業界動向
任天堂,第3四半期決算を発表。年末商戦で健闘も業績見込みは下方修正
第3四半期は,年末商戦期を含むためゲーム業界にとっては重要なものとなる。とくに年末商戦にあわせてタイトル展開をしていた任天堂にとっては,年間の展開が問われる決算といってよいだろう。
結果は下記のグラフのとおり。
この年末期はニンテンドー3DSの躍進が目立ったのだが,例年の年末商戦期と比較するともの足りない展開となっている。利益的にも,今年前半の赤字分を埋めるまでにはいたっていない。ニンテンドー3DSの出荷台数は1500万台を超え,WiiやニンテンドーDSを上回る普及速度を見せているという。結果を見ると,ニンテンドー3DSの不振で新機種分の上乗せが足りなかったというよりは,従来プラットフォームの落ち込みが問題といえそうだ。
年末商戦での伸びが予想に達していないこと,これまでのドル安に加えて,急激に進んだユーロ安などの影響を受けて,今年度の業績見込みを下方修正している。任天堂では,2011年度開始時に立てた業績予想を四半期ごとに下方修正しており,今回の修正によって売上高で当初の6割の規模のものになっている。
売上高 | 純利益 | |
当初予定 | 1兆1000億円 | 1100億円 |
7月修正 | 9000億円 | 200億円 |
10月修正 | 7900億円 | -200億円 |
今回修正 | 6600億円 | -650億円 |
現状での売上高がすでに5500億円を超えているので,さすがに第4四半期では上方修正になりそうな気配だが,Wii Uが発売される2012年度に向けての巻き返しに期待したい。
任天堂IRページ
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