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Release 185初の公式版「GeForce Driver 185.85」がXP,Vista,7向けで登場。ノートPC向けも同時公開
北米時間2009年5月7日,NVIDIAは,GeForce 6以降のデスクトップPC向け単体GPUおよびグラフィックス機能統合型チップセットをサポートする「GeForce Driver 185.85」,そして,GeForce 8M以降のノートPC向け単体GPUおよびグラフィックス機能統合型チップセットをサポートする「GeForce Driver 185.85 for Notebooks」をリリースした。
統合されているPhysXソフトウェアは,デスクトップPC向けが「PhysX System Software 9.09.0408」,ノートPC向けが同9.09.0203。すぐに入手したい人は,下に示したダウンロードページへのリンク,入手手順を確認しながらダウンロード作業を進めたい人は,4Gamerの最新ドライバリンクページからどうぞ。
→Windows XP用GeForce Driver 185.85(105MB)
→32bit版Windows Vista用GeForce Driver 185.85(106MB)
→64bit版Windows Vista用GeForce Driver 185.85(123MB)
→32bit版Windows 7用GeForce Driver 185.85(106MB)
→64bit版Windows 7用GeForce Driver 185.85(124MB)
→Windows XP用GeForce Driver 185.85 for Notebooks(110MB)
→32bit版Windows Vista用GeForce Driver 185.85 for Notebooks(113MB)
→64bit版Windows Vista用GeForce Driver 185.85 for Notebooks(135MB)
→32bit版Windows 7用GeForce Driver 185.85 for Notebooks(124MB)
→64bit版Windows 7用GeForce Driver 185.85 for Notebooks(136MB)
→最新ドライバへのリンクページ
記念すべきポイントの多い今回のアップデートだが,新要素と変更点を順に見ていこう。
GeForce Driver 185.85
Release 185世代の開幕から1か月強で登場した初のデスクトップPC向け公式最新版は,一言でまとめるなら,「5月1日に公開された『GeForce Driver 185.81 Beta』と同じ」である。ただ,Release 185世代のβ版ドライバ第1弾である「GeForce Driver 185.65/185.66 Beta」と比較してみると,Windows 7(のドライバモデルであるWDDM 1.1)サポートの追加という最大のトピックも含め,いくつか改訂も入っているので,ここであらためてその内容を確認しておきたい。謳われる新要素とパフォーマンス向上は以下のとおりだ。
●GeForce Driver Release 185世代における新要素
1.NVIDIAコントロールパネル周り
◆Ambient Occlusionサポート(※Windows Vista/7のみ。詳細は4月2日の記事を参照してほしい)
◆SLI Antialiasingサポート(※Windows Vista/7のみ。Windows XPでは以前から対応済み)
◆ディスプレイ関連のアップデート
- SLI構成内にある,プライマリではないグラフィックスカードとつながったディスプレイを,SLIマルチディスプレイ接続時に選択できるようになった
*クローンモードでは利用不可
*Quad SLI構成時に利用できるディスプレイは2台まで
*2台のディスプレイを使う場合,プライマリのグラフィックスカードに両方とも接続することが推奨される - 各アプリケーションからデスクトップカラー設定を制御できるようになった(※Windows Vista/7のみ)
- NVIDIAコントロールパネルからHDCPステータスを確認できるようになった
- 各アプリケーションからビデオカラー設定を制御できるようになった(※Windows Vista/7のみ)
2.ドライバの挙動周り
◆「EDID-like」(※原文ママ,詳細不明)なデバイスのサポートを追加
◆マルチディスプレイ接続時に,ホットプラグ/ホットアンプラグを行ったとき,問題なく動作するよう,過去の接続情報を基に,ディスプレイドライバ側で自動的に調整するようになった。接続情報がない場合は,デフォルト設定を適用させたうえで,ポップアップメッセージを表示する(※Windows Vistaのみ)
6.ビデオ周り
◆「Compute-based」DVDアップスケーリングに対応(※Compute-basedは,「アップスケールに関する補間処理をシェーダで行う」とか,そんな意味ではないかと思われるが詳細不明)
7.CUDA周り
◆CUDA 2.2の新規サポート(※概要は4月3日の記事を参照してほしい)
◆「CUDA Video Encoder 1.1」追加
- Streaming Processor数が32基以下のGPUにおいても,CUDAベースのビデオエンコードアクセラレーションが利用可能に
8.OpenGL周り
◆OpenGL 3.0のサポート
◆OpenGLシェーディング言語に「NVX_shader_buffer_load」を実装
◆OpenGLマルチディスプレイのサポート(※Windows XPのみ)
●GeForce Driver Release 185世代におけるパフォーマンス向上
(※比較対象はRelease 182)
- 「The Chronicles of Riddick: Assault on Dark Athena」で最大25%
- アンチエイリアシングを適用した状態の「Crysis Warhead」で最大22%
- アンチエイリアシングを適用した状態の「Fallout 3」で最大11%
- 「Far Cry 2」で最大14%
- アンチエイリアシングを適用した状態の「Mirror's Edge」で最大45%
- 3-way/Quad SLI構成時に,アンチエイリアシングを適用した状態の「Source Engine」採用タイトル(※原文では「Half-Life 2 engine games」)で最大30%
バグフィックスの詳細は,リリースノートを見る限り,GeForce Driver 185.81 Betaと完全に同一のため,割愛する。興味のある人は5月1日の記事を参照してもらえれば幸いだ。
なお,リリースノートには,バグフィックスに関する項目とは別に,「185.85版ドライバをインストールすると,PhysX System Software 9.09.0408が正常にセットアップされるが,NVIDIAコントロールパネルは,PhysX System Softwareのバージョンを9.09.0203であると誤ってレポートするので要注意」という旨の断り書きがあったので,念のため付記しておきたい。
※お詫びと訂正
初出時,PhysX System Softwareに関する注意書きについて,“『PhysX System Software 9.09.0203』がインストールされていると,NVIDIAコントロールパネルがエラーを返すので,185.85版ドライバを使う場合には,9.09.0408へアップデートするように」という旨の注意書きがあった”としていましたが,これは誤訳です。お詫びして訂正いたします。
GeForce Driver 185.85 for Notebooks
バージョンが同じということもあり,追加されている新要素は基本的にデスクトップPC向けと同じ。以前のバージョンがRelease 179世代だったこともあって,「GeForce 3D Vision」のサポートがトピックとして加わっているが,逆にいうと,違いはそれくらいである。
一方,対応GPUが異なるため,バグフィックス内容は独自のものになっている。185.85版ドライバまでに行われた修正は,リリースノートによると下記のとおりだ。
●GeForce Driver 185.85 for Notebooksまでに解決した問題(Windows XP)
- GeForce GT 130M搭載環境のDualView構成時,プライマリディスプレイを切り替えると,「HD format」を変更できない問題(※「HD format」が何を指すのかは不明)
- GeForce 9800M GTX搭載環境で,「フラットパネルスケーリングの変更」にある選択肢のうち,「固定された縦横比のNVIDIAスケーリングを使用する」および「スケールしない」が,解像度設定の変更前には正常に適用されない問題
- GeForce 8700M GTのSLI構成時に,SLI動作の有効/無効を切り替えると,デスクトップが正常にリサイズされない問題
●GeForce Driver 185.85 for Notebooksまでに解決した問題(32bit版Windows Vista)
- DirectX 10版「Company of Heroes」の実行時に,高いフレームレートを維持していても,カメラを大きく動かすと,画面スクロールが引っかかるような挙動を見せる問題
- GeForce 9500M/9400M搭載環境で,DualView構成時に,セカンダリディスプレイの解像度やスケーリング設定を変更すると,シングルディスプレイモードに切り替わる問題
- GeForce 8800M GTX搭載環境で,HDMI接続した外付けのテレビをシングルディスプレイモードで利用できず,クローンモードやDualViewモードのプライマリディスプレイとしても利用できない問題
- GeForce 8800M GTXのSLI構成時に,解像度1920×1200ドットの環境で「BioShock」を実行した状態から,[Alt]+[Tab]キーでフルスクリーンモードへ切り替えると,画面に何も表示されないまま,ゲームがハングアップする問題(※フルスクリーンモードへ切り替える前の状態に関する記述はない。デスクトップから,だとは思うが……)
●GeForce Driver 185.85 for Notebooksまでに解決した問題(64bit版Windows Vista)
- GeForce 8800M GTX搭載環境で,高解像度テレビとコンポーネント接続し,それをシングルディスプレイモードで利用した状態からスリープ,もしくは休止状態に入れると,復帰時,ディスプレイがLVDS(※液晶ディスプレイ側のインタフェース。ここではノートPC側のディスプレイを指すと思われる)に切り替わる問題
●GeForce Driver 185.85 for Notebooksまでに解決した問題(32bit版Windows 7)
- リリースノートに記載なし
●GeForce Driver 185.85 for Notebooksまでに解決した問題(64bit版Windows 7)
- リリースノートに記載なし
なお,GeForce Driver 185.85 for Notebooksに関しては,下記のとおり,いくつか注意事項がある。ゲーマー向けノートPCはとくに当てはまらないはずだが,国内で流通する大手メーカー製品だと,けっこうな割合で非対応だったりするので,この点は注意しておいてほしい。
●GeForce Driver 185.85 for Notebooksに関する注意事項
- Hybrid SLI仕様の製品は非対応
- ソニー「VAIO」シリーズは非対応
- 富士通製品は非対応(※富士通シーメンス製品には対応)
- Lenovo「ThinkPad」シリーズは非対応
- 本バージョンのリリース日以降に発表されたすべての製品は非対応
- ドライバのアップデート前には,システムのバックアップを取ることを推奨
- Dell製ノートPC「Inspiron 420」「XPS M1330」「XPS 1530」のユーザーには,ドライバアップデートに先立って,NVIDIAから提供される「Recommended Software Update」の適用を強く推奨
……というわけで,185.85版の評価は,人によって変わってくるはずだ。デスクトップPCユーザーの場合,ゲームにおける最適化の進行を期待するなどして,β版を積極的に導入するタイプの人にとっては,今回の公式最新版は「185.81 Betaをベースに,細かなバグを潰すなどして,WHQLを通したバージョン」に過ぎない。一方,公式最新版以外は導入しないというポリシーの人にとっては,Release 185世代の特徴を享受可能な初の公式最新版として,自己責任で導入するに足るバージョンであると評価できるだろう。
また,ノートPCユーザーにとっては,ついにバージョンがデスクトップPCと並んだ,記念すべきリリースである。こちらも,自己責任で導入する価値は,大いにあるといえそうだ。
- 関連タイトル:
GeForce Driver
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