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BFBC2対策など,順当にバグフィックスの進んだ「ATI Catalyst 10.4」公開
ATI Catalystは,2010年3月版から,ノートPC向けの「ATI Catalyst Mobility」も同時公開となっているが,もちろんその流れは2010年4月版も継承。デスクトップPC向けはWindows XP,Vista&7,ノートPC向けはWindows Vista&7用がそれぞれリリースされている。
対応GPUは,デスクトップPC向けがATI Radeon HD 2000〜5000シリーズと,「AMD 740G」を除くAMD 7世代のチップセット。ノートPC向けはATI Mobility Radeon HD 2000〜5000シリーズのGPUと,「ATI PowerXpress」対応のチップセットだ。ただし,ノートPC向けドライバに関しては,いくつか制限事項があるので,それらについては本稿の最後を参考にしてほしい。
→4Gamer最新ドライバリンクページ
「Display Driver」のバージョンは8.723で,「ATI Catalyst 10.3」の同8.712からは,0.011の引き上げとなった2010年4月版だが,4Gamer的には「クリティカルなバグを潰してきたもの」という理解でよさそうだ。
最近,AMDは2回に分けて,「『Battlefield: Bad Company 2』で,マップのロード時間が異常にかかる」という問題に対処したプレビュー版ドライバを,第1弾,第2弾とリリースしていたが,英文リリースノートを見る限り,少なくとも第1弾の内容は,“月刊ATI Catalsyt 4月号”に盛り込まれたようである。
このほか,英文リリースノートに記載されている新要素やパフォーマンス最適化内容,バグフィックス内容の和訳は下記のとおり。Windows 7向けでゲーム関連の改善がいくつか見られるものの,全体的にはビデオ再生周りに注力して修正が進んだ印象を受ける。
完成度が高めだったATI Catalyst 10.3をベースに,さらなる問題修正が進んだリリースとして,対象製品のユーザーなら,自己責任で導入する価値のあるものとまとめることができそうだ。
●Catalyst 10.4の新要素
- H.264 Level 5.1の新規サポート
・対応プレイヤーの利用時に,H.264 Level 5.1仕様のストリームを再生可能に
・4K2Kの超高解像度ビデオファイル再生が可能に
(※筆者の記憶が確かなら,Level 5.1では1920×1080ドット@120.5fps,4096×2048ドット@30.0fps,4096×2304ドット@26.7fpsをサポートし,かつ,プロファイルごとの最大ビットレートも拡張されているはずだが,英文リリースノートに,上記和訳で示した以上の言及はない) - Windows 7のドラッグ&ドロップ型ビデオコンバータに向けた拡張
・パフォーマンス向上
・MTSとWindows Media Video 9の複合プロファイルによるインタフェース形式のH.264ファイルフォーマットを新規サポート
・「ATI Catalyst Control Center」(以下,CCC)からGPUアクセラレーションの有効/無効切り替えが可能に
(※MTSは「Multichannel Television Sound」のことではないかと思われるが詳細不明)
●Catalyst 10.4におけるパフォーマンス向上
- 「S.T.A.L.K.E.R.: Clear Sky」において,ATI Radeon HD 5970搭載環境で最大6%,ATI Radeon HD 5800&5700搭載環境で最大3%
●Cataslyst 10.4で解決した問題(Windows XP,Vista&7)
- デスクトップ上で,マウスカーソルが間欠的に巨大化して表示される問題
- 「ATI Eyefinity」(以下,Eyefinity)グループにおいて,グループ内で最後のディスプレイに関する設定を行っているときに[Page Down]キーを押すと,本来なら次のディスプレイへ移るところが,ベゼルユーザーインタフェースを閉じてしまう問題
- ベゼル設定周りのショートカットキーが正常に機能しない問題(※おそらく「Eyefinityにおいて」だと思われるが,そうは書かれていない。原文は「Shortcut keys to configure the bezel now functions properly」)
●Catalyst 10.4で解決した問題(Windows XP)
- スタンバイからの復帰がトリガーとなって,「Adobe Flash Player」のハードウェアアクセラレーションが無効化されることのある問題
- AGP接続のグラフィックスカードからHDMI出力を行っていると,「バイオハザード5」が起動しない問題
- 韓国産オンライン専用ゴルフゲーム「Golfstar」で,「nProtect GameGuard」との互換性トラブルが発生する問題
●Catalyst 10.4で解決した問題(Windows Vista)
- ディスプレイとHDMI接続しているとき,サウンド出力デバイスが「ATI HDMI Output」と正しく表示されない問題
- 「Warhammer 40,000: Dawn of War II」で,ゲーム側のグラフィックス設定を高くし,かつ解像度を1920×1200ドットに指定すると,画面がフラッシュバックする問題
- ATI Radeon HD 4800シリーズ搭載環境で,「Adobe Flash Player 10.1」を実行し,フルスクリーンでビデオ再生を行うと,画面表示がおかしくなる問題
- デュアルコアCPU搭載環境で,「GPU encoding」を有効にすると,CPU使用率が高くなる問題
●Catalyst 10.4で解決した問題(Windows 7)
- ATI Radeon HD 5000シリーズ搭載環境で「Battlefield: Bad Company 2」を実行すると,マップのロード時間が異常に長くなる問題
- 2Dアプリケーションと2Dのベンチマークソフトでパフォーマンスが出ない問題
- デュアルディスプレイ環境をクローンモードで構築していると,CCCの「Advanced options」が無効化される問題
- 「Adobe Flash Player 10.1」からSD/HDビデオを再生するに当たって,ビデオのガンマ調整設定が正常に機能しない問題
- 香港TVB.COMのデジタルテレビサービス「HD Jade」をWindows Media Playerで再生すると,ビデオの表示がおかしくなる問題
- ATI CrossFireX環境で「Shattered Horizon」をプレイすると,画面がまたたく問題
- マルチGPU搭載環境で「Aliens vs. Predator」を実行し,ゲーム側から解像度設定を変更すると,画面がちらつく問題
- Blu-ray Discのビデオ再生時に,CCCの「Basic Color」設定を変更したとき,色がスムーズに切り替わらない問題
- 「Empire: Total War」と「Napoleon: Total War」で,ゲーム内オプションからボリュームエフェクト(Volumetric Effects)を有効化すると,ゲーム内オプションから指定したアンチエイリアシング設定が機能しない問題
- 「Battlefield: Bad Company 2」で,画面がまたたいたり,テクスチャがちらついたりする問題
- 「NecroVisioN」がDirectX 10モードで正常に起動しない問題
- デスクトップでAeroを有効にしたり,グラフィックススコアをアップデートしたりすると,デスクトップの表示がおかしくなる問題(※「グラフィックススコアのアップデート」は,エクスペリエンスインデックスの再実行ではないかと思われるが詳細は不明。原文は「Desktop corruption no longer observed on enabling Aero effects or updating graphics score」)
- 8xアンチエイリアシングを適用すると,“The Chronicles of Riddick 2”で,画面に何も表示されなくなる問題(※おそらく「The Chronicles of Riddick: Assault on Dark Athena」のことを指していると思われるが,確証はない。原文は「Blank screen no longer observed when 8X anti-aliasing is applied in “The Chronicles of Riddick 2” game」)
●Catalyst Mobility 10.4の制限事項
- 本バージョンのリリース後に発表されたノートPCは非対応
- Intel製チップセットを搭載し,Switchable Graphicsを採用したノートPCは非対応
- 東芝製ノートPC,ソニー製「VAIO」シリーズのノートPC,パナソニック製ノートPCは非対応(※従来同様,ドライバはPCメーカーから提供される)
- 関連タイトル:
AMD Software
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