大型Sim千夜一夜
Text by Murayama
第六回:東武博物館
大型バスを操作して
大自然の中を走ってみたい!
東武バスシミュレータ
形態 バスシミュレータ(東武バス)
プレイ料金 無料
プレイ時間 3分程度
人数 1名

 東京の向島にある東武博物館は,東武グループの乗り物などを展示している博物館。飛行機や鉄道といったカテゴリー別の博物館は多いが,こういった「会社」をテーマにした博物館はやや珍しい存在といえるだろう。先日,ここに大型シムがあるとの情報をキャッチしたので,さっそく取材に向かうことにした。
 筆者は学生時代に東武バスや東武鉄道にお世話になっていたという経緯があり,到着する前から東武博物館に親近感を抱いていたわけだが,到着してみると懐かしい電車や乗り物の数々が……。しかも,高校時代に乗っていた東武東上線のシミュレータまで! 身近なものがシミュレータになっているというのは,少々感激させられてしまった。とはいえ電車シムは前回紹介しているので,できることなら今回は違うものにチャレンジしたいなあ……。
 そこで目に止まったのが東武バスのシミュレータ。本物の運転席を筐体として使っているので,ハンドル,アクセル,ブレーキ,ウインカーなどは本物。ハンドルに併せてタイヤの向きが変わるなど(運転手からは見えないんだけどね),ちょっとした筐体との連動性もあり,臨場感も抜群だ。ただし誰もが遊べるようにとのことから,クラッチを切ったり,ギアチェンジを行ったりできないようになっていた。オートマ感覚でプレイできるというのはいいけど,このあたりも再現してくれると嬉しかった。

 景色は前方のスクリーンに実写が映し出される仕組みで,シーンに合わせた操作が求められるものとなっていた。わざと間違えた操作をしても,コースの逆送や信号無視ができるわけではなく,シミュレータとしての自由度は皆無といってもいい。走行できるコースは山コースと町コースの2種類で,どちらも三分程度のプレイが楽しめる。走行している地域がどこにも書かれていないのでスタッフに確認したところ,前者は鬼怒川の日塩道のハンターマウンテン付近を,後者は春日部市内を走行できるとのこと。プレヤーを見ていると町コースを選ぶ人が多かったが,個人的には自然が感じられる山コースがオススメだ。
 どちらかというと教育的な要素を強く押し出しているようで,運転中に自転車が画面に出ると「路上で自転車は危険な存在です。バスは自転車を避けづらいので,自転車を乗るときは注意しましょう」などと,路上での安全をレクチャーしてくれるようになっていた。運転させるだけではなく,安全面にも注力させようという演出は,実にバス会社らしい演出である。
 一通りのプレイが終了すると,得点が表示されて上達するためのアドバイスが表示される。多くのプレイヤーを見ていると,ほとんどの人が7000点〜8000点であった。筆者も何度かトライしてみたが,アクセルやブレーキのタイミングが画面とずれてしまったり,ヘアピンコーナーでうまくハンドルをさばききれなかったりしたため,表示された得点は7373点。最高得点は10000点とのことなのでまだまだといった感じだ。一見簡単に見えたが,実は非常に難しいのかもしれない。
 とまあ,今回はバスのシミュレータにチャレンジしたわけだが,新たな大型シムがプレイできたということもあって,かなり満足。これまでに飛行機/電車/ヘリコプター/レースといった感じに体験してきたが,まだプレイしていないジャンルは船舶くらいだろう。次回はぜひ船舶シムにチャレンジしてみようかな?


そのほかのシミュレータ

■東武伊勢崎線

 東武伊勢崎線のシムは実在の列車を使った筐体と,運転席とモニターしかないが三面のワイドスクリーンを採用したものの二種類があった。足元の警笛などもちゃんと作動するようになっていて,エキスパート(?)と思われるプレイヤーは,通常操作に加えて警笛なども交えながら上手にプレイしていた。ちかくにいたスタッフに聞いたところ,映像はかなり古いものとのことで,10年前くらいのものらしい。


■東武東上線

 学生時代に通学で使っていたこともあり,景色を眺めているだけでも嬉しくなってしまった。ゲームは車両の速度に合わせて再生速度を調整しているだけなので,自分が止まると対抗車両なども停止してしまう。かなり長い区間が収録されているようで,池袋から志木程度までは確認できた。もっと馴染みの景色を堪能したかったが,結構な人気だったので,二駅程度で次のプレイヤーと交代。時間があればじっくりとプレイしてみたい。


おまけ
ジオラマの中を走る電車もオツなもの
 これまでの"おまけ"コラムでは,本物の車両や航空機などを紹介してきたが,今回はちょっと趣向を変えたものを紹介しよう。
 なんと東武博物館には,電車の模型を走らせるシム(?)が置いてあるのだ。これは,運転席でマスコンなどを操作すると,ジオラマ上の車両をコントロールできるというもの。運転席からのビューでプレイできるシムもいいが,こういった車両全景が眺められるモノも新しい楽しみがあるなと思った次第(よくよく見るとジオラマ上には東武博物館の姿も)。ブレーキの機器が遅いなどの車両特性が顕著ではないのが残念だが,立ち寄ったときには,ぜひともプレイしてもらいたい。

おまけ

 

東武博物館
住所 〒131-0032
東京都墨田区東向島4-28-16
TEL 03-3614-8811
開館時間 10:00〜16:30
料金 200円 /小人100円
(小人は4才〜中学生)
アクセス 東武伊勢崎線東向島駅下車(駅となり)

■■Murayama(4Gamer編集部)■■
Rのつく季節を編集部の誰よりも待ち望む男。というのも,主食が牡蠣だからである。今年の2月には,牡蠣祭りと称して大量の生牡蠣と牡蠣鍋を一晩で大量に体内にジュルジュル流し込み,その後ちょっと寝込んだ。また牡蠣の季節が到来してしまい,オイスターを大量に流し込む計画を練っているらしい。牡蠣毒は当たると死ぬほどつらいらしいぞ。

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