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印刷2007/06/13 21:25

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Vista環境でEAX&DS3Dを有効に。「Creative ALchemy」正式版公開

ALchemy Projectのロゴ
 Creative Technology(以下Creative)の日本法人であるクリエイティブメディアは,32/64bit版「Windows Vista」に対応した“ツール”,「Creative ALchemy 1.00.04」(以下ALchemy)を公開した。対応サウンドカードは,「X-Fi Xtreme Fidelity」サウンドチップを搭載した「Sound Blaster X-Fi」シリーズ。要するに,「Sound Blaster X-Fi Xtreme Audio」以外の全製品となる。
 すでに4Gamerの最新ドライバページではリンクを更新してあるので,すぐに入手したい人はそちらからどうぞ。

 と突然言われても……という人もいると思われるので,少し説明しておきたい。
 詳細は特集「Vista買うのはまだ早い!(3)ゲームサウンド編」をぜひ読んでほしいが,Windows Vistaでは,サウンド周りの仕様が大きく変更されている。OSの信頼性を向上させるための措置なので,やむを得ないといえばそれまでなのだが,この変更により,Windows Vistaにおいては,EAXやEAX ADVANCED HD,DirectSound 3Dといった,これまでの3Dゲームでごくごく一般的に用いられていたサラウンドサウンドAPIを,ハードウェアで処理できなくなった。せっかくSound Blaster X-Fiなどの単体サウンドカードを持っていても,機能は全然使われず,Windows Vistaがソフトウェアで提供する2chサウンドしか利用できなくなってしまったのだ。

正式公開版ALchemyのメインウインドウに刻まれていたロゴ。βが取れて,ロゴも変わったようだ
 この問題に対処すべく,Creativeが立ち上げたのが「ALchemy Project」(Alchemy:アルケミー,錬金術の意)である。これは,EAXやDirectSound 3Dを用いるゲームがサラウンドサウンドAPIを呼び出そうとすると,その指示を横取りして,Windows Vistaから利用できるサラウンドサウンドAPIである「OpenAL」を呼び出し,ある意味“無理矢理”OpenAL形式のサラウンドサウンドとして処理するものだ。これまでCreativeは少しずつ開発を進めてきており,最新バージョンはβ1.3となっていた。

 さて,冒頭のバージョン表記をもう一度見てみると,1.00.04になっており,巻き戻っているような印象も受けるが,これは「正式版としてバージョン1.0になったということ」(クリエイティブメディア)。Windows Vista環境で,従来の3Dサウンドを利用するソリューションが,ついに一般ユーザーに公開できるレベルに達したというわけである。

■正式公開で日本語に対応
■分かりにくさは相変わらずだが,一歩前進か?


インストーラも日本語化されている。半角カナのオンパレードは相変わらずだが
 さて,あらためて正式公開版を見てみると,日本語に対応したことと,ALchemyの動作確認リスト(※編注:リストアップされているゲームは,特別な設定なしにOpenALを呼び出せる)に入っていないゲームを手動で登録するためのUI(ユーザーインタフェース)が追加されたことの2点が目玉のようだ。

 ALchemyをインストールするには,ダウンロードしたファイル「ALXF_WEB1_LB_1_00_4.exe」を(Sound Blaster X-FiがセットアップされたWindows Vista環境で)実行し,ウィザードに従えばいい。

 あとはインストール完了後にシステムを再起動すると,ALchemyを利用可能になる。標準では「すべてのプログラム」→「Creative」の下に置かれているので,これを実行すればOK。動作確認リストに入っているゲームがセットアップされていれば,左のメニューリストにゲームリストが並ぶ。そこで,ALchemyを利用したいゲームを右のメニューリストに移動させれば,晴れて「対応ゲーム」となり,利用できるようになるという流れだ。

左:ALchemyへのショートカットは「すべてのプログラム」→「Creative」を開いた図の場所にある
右:動作確認リストにあるゲームがインストールされていない場合,何も表示されない


「ゲーム設定」ウインドウ。初めて見た人は戸惑うだろう。それくらい分かりにくい
もっとも現時点では,対応していないゲームの数のほうが圧倒的に多い。そこで,ユーザーが手動で設定を行う必要があるのだが,このときβ版では,ユーザーがインストールフォルダにあるALchemyの設定ファイルをいじったりしなければならなかった。これに対して正式版となるバージョン1.00.04では,メインウインドウにある「追加」ボタンを押すと設定ウインドウが立ち上がり,ゲームを登録できるようになっている。

 残念ながら,[追加]ボタンを押すと開く「ゲーム設定」ウインドウは非常にそっけなく,詳しいヘルプもないため,分かりにくさはあまり変わっていないが,ゲームのレジストリを調べたりする作業が基本的になくなった点は,一歩前進といっていいだろう。
 それにしても,ゲームのインストールフォルダを指定するため,ファイルエクスプローラを起動する[参照]ボタンくらいは,あってもよかったと思うが。

左:ゲームを登録するに当たり,ゲームのインストールされている場所を指定する「ゲームパスの使用」を選択できるようになった
右:登録後,タイトルを選んで[>>]をクリックすれば右のメニューリストに移動し,ALchemyを利用できるようになる


 以上,正式版とはいえ,まだ諸手を挙げて歓迎できるほどの完成度にはなっていない。そのため,今回の公開を持って「Windows Vistaの3Dサウンド周りが解決を見た」というつもりはないが,Windows Vistaユーザーで,Sound Blaster X-Fiをすでに導入しているのであれば,試してみるだけの価値はあるだろう。
 ALchemy自体は厳密にいうとドライバソフトでないため,システムにそれほど大きなダメージを与える危険はないと思われるが,それでも導入作業は自己責任となる。その点だけはご注意を。(ライター:Jo_Kubota)

  • 関連タイトル:

    Sound Blaster

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