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ゲームへの最適化とバグフィックスの進んだ「ATI Catalyst 8.7」公開
「Display Driver」のバージョンは「8.512」。対応GPUはATI Radeon 9500〜9800とATI Radeon X以降。対応チップセットはATI Radeon XpressおよびAMD 4/5/6/7シリーズとなる。対応OSはWindows XPおよび32/64bit版Windows Vistaとなる。
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Display Driverのバージョンでは2008年6月版比で0.011の向上となるCatalyst 8.7だが,今回は小粒ながら新機能が二つほど追加されたのと,主要タイトルにおけるパフォーマンス最適化とバグフィックスが主なトピックとなっている。以下,順に見ていきたい。
●Catalyst 8.7の新機能
- ユーティリティソフト「ATI Catalyst Control Center」(以下,CCC)の「Information Center」拡張
- Linux OS「Ubuntu 8.04」「SLED 10 sp2」のプレビューサポート
●Catalyst 8.7におけるパフォーマンス向上
- ATI Radeon HD 3600/3400シリーズのシングルカード搭載環境で,「3DMark Vantage」の「Performance」プリセットにおいて最大20%
- ATI Radeon HD 4800/3800/3600シリーズのシングルカード搭載環境で,DirectX 10版「Company of Heroes」の一部マップにおいて3〜12%
- ATI Radeon HD 4800/3800/3600シリーズのシングルカード搭載環境で,DirectX 10版「ロスト プラネット エクストリーム コンディション」の一部マップにおいて4〜15%
- ATI Radeon HD 4800シリーズのシングルカード搭載環境で,「Call of Duty 4」の一部マップにおいて最大4%
- サポートされるすべてのATI Radeon搭載環境で,DirectX 9版「ロスト プラネット エクストリーム コンディション」のATI CrossFireX(以下,CrossFireX)パフォーマンスが最大1.7倍。アンチエイリアシング&異方性フィルタリング適用時は最大80%
●Catalyst 8.7で解決した主な問題(Windows XP)
- 解像度2560×1600ドットで「City of Heroes」をプレイすると,キャラクターが引き伸ばされて表示されたり,「double character reflection」(※原文ママ。キャラクターもしくはキャラクターの影が二重に表示されることではないかと思われるが詳細は不明)が生じたりする問題
- ATI Radeon HD 3800シリーズのCrossFireX構成時に「Enemy Territory: Quake Wars」をプレイすると画面がちらつく問題
- 「ロスト プラネット エクストリーム コンディション」実行時に,ゲームとWindowsデスクトップをタスク切り替えすると画面表示がおかしくなる問題
- CCCからアンチエイリアシングを有効化すると,「World of Warcraft」でゲームにログインできない問題
- 3Dモデリングソフト「Google SketchUp」で,いくつかの操作を正常に行えない問題
- (グラフィックスカードなどに付属する)インストールCDからドライバをセットアップしようとすると,「CCCはこのドライバのバージョンでサポートされていない」という警告メッセージが表示される問題
●Catalyst 8.7で解決した主な問題(Windows Vista)
- ATI Radeon HD 2600シリーズ搭載の32bit版Windows Vista環境で「Assassin's Creed」を実行しようとしてもできず,デスクトップに戻ってしまう問題
- 「UBM」(※原文ママ)を有効化時に,DirectX 9版「Crysis」で「Edge detect」が正常に動作しない問題
- ATI Radeon HD 3800シリーズ搭載環境で「Frontlines: Fuel of War」を実行し,ゲーム内設定から解像度を1152×864ドット,アンチエイリアシング設定を無効に設定すると,画面表示がおかしくなる問題
- ディスプレイ解像度を2560×1600ドットに設定すると,「Hellgate: London」が応答しなくなる問題
- 「Mahjongg Artifacts」を実行しようとすると,OSが応答しなくなる問題
- 「Tom Clancy's Rainbow Six: Vegas 2」実行時に,ゲームとWindowsデスクトップをタスク切り替えすると画面表示がおかしくなる問題
- 「Tom Clancy's Rainbow Six: Vegas 2」で,8x AAを適用できない問題
- 「World in Conflict」でゲーム内のグラフィックス設定を「High」に指定すると,画面表示がおかしくなる問題
- OpenGLモードで「World of Warcraft」を実行すると,ログイン画面の背景が表示されない問題
- アジアのゲーム「ZT」(※中国で運営されている「征途Online」(ZT Online)ではないかと思われるが詳細は不明)をウインドウモード,もしくは1280×1024ドットの全画面で実行すると,ゲームが応答しなくなる問題
- ATI Radeon X18x0シリーズ搭載環境で,「Catalyst AI」を「Advanced」に設定していると,複数のタイトルにおいて「タイムアウトの検出と回復エラー」(Timeout Detection and Recovery,TDR)が発生してゲームが停止する問題
- ガンマや輝度,コントラスト設定をCCCから変更すると,CCCのInformation Centerにある項目の一部が表示されなくなる問題
- CrossFireXの有効/無効を切り替えると,サポートされるはずの解像度設定がいくつか選択不可能になる問題
このほか,ここ数か月と比較するとその絶対数は少なくなっているものの,ビデオ再生やHDMI出力,マルチディスプレイ関連でも複数の不具合が潰されている。総じて「それほどの派手さはないが,順当なアップデート」といったところだろうか。
ドライバのアップデート作業が自己責任となる点だけは注意してほしいが,主要タイトルにおけるパフォーマンス向上度合いの“景気”がいいことを考えても,対応するデスクトップPC向けGPUやチップセットを利用している人なら試してみる価値がありそうである。
- 関連タイトル:
AMD Software
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