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税込約4万円のゲーム実況向けマイク「Razer Seiren Pro」ファーストインプレッション。“無印”との間にある2つの違いをチェックしてみた
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印刷2015/07/17 12:00

テストレポート

税込約4万円のゲーム実況向けマイク「Razer Seiren Pro」ファーストインプレッション。“無印”との間にある2つの違いをチェックしてみた

Razer Seirēn Pro
メーカー:Razer
問い合わせ先:MSY(販売代理店)
予想実売価格:4万円前後(※2015年7月17日現在)
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 2015年2月に,Razerのゲーム実況向けマイク「Razer Seirēn」(以下,Seiren)をレビューしたのだが(関連記事),あれから数か月でその上位モデルとなる「Razer Seirēn Pro」(以下,Seiren Pro)がRazerから発表されたのは,すでにお伝えしているとおりだ。また,別記事にあるとおり,8月26日に税別3万6800円で国内発売となることも,国内販売代理店であるMSYから7月17日付けで明らかになっている。単純計算した税込価格は3万9744円。4万円弱となる。

 それに合わせて筆者は,4Gamerの会議室で新製品を短時間ながら試す機会が得られたので,「“無印”とProで何が違うのか」を,ファーストインプレッションとして,簡単にまとめておきたいと思う。


変わったのはわずかに2点ながら

その違いは非常に大きい


本体,話者から見て裏側に来るRazerロゴは,Seiren Proだと光らない
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 SeirenとSeiren Proの違いは,わずかに2点。Seirenのレビュー時に「ないのが残念」だとした,録音時に低周波をカットして環境ノイズを軽減する「ハイパスフィルタ」と,ステレオのアナログ出力を搭載してきたことだ。
 ハードウェア設計的にも,この2点に合わせた変更は入っているが,それ以外,全体的なデザインや基本機能はSeirenとまったく同じ。あえていえば,Razerロゴが光らなくなったのが外観上の違いだが,その程度である。

外観や基本仕様はSeirenのそれを踏襲する。なので,詳細情報はSeirenのレビューをチェックしてほしい
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こちらはSeirenの本体底面。インタフェースやボタンが一列に並んだレイアウトだった
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 ただ,実際に試してみると,「2つの新仕様導入」に合わせて実施された,本体底面のレイアウト変更が少し気になった。簡単にいうと,SeirenでUSB Micro-Bとヘッドフォン出力用の3.5mmミニピンアナログサウンド出力,RazerロゴLEDの点灯/消灯切り替えスイッチが“一列”に並んでいたのに対し,Seiren Proでは底面にアナログステレオ出力用となる5ピンのXLR端子が用意されたことで,USB Micro-Bと3.5mmミニピン,ハイパスフィルタの有効/無効切り替えボタンが追いやられ,結果として,モニタリング用のヘッドフォンを接続するとき,端子の形状やサイズ次第では,金属製の台座と干渉してしまう可能性が出てきたのだ。この点は,無印Seirenと比べてスマートではない点として指摘しておく必要があるだろう。

こちらがSeiren Proの本体底面(左)。XLR端子の追加によって端子群の配置にしわ寄せが出てしまい,結果,大きめの接続端子を持つヘッドフォンをモニタリング用に取り付けると,台座と干渉してしまう事態を迎えることになった(右)。ちなみにここで接続しているヘッドフォンはAKG「K240」。この状態で無理に動かすと接触不良が起こったりするので,ヘッドフォン端子が干渉する場合は注意と工夫が必要だ。無理に押し込んではいけない
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 さて,「ハイパスフィルタとはなんぞや」という話はSeirenのレビューでねちねちと書いたが,簡単に復習しておくと,ハイパスフィルタは,低周波の環境ノイズをカットできる機能だ。筆者は以前の記事で,

  1. プロのレコーディングスタジオでもない限り,マイクで録音する現場は,環境ノイズ(=フロアノイズ)まみれになるケースがほとんどである
  2. ダイナミックマイクを採用する,一般的なゲーマー向けヘッドセットと異なり,コンデンサマイクを採用するSeirenは感度が高く,ノイズを拾いやすい

ため,ハイパスフィルタは,ほとんど必須と言っていい機能であり,にも関わらず用意されていないというのが,“無印”版Seiren Proにおける大きなマイナス要素だと指摘している。
 それに対してSeiren Proでは,ハイパスフィルタを搭載し,しかも「録音環境にあるノイズの多寡に応じて有効,無効を切り替え可能」という,プロ用途のマイクと同じ仕様になっているのがポイントだ。

 実際に使ってみれば,イベント会場や,空調がガンガン回っている室内での実況など,ノイズの大きい環境で,その恩恵を実感できるだろう。「ゴン」とか「ガン」とかいったノイズや,足音などの非定常波ノイズを軽減するのにも,ハイパスフィルタはもちろん有効である。

今回アナログ接続テストに利用した機材。Seiren Proに加えて,筆者が持ち込んだ「Macbook Air」と,2chマイクアンプ内蔵のFireface UCX,開放型ヘッドフォンであるK240だ。K240を持ち込んだのは,音漏れよりも,音質チェックを優先するためだ。読者が実際に使うときは,密閉型ヘッドフォンの利用を強く勧める
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 もう1つの新機能,アナログ出力は,「USB給電で動作するお手軽プロ仕様マイク」たるSeirenにとっては蛇足であるような気もしたのだが,筆者がモバイル用途および楽曲のリスニング用途で使用しているRME製サウンドデバイス「Fireface UCX」とアナログ接続して録音・試聴してみたところ,アナログ出力が搭載された理由が一発で理解できた。
 というのも,「プレゼンスの利いたワイドレンジ」という点では,アナログ出力時もUSB接続時と変わらない「Seirenの音」である一方,低周波と高周波がより強く出て,USB接続時よりさらにハイファイ感が増して聞こえるようになったからだ。定位も,よりはっきりするようになる。USB接続時の音が「プロオーディオに迫る音」だとすると,アナログ接続したSeiren Proの音はプロ用マイクと遜色ない。下手なプロ用マイクを使うくらいなら,Seiren Proのアナログ出力を使ったほうがいいとすらいえる印象である。

アナログ出力時には小型パネルに「XLR」と表示される
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 なぜアナログ出力の音が良好なのかだが,Seiren Proではアナログ接続にあたって,ファントム電源を使っているから,というのがその答えになるだろう。
 ファントム電源(Phantom Power,日本では訛った「ファンタム電源」表記も多い)というのは,+48Vという高電圧でマイクへの給電を行う,プロ用マイク向けの規格のこと。XLRケーブルで給電され,単体の給電ケーブルとして“見えない”ことから,ファントム(お化け)という名が与えられている。

Seiren Proに付属する専用アナログステレオ出力ケーブル。プロ用マイクはXLR端子を使用するが,Seiren Proのサイズで2系統のXLR端子を用意できないためか,5ピン×1−3ピン×2という変換ケーブルが標準で付属する。あくまでも変換用といった感じで全長も短いため,マイクアンプとの距離が遠い場合は,XLRケーブルを2本用意して延長することになるはずだ
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 コンデンサマイクのアナログ接続時には,この+48V給電できるマイクアンプが必須となる。なので,Seiren Proのアナログ接続にあたっても,今回用いたFireface UCXのようなマイクアンプ付きサウンドデバイスや,単体の,しかも2ch入力に対応したマイクアンプ製品が必要なので,ハードルは決して低くない。だが,十分な電力供給が行えるためマイク感度が高くなり,より広帯域で集音できるようになったこと,USBのA/D(アナログ→デジタル)変換やD/A(デジタル→アナログ)を介す必要がないこと,定評のあるFireface UCXのマイクアンプを利用できていることが複合的に作用した結果として,「いい録音」になっているのは確かなので,予算に都合が付くなら,マイクアンプ付きサウンドデバイスと組み合わせることを勧めておきたい。

 このあたりは,後日掲載予定のレビュー記事で細かくチェックしたいと思うが,第1印象としては,「確かに『Pro』を謳うだけのことはある」といったところ。Seirenのときも書いたが,予算に余裕があり,また我慢しきれないなら,この時点で予約注文してしまっても,後悔することはないだろう。

RazerのSeiren製品情報ページ(英語)

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    Razer

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