大型Sim千夜一夜
Text by Murayama
第七回:地下鉄博物館
こいつはすごいぜ
揺れる電車筐体
君も僕も運転士
形態 電車シミュレータ(6000系)
プレイ料金 無料
プレイ時間 2分程度
人数 1名

 前回,船舶のシミュレータがプレイしたいと締めくくったこともあって,船舶のシミュレータを探していた。すると国立科学博物館に船舶や飛行機のシムがあるとの情報をキャッチ。さすが国立やるじゃないか! と喜び勇んだものの,実際はすでに展示は終了していて,復活はないという。
 そんな悲報でぐったりしているところに,東京は葛西の地下鉄博物館に,すごい電車シムがあるとの噂が飛び込んできた。でも電車は何度も紹介しているし,本当にそんなにすごいシムがあるだろうか。
 地下鉄博物館は,文字通り地下鉄をテーマにした博物館で,東京メトロ(旧帝都高速度交通営団)の車両や路線の歴史が楽しめる。博物館の奥にはシミュレータコーナーがあり,千代田線,有楽町線,丸の内線,東西線といった東京在住者にはおなじみのシミュレータが設置されている。
 この中でも今回の本命が千代田線なのだが,パッと見では,今までに紹介した電車シムと何が違うのかが分からないだろう。それもそのはず,この車両の最大の特徴は,筐体が揺れる仕組みになっているのである。しかも単に揺れるだけではなくて,プレイに合わせた揺れ方をするのだ。スタッフに詳細を聞いてみると,40km/h程度の速度で走行したデータを基準に,現在のプレイの様子から電車の挙動を再現しているとのことで,実際に乗って目を閉じたら,本物なのかシムなのかが分からないくらいの素晴らしい揺れ具合(?)だった。
 ちなみに無茶なスピードを出して,すごい揺れを体験しようと思ったら,本物の電車と同様にATCによって自動でブレーキが作動し,強制的に減速させられてしまった。残念だ。ちなみに地下鉄は地下よりも地上のほうが制限速度は高いので,大きな揺れを体験したければ代々木上原の手前の地上区間で加速に挑戦してみるといいだろう。
 また運転はしたくはないけど揺れを体験したいという人のためか,筐体には座席も備えられている。もちろん本物と同じ材質なので臨場感も抜群。長時間揺られていると眠くなってしまうので注意しよう(筆者だけ?)。

 "揺れ"ばかりになってしまったのでほかの部分も。走行区間は代々木上原から綾瀬となっていて,景色についてはワイドな三面スクリーンにプロジェクターで映し出されるようになっていた。これまでにも何度か似たようなものは見てきたが,やはり三面のワイドな画面は迫力が違う。
 しばらく眺めていると,なぜか町谷駅と西日暮里駅の近辺がないことに気付いたので,スタッフの人に話を聞くと,再生時間の総量が30分となっているらしく,それに合わせるために泣く泣く編集したとのこと。さらに言うには,この筐体では映像の再生速度を変えているだけではなく,電車の走行速度や地形の勾配に合わせてブレーキの聞き具合などもシミュレートしているそうで,その再現力はかなりのものだそうだ。
 "ブレーキの再現力はかなりのもの"といわれても一般人の筆者にはピンと来なかったのだが,会話の途中に「私はOBでねぇ」とのセリフが。てことは元運転手さんですが? さすがにプロがいうのだから,これは信じるしかない。単なる説明員のおじさんかと思っていたのでびっくりさせられた。

 しかし,以前に交通博物館の記事で車両が揺れたらいいのにと書かせてもらったが,まさか本当に揺れる電車シムがあるとは思わなかった。さすがにこれ以上の臨場感が楽しめる電車シムはないとは思うが,広いシム業界,ひょっとしたら運転席だけではなく,客車の車窓も再現してくれる電車シムがあるかもしれない。いや,さすがにそれは高望みしすぎというものだろうか。

ほかにもこんなシムがありました

■02系

丸の内線の新宿から茗荷谷までの区間が走行できる。本物と同様の操作が楽しめる。ブレーキの効き具合もかなりよく,初心者にもオススメだ。

■8000系

有楽町線の小竹向原から新木場までの区間が走行できる。でもなぜか運転席のマスコンは半蔵門線のものとのこと。レバーが一つしかないからといって簡単かといえばそうではなく,ブレーキの操作などは02系よりも難しい。

■5000系

東西線が楽しめるらしいが,当日は故障中なのかプレイできなかった。機会があれば,これも運転してみたい。02系や8000系よりもブレーキ操作がシビアであるらしい。


おまけ
臨場感は電車シムだけではないのです
地下鉄博物館は非常に雰囲気がよかった。券売機も地下鉄の切符売り場と同じで,入場チケットも電車の切符と同じ。さらに入場チケットは自動改札口を通して入場できるといった凝りようで,入場からしてちょっとしたアトラクション感覚で楽しめる。

おまけ

 

地下鉄博物館
住所 〒134-0084
東京都江戸川区東葛西六丁目3番1号
TEL 03-3878-5011
開館時間 10:00〜17:00
料金 210円 /小人100円
(小人は4才〜中学生)
アクセス 地下鉄東西線葛西駅から徒歩1分
※主要駅からのアクセスは「こちら」を参照のこと

■■Murayama(4Gamer編集部)■■
自分の体の穴なんて本人の好きにすればいいが,彼の場合は大の耳穴マニア。新手の耳掃除グッズに目がないのはまあいいが,問題は某マッサージ店の話。そこはオプションで耳掃除があるのだが,彼の場合マッサージはまったくどうでもよく,耳掃除が目当てで足げに通っている。そこのマッサージ+オプション耳掃除の代金が1回1万円以上するらしいが,頻繁に通っているので掃除してもらっても耳垢があまり出ないのが悔しいらしい。

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