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Blizzard EntertainmentがBattle.netにおける実名制導入を取り止めに。コミュニティの猛反対により予定を急遽変更
しかし,Battle.netコミュニティからの圧倒的な批判を受け,この計画は7月9日に,早々に撤回された。そして同社CEOであるMike Morhaime(マイク・モーヘイム)氏は,「コミュニティに向けたオープンレター」と題したプレスリリースを発信した。このリリース内のムーへイム氏の発言部分の訳をここに掲載する。このオープンレターは公式フォーラムにも掲載されている。
みなさん,こんにちは。
今回は,Blizzardの公式フォーラムを,ゲームについて議論するためのより良い場所にしようという我々の願いについて,皆さんにお話しさせていただきたいと思います。我々は,皆さんから受けるフィードバックを常にモニターしており,我々のフォーラムで実名を使うことについての弊社内部での話し合いも行っております。そして,こうした討論の結果,Blizzardの公式フォーラムに書き込みする際に,実名を利用する必要はないという判断を下したことをご報告します。
我々が,今後も公式フォーラムを改善する努力を続けていこうと考えていることは,皆さんにも理解していただきたい重要なことであります。我々の努力は,その100%が,コミュニティをすべてのプレイヤーが歓迎できるものにし,皆さんに我々のゲームについて建設的に議論を重ねていく場を提供するということに向けられています。フォーラムに対する新しい機能の追加,例えば書き込みへのレーティング,そのレーティングをベースにした特定の書き込みへのハイライト,そしてサーチ機能の強化といったことは予定通りに行います。しかし,これらの新機能を含む“StarCraft IIフォーラム”を立ち上げた際には,実名ではなく,StarCraft IIのキャラクターネームと,キャラクターコードの表示で書き込みができるようになります。「World of WarCraft: Cataclysm」のローンチが近づいてきたタイミングで“World of WarCraftフォーラム”もアップグレードいたしますが,このときにも実名による書き込み以外のフィーチャーは採用する予定です。
現在,すでにあるWorld of WarCraftフォーラムにおいてオプションとして実装されている,また,まもなくローンチされるStarCraft IIフォーラムにオプションとして実装される予定である「in-game Real ID system」については,今お話しているフォーラムの計画とはまったくことなるものであることを明確にしておきたいと思います。クロスゲームやクロスレルムでのチャットを可能にするReal IDシステムの導入により,Battle.netがパワフルなコミュニケーション機能を獲得することを私達は信じており,このことによって,同じBlizzardのゲームで遊ぶリアルライフの友人や家族が常につながっていられる環境が構築できることになります。もちろん,お望みであれば実名とキャラクターレベルを未公開のまま,ほかの皆さんとコミュニケーションをとっていただくことも可能です。私達は今後も,Real IDシステムの機能拡充を続け,これを利用すると決めたプレイヤーの皆さんに対して,エキサイティングな機能を提供し続けていきます。
最後になりますが,我々とコミュニティとの関係は,以前同様,これからも非常に重要なものであることを指摘させていただきたい。皆さんのすべてのお声が,我々にとっては価値あるものであり,我々のゲームを大事にしてくれるコミュニティがあって本当に幸せだと感じております。皆さんのフィードバックとサポートに本当に感謝しています。このことは,Blizzardが成功してきた何よりも重要な鍵であると思っています。
Mike Morhaime
CEO & Cofounder
Blizzard Entertainment
7月27日の「StarCraft II: Wings of Liberty」の発売と,それに合わせた公式StarCraft IIフォーラムのローンチを目前に,突然のように湧き出したBattle.netの仕様変更であったが,Blizzard Entertainmentは,3日間で5万ポストにもおよぶ書き込みを行なったファン達の意思に素早く反応し,早々にReal IDシステムの強制を取り下げることになった。
Blizzardが実名の強要を計画した背景には,無記名制によって荒れたフォーラムの再建という目的があったことに疑いはない。FacebookやTwitterなど,欧米では実名の使用を奨励して成功しているオンラインコミュニティは少なくなく,同社もここまでファン達の反対に合うとは思っていなかったのかもしれない。
もっとも,オープンレターによると,Real IDシステムそのものを撤廃するのではなく,実名による書き込みはオプション化して,そのほか発表されているさまざまな新機能はすべて予定どおりにローンチされる見込みだ。また,Real IDシステムの利便性追求も引き続き行っていく模様で,今後は時間をかけてゆっくりと実名制を浸透させていくことになるようだ。今月中にもローンチされると思われるStarCraft IIフォーラムが,どのようなものになるのか期待したいところである。
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