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ソーシャルアプリがクルマをもっと楽しいものに。「TOYOTA SOCIAL APP AWARD」受賞作品発表会レポート
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印刷2011/06/22 14:05

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ソーシャルアプリがクルマをもっと楽しいものに。「TOYOTA SOCIAL APP AWARD」受賞作品発表会レポート

画像集#001のサムネイル/ソーシャルアプリがクルマをもっと楽しいものに。「TOYOTA SOCIAL APP AWARD」受賞作品発表会レポート
 トヨタマーケティングジャパンは2011年6月21日,東京・秋葉原のUDXシアターにて,「TOYOTA SOCIAL APP AWARD」受賞作品発表会を行った。
 今回のコンテストは,「自動車への関心を高めるためのソーシャルアプリの企画を,クリエイターから公募する」という趣旨で行われた。2月3日にはプレス向け発表会が行われており(関連記事),ご存じの読者もいるだろう。それから約4か月が経過し,このたび受賞作品が決まったので,授賞式の様子を中心にレポートしよう。

「TOYOTA SOCIAL APP AWARD」公式サイト


トヨタマーケティングジャパン代表取締役社長 高田坦史氏
画像集#002のサムネイル/ソーシャルアプリがクルマをもっと楽しいものに。「TOYOTA SOCIAL APP AWARD」受賞作品発表会レポート
 最初に挨拶を行ったトヨタマーケティングジャパン代表取締役社長の高田坦史氏は,今回のコンテストを振り返り,「応募総数は1255件,サイトのアクセスも70万PVを獲得するなど,予想を上回る反響を得ました」と述べた。
 応募者に対して,「自動車会社が考えるものとは異なるさまざまな提案があり,自動車の魅力の再発見に真剣に取り組んでもらえたことが分かりました」と謝辞を述べた。

 高田氏は,今回のコンテストについて「アイデアを開発するためのスキームである」とし,自動車への関心を喚起してもらうという目的があるほか,今回制作されるソーシャルアプリを通じて,自動車を楽しむための行動を起こしてもらうことを目標にしているという。
 また高田氏は,ソーシャルメディアを,個人と法人が意見を共有できる場との認識を持っており,ソーシャルメディアの発展により,商品のあり方やマーケティングの方法が変化すると捉えているそうだ。今回のコンテストを,環境の変化に対応していくための第一歩にしたいと述べていた。

トヨタマーケティングジャパン マーケティング局マーケティングディレクター 喜馬克治氏
画像集#003のサムネイル/ソーシャルアプリがクルマをもっと楽しいものに。「TOYOTA SOCIAL APP AWARD」受賞作品発表会レポート
 続いて登壇した,トヨタマーケティングジャパン マーケティング局マーケティングディレクターの喜馬克治氏は,受賞作品がどのようなプロセスで選ばれたかをスライドを使いながら解説していった。
 応募者の年齢は15〜83歳と幅広いものの,20代が約半数を占めているという。また,個人からの応募が圧倒的に多く,法人が約15%だったのに対し,個人は約85%に上ったことが明かされた。

 TOYOTA SOCIAL APP AWARDについてのアンケートも行ったそうで,「新しい・面白い企画だと思った」「これからも続けてほしい」「“日本の新しい才能が,クルマをもっと楽しくする!”というテーマに共感した」など,自動車のユーザーからの反応はポジティブなものがほとんどだったという。
 また,「優秀なアイデアの今後」については,70%近くのユーザーが「具体的な開発まで実現してほしい」と回答したそうだ。

画像集#004のサムネイル/ソーシャルアプリがクルマをもっと楽しいものに。「TOYOTA SOCIAL APP AWARD」受賞作品発表会レポート
今回のコンテストで後援/審査などを行う11社
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喜馬氏が提示した5つの審査基準
 一方,応募者へのアンケート調査では,「テーマとして掲げられた“クルマとソーシャルアプリ”という組み合わせが面白い」「自分の考えたアイデアが実現するという点にモチベーションを感じている」という人が多かった。100万円の賞金が獲得できるという点については副産物と捉えている人が多く,コンテストへの参加そのものを楽しんでいるという傾向が強かったそうだ。

 喜馬氏によれば,受賞作品の選考は2段階に分けて行われたとのこと。まず,一次審査で60作品に絞り込んだあと,その中からグランプリが3作品,「ゴールド認定」(自動車の新しい楽しみ方に秀逸な着眼点があり,今後の実用化が考えられるアイデア)が8作品選ばれた。

 喜馬氏は応募作品を振り返り,スマートフォンを中心とした企画が多かったほか,自動車に乗る人/乗らない人双方を対象とする“ハイブリッド性”を重視する傾向が見られたと述べた。
 また,ゲームだけでなく,自動車をより便利に使えるようにするアプリや,日常生活でも重宝しそうなアプリの企画も含まれていたそうだ。喜馬氏は,「これらのアプリを通して,クルマへの関心を高めていければいいと思います」と語っていた。
 そして,「ソーシャル」という概念の捉え方もさまざまで,応募作品には,「不特定多数の人とつながる」ものや,「固定された人と親密なつながりを持つ」ものなどが含まれていたそうだ。

 喜馬氏によれば,受賞作品を決めるにあたり,自動車への関心を高めるためのアプローチが大きな争点になったという。
 例えば,「クルマに乗る人にもっと楽しんでもらい,そこから,クルマに乗っていない人へ広げていく」というアプローチや,「クルマに乗らなくても楽しめる内容にして,興味を持ってもらう」というアプローチ,さらにはその両方を兼ね備えたアプローチなどが見られたからだ。
 審査する側として,どのアプローチがより良いか非常に悩んだものの,最終的には,純粋に「クルマへの関心を高める」内容かどうかをフラットに評価していったという。

画像集#006のサムネイル/ソーシャルアプリがクルマをもっと楽しいものに。「TOYOTA SOCIAL APP AWARD」受賞作品発表会レポート 画像集#007のサムネイル/ソーシャルアプリがクルマをもっと楽しいものに。「TOYOTA SOCIAL APP AWARD」受賞作品発表会レポート


 それでは,今回グランプリを受賞した3作品および,ゴールド認定を受けた8作品を紹介しよう。

グランプリ(1)……「Thumb Tripping」
クリエイター……田中啓介さん

企画内容:“ソーシャルネットワーク型ヒッチハイク”という,新しいドライブ行動を誘発するサービス

 この企画は,「ソーシャルネットワーク型のヒッチハイク」というものがアイデアの核になっており,ヒッチハイクでほかの人の自動車の助手席に座ったあと,さまざまなことが行えるようになっているそうだ。

 喜馬氏は,「アプリの魅力が最大限に引き出されているし,クルマを楽しむための行動を誘発する提案になっているのではないかと感じ,高く評価しました」とコメントした。
 また,「閉ざされたクルマ空間が,ソーシャル空間にみごとに転換されている」「ヒッチハイクという切り口がドライブの魅力を増幅している」「実現化を十分に考慮したアイデアである」「利用シーンを具体的にイメージできている」といったことも,高い評価を獲得した理由として挙げられた。

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グランプリ(2)……「パワーロード -開運カーナビ-」
クリエイター……嶋野裕介さん,馬場俊輔さん,大津裕基さん,小柳祐介さん

企画内容:クルマに乗る行為をハッピーに転換するサービス

 評価のポイントとして,「移動行為を幸せ行為に変えるサービスというアイデアが,具体的に企画化されている点」が挙げられた。
 また,自動車に乗ろうというモチベーションの高め方が優れていること,アプリとしての市場性が高いこと,そして実現可能性が十分にあると想定できることも評価された。

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グランプリ(3)……「ふりっく☆ドライブ -地図で旅する風来坊アプリ-」
クリエイター……電通,塩谷 渉さん(デジタルタイムワープ)

企画内容:「ふりっく」(弾く)をキーワードにした,ソーシャルメディア上のドライブライフシミュレーター

 自動車に乗る人と乗らない人の双方にアプローチする企画で,「ドライブのハードルを下げるという王道の路線が,徹底的に掘り下げられている」点が高く評価されたという。
 このほか,「ドライブの楽しみ方は不変であるという強い思いが形になっていること」「アプリとしての完成度が高いこと」などが,評価された点として挙げられていた。

 なお,ふりっく☆ドライブは,今回のグランプリ作品では唯一,法人によって応募された企画となる。

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ゴールド認定タイトル
・カ〜とめ
・Sha-Car
・私のかわいい愛車(あいつ)
・CAR BEAT
・未来アルバム
・声動車
・沖縄ドライブ
・トヨタカメラ


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 審査員からは,「クルマに対する興味を掘り起こすための企画という意味で,バランスの取れたものが多かった」「企画書の内容は素晴らしいものが多く,バックアップしていきたい」など,好意的な意見が寄せられたとのことで,評価はおおむね良好だったようだ。

 喜馬氏によると,今後,グランプリ作品および,ゴールド認定を受けた作品の作者の意向などをもとにプライオリティをつけ,開発実現に向けて検証するという。その結果を踏まえて開発をスタートし,サービスインを目指していく計画だ。

画像集#016のサムネイル/ソーシャルアプリがクルマをもっと楽しいものに。「TOYOTA SOCIAL APP AWARD」受賞作品発表会レポート
 最後に喜馬氏は,「コンシューマとコンシューマが結びつくことで,クルマの新しい喜びを再発見したいと思います。そして,世の中に新たなカルチャーを生み出すべく,今回審査員を務めたプラットフォーマーの皆さんと共にサポートしていきたいと考えています」と述べ,授賞式を締めくくった。

「TOYOTA SOCIAL APP AWARD」公式サイト

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