連載 : イース・オリジン連載 ホップ,ステップ,ダームの塔


イース・オリジン連載 ホップ,ステップ,ダームの塔

第3回:「咎火の領域(10F〜13F),黙砂の領域(14F〜17F)」編

「咎火の領域」において3種のスキルをすべて習得

 

 人気RPGシリーズ最新作,「イース・オリジン」に挑戦する冒険者達にアドバイスをお送りする本連載。第3回では,「咎火の領域」から「黙砂の領域」までの,8フロア分を一気に攻略していこう。

 

ユニカが,亡き父の霊から剣を受け継ぐシーン。3種のスキルを一通り取得し,ストーリーもいよいよ佳境へと入っていく

 塔の10階から始まる「咎火の領域」は,炎をテーマにしたステージだ。足を踏み入れるとダメージを受けてしまう灼熱地帯や,炎のブレスを吐くモンスターなどが登場する。
 このステージにおける最大のポイントは,これまでの風と雷のスキルに続き,「炎」のスキルを習得できることだ。実際には下で紹介する中ボスと戦った後に,サウル=トバの亡霊から「紅蓮の大剣」を入手することで使えるようになる。
 ちなみにサウル=トバは,かつて神殿騎士の団長を務めた人物で,同時にユニカの父親でもあるが,「闇」の勢力の幹部「キシュガル」との戦いで命を落としている。そのためユニカにとっては,父の遺志を継ぎ,一人前の騎士へ成長していくという,ストーリー上とくに重要なシーンである。

 

今まで近接攻撃しか行えなかったため,炎のスキルはユニカにとって重宝するだろう。とくに「スキル溜め」を意識して使っていきたい

 

 ユニカとユーゴによる具体的なスキル効果を見ていこう。
 まずはユニカの場合だが,武器を斧から剣に持ち替えたうえで,切っ先から炎を発射できるようになる。つまり,これまで近接戦闘が主体だったユニカにとって,待望の遠隔攻撃手段というわけだ。特筆すべきは,これを「スキル溜め」で使用したときの効果で,炎の幅が画面の3分の1程度にまで広がる。当たり判定だけでなくダメージも相当なもので,非常に頼りになる攻撃手段である。この戦法を最大限に活用するために,「女神の加護」で「スキル溜めの時間短縮」をなるべく早めに獲得しておきたいところだ。

 

ユーゴの場合だと,「ファクトの眼」が火炎をまとって攻撃面に活用できる。「スキル溜め」だと,射程距離がほとんど画面の端まで届くのに注目

 

 もう一方のユーゴの場合は,自分を中心に炎の弾が短時間飛び回って攻撃できるようになる。見た目では風スキルの効果と似ているが,「風のスキル=防御用」「炎のスキル=攻撃用」という部分に着目して使い分けていきたい。例えば数多くのザコ敵に囲まれたときなど,この炎のスキルを使えば一網打尽にできるだろう。

 

ついに女神と対面することになるが,しかしこの後……。彼女達の目的や,黒真珠の行方といった核心部分は依然として謎のままだ 灼熱地帯へ足を踏み入れるとダメージを受けてしまううえ,同時にモンスターへの対処もせねばならず,苦労するエリアだ このステージには,遠距離攻撃を仕掛けてきたり急に足元近くに忍び寄ってきたりと,ユニカにとっては少々やりづらい敵が多く登場する

 

スイッチ式のエレベータを作動させ,さらに奥地へと進んでいく。宝箱がこれらの陰に隠れている場合もあるので注意したい 定期的に1階の女神捜索隊に戻ることも忘れずに。武器の強化のほか,ときには意外な人物からヒントを得られることもあるのだ 毒素が満ちたフロアでは,短時間しか活動できない。もし手詰まりだと感じたら,一度思い切って出来る限り奥まで突入してみよう

 

 

中ボス紹介

 

ユニカ編:キシュガル,ユーゴ編:トール

 「咎火の領域」での中ボス戦は,ストーリー全体の中でとても重要な局面となる。ユニカ編で戦う相手は,「闇」の幹部の一人で同時に父の仇という人物の「キシュガル」。一方のユーゴ編では,彼の実兄でありながら「闇」の軍門に下り,今や敵となってしまった「トール」と戦うのだ。ユニカ編,ユーゴ編共に因縁の対決というわけである。

 

 キシュガルとトールは,どちらも人間タイプということもあり,「ベラガンダー」や「ニグティルガー」といったボス敵のような,見た目からは強さが伝わってきにくい。しかしキシュガルはハルバードを振り回しつつ,氷系の範囲攻撃を次々と繰り出し,一方のトールも動きが非常に素早く,両手に装着した爪による連続攻撃が強力だ。両者共に極端に強く,おそらく最初は,ほとんどの人が打ちのめされてしまうことだろう。ここでは特殊な展開が待っているが,とりあえずは思い切り挑んでみよう。

 

ユニカにとっては父の仇である,「闇」の幹部のキシュガルが登場。繰り出してくる氷柱は,長時間画面内に残るため,移動時に制限を受けてしまうのだ

 

ユーゴの兄である「トール」は,現時点では本作最大の謎といってよい。ストーリーが進展するにつれ,その背後関係が次第に明らかになってくる

 

 

ボス紹介

 

ユニカ,ユーゴ編共通:ゲラルディ

 「咎火の領域」編の最後に待ち受けるボスは,炎の巨人「ゲラルディ」だ。このバトルステージは特殊な地形になっており,ゲラルディの本体は中央に陣取ったまま動くことはない。そして主人公は,このゲラルディの外周をぐるぐる回りながら戦うのだ。前回のニグティルガー戦と同様,画面の回転を駆使したユニークな戦いとなる。
 ゲラルディの主な攻撃手段は,その巨大な体から繰り出すパンチ技と,頭上から断続的に降り注ぐ火柱である。中でもパンチは主人公を直接狙うだけでなく,ときには足場を破壊してくるため対応が難しい。足場の下は灼熱地帯となっているため,ジャンプなどで逃げるときも注意せねばならない。

 

 

 肝心のゲラルディ戦における攻略法だが,本体へ直接ダメージを与えるには,額に埋まったクリスタルを狙う必要がある。しかし,クリスタルのある頭は通常時は高いところに位置しており,いかにしてこれを引きずり降ろすかが攻略の鍵だ。そして,そのための手段は一つしかない。パンチしてきた直後に硬直時間が一瞬生じるので,その瞬間に両腕を破壊。すると攻撃手段を失ったゲラルディが頭突きを行ってくるので,それを避けてからカウンターで額のクリスタルを狙う,というわけだ。

 

 ただし破壊された腕は,一定時間が経過すると復活してしまう。その場合は最初からのやり直しとなるため,おそらく長期戦となるだろう。そこで,例えば「スキル溜め」を用いるなどして,いかに腕を手早く破壊するかという点に注力すれば,幾分戦いやすくなる。ゲラルディはほかにも攻撃パターンがいくつかあるため,戦闘時の詳しい模様についてはプレイムービーを見て頂きたい。
 ちなみに,今回は初めて「ユーゴ編」でムービーを録画している。ユーゴのシューティングゲームライクな雰囲気を知りたいという人にもおすすめだ。

 

■対ゲラルディ戦プレイムービーは「こちら」(2分59秒:43.7MB,WMV)

 

ゲラルディの行動パターンはかなり多め。それらを把握するため,緒戦は一切攻撃せず,逃げながら様子を見るのも手だ ゲラルディ本体へダメージを与えられるのは,この瞬間しかない。即座に攻撃を叩き込むために,スキル溜めなどの準備をしておこう

 

 

「黙砂の領域」では砂地に引き込まれないように注意

 

 それでは引き続き,塔の14〜17階にあたる「黙砂の領域」編の模様をお伝えしていこう。「黙砂の領域」の大きな特徴は,地面が砂地となっているフロアが多々あること。この上で立ち止まっていると,ずるずると引き込まれ,最後には飲み込まれて窒息死してしまうのだ。ここでは以前入手した,水中での呼吸時間を延長する「水竜の鱗」も役に立たないため,とにかく決して立ち止まらないように。

 

 そのほか,このステージ以降ではアンデッド系のモンスターが時おり出現するようになる。このタイプのモンスターは普通に倒しても,一時的に気絶はするものの,再び襲い掛かってくるので要注意だ。アンデッドを完全に浄化するには,戦闘時にあるアイテムを装備する必要があるが,それを入手するまでの間は極力素通りするのが賢いといえる。

 

先のフィーナに続き,もう一人の女神レアもようやく登場。ユニカのリアクションが,フィーナに会ったときとまったく同じなのが微笑ましい 二段ジャンプは高みに移動できるだけでなく,敵からの攻撃を避けるときに実に重宝する。ユニカの場合は下突きと組み合わせるのも効果大だ 主人公は自分一人だけで塔を攻略しているのではない。定期的に女神捜索隊のメンバーとやりとりすることで,大分楽に進められるだろう

 

このステージには,足を取られてしまう砂地や,逆にツルツルに滑ってしまう床が存在する。これについては,後にとあるアイテムで対処できるようになる

 キャラクターの成長面については,「二段ジャンプ」ができるようになる以外は大きな変化はない。これまで各ステージに用意されていたスキルは,三つめの「炎」で一通り習得したことになり,大型のパワーアップは今後とくにない(もちろんレベルアップや女神の加護は今後も行われる)。
 そのため今後は,習得したスキルなどの応用が求められ,各ステージで待ち受けるモンスターの攻撃パターンは,より多彩なものとなってくる。例えばジャンプしないと攻撃が当たらない,本体を倒さないと次々とペットを召喚して手がつけられない,といった具合だ。

 

 トラップに関しても,今後は例えば序盤で入手した「マスクオブアイズ」を必要とするポイントが,さりげなく再登場していたりと気が抜けない(初代イースでもそうだったが)。もし先に進めなくなったら,「リラの貝殻」を使って女神捜索隊のメンバーにアドバイスを聞くのがよい。それを参考にしつつ,インベントリ内のアイテムをじっくり見渡すと,きっと活路を見出せるだろう。

 

自分が選ばなかったもう片方の主人公と,塔の中で会うことも。同じキャラクターでも,視点の違いによって印象がまた違ってくる 呪われた扉を開けるこの場面は,少々難しいトリックかもしれない。各NPCとの会話内容をよく思い出してみよう

 

 

中ボス紹介

 

ユニカ編,ユーゴ編共通:ジェノクレス

 かつて初代イースをプレイした人は,ダームの塔の側面からひょっこりと横に突き出た,「ラドの塔」のことを覚えているだろう。あの重力に逆らい気味の奇妙な小塔は,どうやら700年前からあったようだ。今回ラドの塔へは,捕らわれている女神「フィーナ」を助けるという目的で向かうのだが,しかしそのためには,中ボスの「ジェノクレス」を打ち破らねばならない。

 

 このジェノクレス戦は,今までのボス戦とは少々タイプが異なっている。というのも,ジェノクレス本体とは別に砲台(?)の役割を担うペットが8体いて,これらが共に攻撃を仕掛けてくるのだ。敵の合計数が多いので最初は混乱するかもしれないが,ジェノクレス本体とペットの行動パターンが違うことから,これらを個別に把握することが攻略への第一歩である。

 

 

ジェノクレス本体からの雷については,常に移動していれば直撃を受けることは少ない。ペットの数が多いので,攻撃に転ずるチャンスがつかみにくい

 ジェノクレス本体の基本的な行動パターンは,一定時間ごとにワープで移動しながら,雷の攻撃を行ってくるというもの。雷は主人公のいる場所を的確に狙ってくるものの,あらかじめ地面が光ってから1〜2秒ほどの猶予がある。したがって,地面が光るのを確認したら,落ち着いて移動すれば難なく避けられるだろう。
 一方の砲台は,何通りかある陣形を定期的に変えつつ,火炎などの遠距離攻撃を繰り出してくる。しかし,実はペットの本体には接触してもダメージを受けない。戦闘開始からしばらくの間は様子を見て,陣形を把握するよう努めれば,画面で見るよりは意外と単純な仕組みなのが分かるはず。これらのジェノクレス本体ならびにペットからの攻撃については,習得したばかりの二段ジャンプを使うと避けやすいので,しっかりと活用しよう。

 

 ペットに攻撃してもダメージは与えられないため,ボスを倒すにはジェノクレスの本体を狙う必要がある。本体は数秒間隔でワープしているため,瞬間的に大ダメージを与えられる攻撃手段が望ましいだろう。あるいは,どうしても勝てないと感じたら,画面の隅で逃げ回りつつ遠距離攻撃をちまちまと当てていけば,時間は掛かるものの比較的安全に倒せる。

 

画面に表示されているダメージ値に注目。ペットにはダメージを与えられないので,ジェノクレス本体が出現する瞬間を待とう ジェノクレスの体力がある程度減ると,攻撃間隔が急激に早くなる。安全に倒したいのなら,遠距離から少しずつ削っていくのがベター

 

 

ボス紹介

 

ユニカ編,ユーゴ編共通:コンスクラード

 最後に紹介するボスは,イースシリーズの初代作にも登場した懐かし(?)の「コンスクラード」だ。とはいえ,かつて(というか700年後)のコンスクラードは岩石の化物だったものの,今回は一見,花に見える化物とでもいうか,なんともグロテスクな姿に変貌してしまっている。

 

 

 コンスクラードの攻撃手段は,主に本体からさまざまな種類の弾などを大量に吐き出してくる。さらにこのステージは床一面が流砂となっており,常に中央に向かって引きずり込まれていくのが厄介である。そのために二段ジャンプなどを駆使しても,吐き出される大量の弾をすべて「避ける」のは難しい。
 だが,実はこれらの弾の一部は,ユニカやユーゴの通常攻撃などで打ち壊せる。よってまずは,避けるべき弾とそうでない弾の判別をつけられるようにしよう。

 

 攻略時の流れについてだが,まずは流砂の中に出現するヒトデのような固形物を,すべて破壊。するとコンスクラードの動きが止まり,本体の頂上でガードされていたコアがむき出しになるので,駆け上がって一気に攻撃,これの繰り返しとなる。第一回で紹介したボスの「ベラガンダー」戦に比較的近い展開かもしれない。

 

 このボス戦では「足場が不安定+打ち壊せる弾数が多い」ということもあり,遠隔系の攻撃をメインにすると戦いやすい。つまり換言すると,近接攻撃が得意なユニカにとっては分が悪い戦いとなる。ここで少々タネを明かしてしまうと,ユニカは炎の「溜めスキル」を使うことで大分楽に攻略でき,それ以外の手段で倒すのはとても難しい。実際に,炎の溜めスキルを使いコンスクラードを倒す様子をムービーで紹介するので,参考にしてみてほしい。

 

■対コンスクラード戦プレイムービーは「こちら」(2分46秒:24.7MB,WMV)

 

このボス戦では基本的に近接攻撃系は扱いにくい。遠距離攻撃を使えば,写真のように複数のヒトデ(?)を同時に破壊できる むき出しになったコアに,雷のスキルを叩き込む。このとき「スキル溜め」で攻撃できるように,あらかじめ準備しておくとよい

 

 それでは来週の連載では,ダームの塔の終盤となる「瘴血の領域」と「魔核の領域」編を攻略していこう。

 

 

キャラ紹介:女神捜索隊

 

 今回は,フィーナとレアを救出するために結成された,「女神捜索隊」の面々を紹介しよう。彼らは神殿騎士団や神殿祭司,そして魔導師の選りすぐり10名によって構成され,さらにユニカとユーゴを加えた大所帯のメンバー達で塔を攻略していく。つまり塔の中を一応は大勢で探索しているはずなのだが,共に塔を攻略するといったケースはあまり多くないようだ。本文でも触れたが,主に1階の捜索隊拠点や「リラの貝殻」によるアドバイスでお世話になるだろう。

 

左から:ガレオン(上),ロイ(下),ラモナ,リコ=ジェンマ,エオリア,ミュシャ,セシリア,カデナ,シオン,ディーノ

 

 実際のゲーム内における女神捜索隊の活動内容は,どうも地味な印象がある。ボス攻略をはじめとした肝心の部分は全部主人公に任せっきりで,その直後に「今来たぞ!」と言わんばかりに駆けつけてきたりするケースが多い(ゲームの構成上,仕方ないことだが)。
 ……しかし実は,ユニカ編とユーゴ編をクリアした後,彼らにもちょっとした見せ場が待っているのだ。詳細はクリアしてからのお楽しみということで。

 

捜索隊は頑張っているものの,肝心なところでは後手を取る展開が多い。確かに彼らが活躍しすぎると,主人公の立場がなくなってしまう面はあるのだが

 

女神を崇拝して強引に捜索隊に志願したユニカも,いずれは正式な神殿騎士となる。もっとも,この時点ですでにユニカのほうが捜索隊員より何倍も活躍している気が

 

ユニカ編におけるロイや,ユーゴ編におけるミュシャとの間には,ちょっとしたエピソードが盛り込まれる。それにしても,ミュシャは一体どうやってこの場所へ来たのだろう

 

 

■■川崎政一郎(ライター)■■
4Gamerで週刊連載記事を執筆するライターにとって最大の苦痛は,その過酷なスケジュールではなく,このプロフィール欄である。川崎氏も大変苦労している一人だ。「読者はですね,ライターの意外な素顔やライフスタイルなんかを知りたいわけですよ」とそっと耳打ちしたところ,「四六時中オンラインゲームにどっぷりハマっているおっさんのライフスタイルなんか,誰が知りたいんでしょう」と言われ,つい絶句してしまってすみません。
タイトル イース・オリジン(Vista対応版)
開発元 日本ファルコム 発売元 日本ファルコム
発売日 2007/03/29 価格 7980円(税込)
 
動作環境 OS:Windows 98/Me/2000/XP(+DirectX 9.0c以上),CPU:Pentium III/1GHz以上[Pentium 4/1.3GHz以上推奨],メインメモリ:384MB以上[512MB以上推奨](Windows 98/Meでは256MB以上[384MB以上推奨]),グラフィックスチップ:GeForce 2またはRadeonシリーズ推奨,グラフィックスメモリ:32MB以上[64MB以上推奨]

(C)2006 Nihon Falcom Corporation.


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