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旧ATI Technologiesの社長兼CEO,Dave Orton氏がAMDを退社
英文ニュースリリースにある,AMDのDirk Meyer(ダーク・マイヤー)社長兼COOのメッセージによると,Orton氏は「別の道」を進むとされており,(少なくとも今のところ)後任は置かれない。「Xilleon」「Imageon」などコンシューマエレクトロニクス製品を担当するAdrian Hartog(エイドリアン・ハートッグ)氏と,「ATI Radeon」などグラフィックス製品を担当するRick Bergman(リック・バーグマン)氏の両上級副社長兼ゼネラルマネージャーが,AMD会長兼CEOのHector Ruiz氏に直接レポートすることになる。
ところで,AMDは2007年7月16日を皮切りに,株主総会やテクノロジーアナリストミーティングなど,重要なイベントを立て続けに開催予定だ。その直前の発表ということもあり,GPUロードマップの遅れなどといったAMD+ATI後のさまざまな責任を取らされたと見るアナリストは多い。実際,リリースのなかでOrton氏は「複雑な思いだ」(It is with mixed feelings that I am leaving AMD)と述べていたりもする。
ただ,「旧ATI Technologiesの社長兼CEOがAMDを去る」というのがかなり暗いニュースかというと,意外にもそうではないようだ。Adrian Hartog氏とRick Bergman氏がそれぞれのチームをまとめるようになることで,結束力はより強くなるとするAMD関係者は少なくない。さらに,「AIBパートナー」(AIB:Add In Board)と呼ばれる,ATI Radeonを扱うグラフィックスカードベンダー関係者のなかには「“Bergman体制”になって、ハイエンドGPUや399ドル台のパフォーマンスGPU市場にも積極的に出て行くロードマップが完成している」と,一歩踏み込んだ情報を基に,今回の人事異動を好意的に受け止めている人も少なくないようだ。
SGI,ArtX,ATI Technologies,AMDとキャリアを重ねてきたOrton氏が,“次”にどこへ行くのかも非常に気になるところだが,ゲーマーとしては,アグレッシブになる気配を見せるGPUビジネス,そしてBergman氏の手腕に注目したい。(ライター:賈 大龍)
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