まったルートをなぞるだけで,自由に空を飛び回れるわけではないのである。 ただし,右クリックメニューから行き先を簡単に選べるので,グリフォンよりは乗りやすい(混雑時にグリフォンの行き先メニューを誤って消してしまった経験のある人は一人や二人ではないはず)。また乗降可能なポイントが数多く用意されているようなので,新ゾーンにおけるゾーン内部の移動は,既存エリアでの移動よりも簡単なものになりそうだ。
PvP部分については,すでに出ている情報からどんなものになるのかある程度予想できていたが,想像するのと実際に見るのとではやはり大きな違いがあった。 アリーナの扉をクリックすることで,参加するゲームの選択やルールの設定をするウィンドウを表示させた途端,まるでFPSのマルチプレイの準備をしているようだと感じた。用意されているゲームモードもすべてFPSにならったものだ。実際にゲームに参加してみると,適度な広さと複雑さを持つフロアのあちこちに回復アイテムがプカプカと浮かんでいる。これもやはりFPSライクである。
もう一つPvP関連で興味深かったのは,「PvPに勝つことによって得られる報酬は,ない」ということ。PvPは純粋な対人戦の楽しみ,あるいはEQ2Players.com上のランキングに参加する楽しみを味わうためだけに用意されているのである。このユニークなPvPの仕組みは,果たしてプレイヤー達にどのように受け入れられるのか。とても気になる部分である。
※追記(2005.8.22 13:35)※ クライミングに関して。かつて行ったインタビュー
「こちら」では「どんな場所でも登坂可能」ということだったが,どうやら登れる場所はかなり限定的になっているようで,残念だ。しかし,インタビューの時点で未定であった"クライミングが可能なクラス"は,結局すべてのクラスでクライミングの恩恵を受けられることに決定している。
なお,今回用意されていたレベル50モンクは,かなり多くのArena Championsをアンロックした状態になっていた。すべてはムリだったが,そのうち8体のステータスと外観を撮影したので,(もちろん変更になる可能性は大いにあるが)ぜひご覧いただきたい。(ライター:星原昭典)
|
|
エバークエストII デザート オブ フレイム |
|
|
|
|
|
|
EverQuest is a registered trademark of Sony Computer Entertainment America Inc. in the United States and/or other countries. (c)2005 Sony Computer Entertainment America Inc. Uses Granny Animation. (c)1999-2001 by RAD Game Tools, Inc. All Rights Reserved. |
|
EverQuest II |
|
|
|
|
|
|
EverQuest is a registered trademark of Sony Computer Entertainment America Inc. in the United States and/or other countries. (c) 2005 Sony Computer Entertainment America Inc. All Rights Reserved. |
|
|
|
|