ロシア産アクションRPG「Requital」のQ&Aが公開に
「Two Worlds」や「The Witcher」「Elveon」など,最近増えてきた3DグラフィックスによるクラシックタイプのアクションRPG。そのレースに参戦したのが,ロシアのPrimal Softwareが開発する「Requital」だ。 Primal Softwareは,「I of the Dragon」など,以前からゲーム開発をしていた会社で,このRequitalは,2007年6月にイギリスのExcalibur Publishingがヨーロッパ圏での発売を発表したばかりだ。
今回は,本作のプロジェクトリーダー兼リードプログラマーの,Dmitry Lisitsa氏によるQ&Aが公開されたので,それを翻訳して紹介しよう。(奥谷海人)
これが主人公のウルフハウンド。あまり若者らしい風貌ではないが,装備品から見てまだゲームを始めたばかりのようだ
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Primal Softwareを率い,Requitalのプロジェクトリーダーとリードプログラマーを兼任するDmitry Lisitsa氏
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Q: まず,Requitalとはどんなゲームなのでしょうか?
Listsa: Requitalは,3Dグラフィックスの三人称視点RPGです。6世紀頃のロシアを舞台にしており,衣服や武器,生活の様子などは当時らしさを出そうと努めています。とはいえ,ゲームなので,フィクション部分も織り交ぜています。
Q: ストーリーはどのようなものなのでしょうか。
Listsa: 村人や家族を殺された若者が,犯人を追っていくうちに戦士(ウォリアー)として成長していく,というのが基本的なストーリーです。実はこの復讐は,割と早い段階で果たされるのですが,知らないうちに信じられないような大きな展開に足を突っ込み,自分自身の生き方について試行錯誤を続けていきます。
Q: “コンバットRPG”というフレーズが使われていますが,基本的なシステムを教えてください。
Listsa: キャラクターには,素手,至近距離用武器(剣や斧),長距離系武器(弓など)という三つの戦闘スキルがあります。これらのスキルは,それぞれの武器を使うことで成長していき,系統ごとに新たなオプションが用意してあります。 また,キャラクターは敵を倒したり,クエストをこなしたりして経験値を得ます。その経験値を,Constitution,Strength,Dexterity,そしてSpeedという四つのパラメータへと振り分けることで,キャラクターは成長します。さらに“第5のパラメータ”であるPerksというものがあります。プレイヤーはこれを消費することで,一時的にパラメータを向上させたり,特殊攻撃を発動したりできるのです。 特殊攻撃は武器の種類ごとに数多く用意してあります。戦闘に勝つには,特殊攻撃を発動するタイミングや,通常攻撃とのコンビネーションなどを考えなくてはなりません。とくに特殊攻撃を発動すると体力を消費するので,その点に注意して進めていかなければならないでしょう。 防御力はキャラクターの能力値と装備品をもとに算出されます。重たい鎧を装備すれば防御力が上がるのですが,その代わりに敏捷性を失い,敵の攻撃を避けづらくなってしまいます。 ちなみに,戦闘中でも自由に視点を変えられるので,いろんな角度から迫力のある戦いを楽しめますよ。
6世紀のスラブ地域らしく,その雰囲気はかなり素朴な印象だ。インタフェースは割とシンプルにまとめられている
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テクスチャの荒さやキャラクターの不自然な動作などが目立つ画面写真もある。今のところ,北米や日本での発売は計画されていないが,果たして我々がプレイする機会にはめぐり合えるだろうか
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Q: 武器はどれぐらい存在し,どのような特徴があるのでしょうか?
Listsa: 剣,斧,槍,短剣,弓,投石具など全部で100種類ほどですね。農耕具でも戦えるようになっています。武器を使用する特殊なクエストがありますが,それ以外はほとんど素手でもプレイを続けられますよ。両手で使う剣や斧は重いですから,プレイヤーはある程度のStrengthを備えていなければならないなど,武器の使用にはキャラクターのパラメータも影響します。また,同じ系統の武器を使い続けてスキルを伸ばすと,その系統の武器のマスターとなります。
Q: 魔法のシステムはどのようになっていますか?
Listsa: このジャンルのほかのゲームと違い,Requitalは魔法を唱える職業というものがないんですよ。一応,ウィザードやウィッチ(魔女/魔術者)はいるのですが,魔法はアイテムによって発動します。基本的には,戦士としてのスキルに集中させています。
Q: アイテムの所有制限はありますか。
Listsa: すべてのアイテムには重量があるので,気がつくと重量制限に引っかかってしまうことになるでしょう。プレイヤーは,どのアイテムをキープするか,捨ててしまうか,売りさばくか,という選択をしなければなりません。ちなみに,アイテムの売買ができるトレーダーは街から原野までいろんなところにいて,トレーダーごとに取り扱っているアイテムが異なっています。この取り引きでは,ゴールドとシルバーの二つの通貨を使って売買となります。
Q: 旅の途中で仲間となるNPCなどは存在するのでしょうか。
Listsa: ほとんどの場面では一人ですが,出会った村人を守りながら戦ったり,NPCが一時的に仲間となってサブクエストをこなしたりすることがあります。場合によっては,10人近いNPCに混じって敵と戦うこともあるんですよ。あと,主人公はコウモリをペットにしています。
Q: ゲーム世界の大きさはどれくらいでしょうか。
Listsa: Requitalは大きく分けて八つの地域のマップで構成されていて,草原や森林,河川,ダンジョン,湿地,砂漠など,さまざまな地勢を用意しています。マップ上のどの場所へ行っても,違いを見いだせるでしょう。 プレイ時間は,メインストーリーだけをプレイすると15時間くらいでクリアできると思います。時間制限はないので,寄り道して豊富にあるサブクエストを一つずつ楽しんでもらってもいいですし,メインストーリーが終わったあとも,ゲームを続けられるオプションがあります。
Q: 気象や時間の変化がゲームに影響しますか?
Listsa: 古代のスラブ地域では,太陽と月が神として崇められていましたので,昼夜の流れはゲームの企画段階から不可欠なものとして存在しています。ゲームそのものに影響することはないのですが,ゲーム中で周囲の世界に影を落とす夕日を眺めたり,朝には鳥のさえずりを聞いたりという環境の雰囲気は良く表現できていると思います。
Q: 本作の最大の魅力はなんでしょうか。
Listsa: 古代のスラブ世界というのは,ゲームで描かれたことはほとんどありませんので,これだけでも十分にユニークだと考えています。戦闘システムやキャラクターの成長,ストーリーなどはもちろんですが,ゲームの雰囲気そのものを満喫してもらいたいです。
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