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PS Vita本格始動開始! “考えうるすべての機能を兼ね備えた究極のエンターテイメントシステム”の姿とは? 「SCEJ Press Conference」詳報(前編)
このカンファレンスでは,PlayStation Vita(以下,PS Vita)の基本的な機能が紹介されたほか,発売日が2011年12月17日となることや,3G回線のキャリアパートナーがNTTドコモであること,そしてPS Vitaと同時に発売される数々の専用タイトルが紹介された。本記事では,カンファレンス詳報の前半部分をお届けしよう。
ローンチソフトは26タイトル。PlayStation Vitaの発売日は12月17日(土),3G版のキャリアはドコモに決定。「Z.O.E」「ファイナルファンタジーX」など注目作も発表されたSCEJプレスカンファレンスをTwitterで実況
PlayStation Vitaのローンチタイトル26作と現在開発中の74タイトルのリストを公開
プリペイド? 定額? どのプランを選べばよいのか,PlayStation Vitaの通信料金プラン詳細
ゲームプレイ時のバッテリー持続は3〜5時間。「PlayStation Vita」の最終スペックを確認する
専用メモリーカードやヘッドセットなど,PlayStation Vita用の周辺機器&アクセサリーが12月17日より販売開始
ハウス氏は1995年にSCEに入社したのち,欧米でPlayStationのビジネスに携わってきた人物だ。15年ぶりに東京に戻ってきてワクワクすると話すハウス氏だが,その一方でPS Vitaのローンチというタイミングでの社長就任には身が引き締まる思いとの感想も述べていた。
さらにハウス氏は,世界中の優れた開発者が魅力あるソフトでPSファミリーを盛り上げ,かつ最先端の技術でユーザーを震撼させるだろうと展望を述べた。現在,PS3,PSPとも売り上げは順調に推移しているとのことで,ハウス氏はこれからの年末商戦にも全力で臨みたいと意気込みを見せた。
PS3は2011年6月の時点で,全世界の累計販売台数が5180万台に達しており,この1年間の据え置きゲーム機販売台数のシェアとしては49%,対応ソフトのシェアは46%とNo.1のポジションを確立しているとのこと。河野氏は,その理由を,各パブリッシャから魅力的なソフトがリリースされていること,そしてtorneやPS Moveなどによって新しい価値をユーザーに提供できたことにあると説明した。
また,先日発売されたバンダイナムコゲームスの「テイルズ オブ エクシリア」が,初週で50万本を販売する勢いであることや,今後レベルファイブの「二ノ国」,スクウェア・エニックスの「ファイナルファンタジー XIII-2」といった大型タイトルの発売が控えていること,そしてPS3本体にもスプラッシュ・ブルー/スカーレット・レッドの2色が登場することから,年末商戦にも期待したいと述べた。
なお,2011年末には,表面が赤で裏面が黒というツートンカラーのPSP本体を投入し,若年層や女性層にむけたPSファミリーのエントリーモデルという位置づけを盤石なものにしていくとのことである。
なお,河野氏曰く,2011年6月に欧米で,続く7月に日本でPSNの稼働を再開してからは,閉鎖前の状況に迫るほど活況を見せているとのことだ。
河野氏は,PS Vitaが究極のポータブルエンターテイメントを提供する次世代の携帯型ゲーム機であり,PSファミリーの新しいメンバーであると紹介した。
その一方で,河野氏は,ゲームクリエイターがアイデアとテクノロジーを駆使してゲームの世界を大きく広げていることに言及。最先端の分野からカジュアルな分野に至るまで領域が拡大している現状は,大きなチャンスであると述べた。
さらに河野氏は,PS Vitaこそが,そうしたコアな体験からユニーク/カジュアルな体験までを満たすエンターテイメントのプラットフォームであると続ける。
さらに河野氏は,このカンファレンスにて,SCEの公式サイトに用意したPS Vitaのコミュニティサイトに寄せられる質問や問い合わせに答えていきたいと述べ,とくに質問の多かったものとして以下の4つの項目を掲げた。
・PlayStation Vita 発売日
・3Gモデルの概要
・タイトルラインナップ
・PSPタイトルのサポート
このうち,発売日については上記の通り。
続く3Gモデルの概要について,まず3G回線のキャリアパートナーとしてNTTドコモと全面協力することを発表。キャリアパートナーに同社を選んだ理由を,安定と信頼性,そして共に新しいことにチャレンジできる姿勢を重視したと説明した。
さらに,多くのユーザーが,その価値をすぐに体験できるようにするため,新たなプリペイドデータプランを新設したと続けた。辻村氏は,このプランを企画するにあたり,ゲームユーザーが意識することなく気軽にデータ通信を可能にするにはどうすればいいか検討したと述べ,SCEから多くのアドバイスを受けたことを明かす。そして,以下の2種類のデータプランを発表した。
・プリペイドデータプラン 20h
料金:980円
受信時最大128Kbps/送信時最大64Kbps:20時間
・プリペイドデータプラン 100h
料金:4980円
受信時最大128kbps/送信時最大64kbps:100時間
受信時最大14Mbps/送信時最大5.7Mbps:3時間(FOMAハイスピード)
辻村氏は,料金設定はもちろんのこと,購入後,パッケージを開けたらすぐにNTTドコモの通信が使えることなど,すべての点においてチャレンジしたと述べ,ゲームユーザーの多くを占めるであろう若年層にも安心して使えることをアピールした。
また河野氏も,このデータプランを利用するにあたっては,従来のプリペイド方式に必要だった店頭手続きが要らないことや,NTTドコモが提供する既存のデータプランも利用可能なことを補足した。
辻村氏は,今回のSCEとNTTドコモの協力体制により,3Gネットワーク,クラウド,スマートフォン/タブレットのそれぞれと,PS Vitaが繋がることにより,新しい価値が生まれるとし,多くの人が同時に一つのゲームを楽しむ,ソーシャル要素を含んだサービス/コンテンツや,複数の国家や機種をまたいだエンターテイメントが生まれるのではないかと展望を述べた。
また河野氏も,スマートフォンのような新しいプラットフォームと,従来のゲーム市場は競合するものではなく,一緒に新しい市場を拡大していくものであると述べ,それにはバランス感覚と成長戦略が欠かせないとまとめた。
さらに河野氏は,PS Vitaの実機を使って,実際に初めて3Dネットワークにアクセスする手順を実演してみせた。
起動画面の右上には,まるでシートがめくれあがっているかのような表示があり,河野氏がそこをタッチして剥がすような動作をすると,設定画面に移動。言語,タイムゾーン,日付/時刻を設定すると,3Gネットワークの検索に入る。
3Gネットワークへのアクセスが完了すると,今度はPSNを利用するためのアカウント設定に移る。ここでPSNのアカウントを持っていれば,入力することもできるが,河野氏はあえてお試しアカウントを利用して,どれだけ簡単にネットワークを利用できるかをアピールした。
この「マルチタスク」であるという点は,これまでの携帯ゲーム機とは違った特徴なので注意が必要かもしれない。それぞれのアプリケーションは,次のアプリケーションを起動させても自動で終了することはなく,明示的に終了させる必要があるようだ。ゲームを起動している裏でほかのアプリが立ち上がっていると,システムリソースやパフォーマンスに影響する可能性もありそうだ。
また,初めてPS Vitaに触る人のために,遊びながら操作を覚えられるアプリケーション「ウェルカムパーク」も紹介され,簡単なゲームを通じてタッチパネルの感覚を学ぶ様子や,カメラを使ってフォトパズルで遊ぶ様子などが紹介された。
そのほか,位置情報を使ってほかのユーザーとコミュニケーションを図る「near」,ゲームの壁を越えてボイス/テキストチャットを可能にする「パーティー」などが紹介された。
とくに専用Webブラウザはタッチパネルによる快適な操作を実現しており,マルチタスク時にも軽快に動作するとのこと。また「コンテンツ管理」では,USBケーブルを介してPS3もしくはPCに接続すれば,PS Vita上からコンテンツの閲覧やデータ管理も可能だ。
PSNの機能を活用するために欠かせない「フレンド」機能ももちろんある。上記の通り,PS3などで使っていたアカウントがあれば,PS Vita上から既存のフレンドとコミュニケーションを取ることも可能だ。さらには,「トロフィー」機能も拡充され,簡単に閲覧や比較ができるとのこと。
Facebook/Twitter/foursquare/SkypeといったSNSなどに向けては,専用クライアントが用意される。秋山氏は,ゲームプレイの途中でSNSを立ち上げてゲームの状況を報告し,また」ゲームプレイに戻るといった使い方を示唆した。
カンファレンスは,まだ継続していくのだが,PS Vita用タイトル情報などについては詳報の後編に譲りたい。
「ニコニコ動画」への対応も。「ULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3」「ロード オブ アポカリプス」など,オリジナルタイトルを含む多くの新作が発表された「SCEJ Press Conference」レポート(後編)
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